今日は子どもの日。ヘンタイのオジさんだって、子どもの健全な育成を願っているのです。

子どもの頃に、この漫画を読んでいたからなのか、オナニーをすると
人格のある精子の男たちが5億人無駄死にする という後ろめたい思いにかられてしまうのは僕だけだろうか。

そして、セックスというものは、女王様との出会いなのだという意識も芽生えたのではなかったかと、今になると思うのである。

冒頭のシーンからこの作品は衝撃的な印象を与えるが、本編はもっと凄い。
主人公の少年は動物をむやみやたらに殺してしまう凶暴性から警察に捕まり、精神科の治療を受け、電気療法によるショックで意識を失い、女神アテナの幻を見る。そこで彼は幼少期を振り返り、母親からの虐待によるトラウマが原因で生き物を憎み、動物を殺すようになったと話す。
女神は少年に罰を与える。
愛の美しさと尊さを、軽蔑しているそなたは報いを受けねばならぬ!
そなたは何度もある女性を愛するであろう。
だがその愛が結ばれる前に、女性か、そなたか、どちらかが死ぬ!
そなたは死んでもまた生まれ変わって、別の愛の試練を受けるのだ。
そなたは苦しむのだ、永久に!
少年が目覚めた時は第二次大戦中で、ドイツ兵としてユダヤ人の少女に恋をする。少年は彼女を助け出そうとするが失敗し2人とも死ぬというクライマックスで、また目覚めた場所は最初に電気ショックを受けていた治療室。
これは実は夢だった?
といった流れで、時は過去から現在へ、現代から未来へと少年が目覚めるたびに夢とも現実ともつかない錯綜するストーリーがオムニバス形式のように展開していく。
(ここらへんは「火の鳥」の構成ととてもよく似ている)
恋愛とセックスをテーマにした問題作で、ある自治体からは「有害図書」として指定された。
自慰もセックスもまだよくワカラナイ小学生の時に、なぜか僕はこの単行本を買って読んだ。
当時は漫画家を本気で目指していて、手塚治虫のコミックスを買いあさっていたのだった。
そして「マゾヒズム」という言葉の意味を、この「アポロの歌」という作品の中で初めて知ることになる。

今、児童ポルノ規制がらみで、子どもに不健全な描写を漫画でも制限しようとする動きが盛んなようですが、そういうことはやめて下さい。
STOP!今そこにある「漫画・アニメ禁止法案」 子どもに見せなきゃいいのであって、「表現するな」というのは、余計なお世話というものです。
「見るな」って言っても、みちゃうのが子ども。
それよりも、何が健全で、何が不健全なのか。それを自分で判断させるのが大人の役割。
健全なものばかり見せられていたら、何が不健全なのかわからなくなるでしょう。
大切なことは目で見えない。 (「星の王子さま」サン=テグジュベリ)
m(_ _)m
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“健全と不健全を判断できる”ようにするのが大人の役割と
いうのももちろんそうですし、単純に性の表現を規制する前に
何かできることがあるんじゃないかなと思います。
自身のブログも単に性について書いているつもりはありませんが、
それでも何でもアダルトカテゴリとしてひっそりやるのが、
世間への礼儀であり責任であると感じています。
ていうか、手塚氏の性がらみの漫画は特に好きです。
またのご紹介楽しみにしています。^^