情報誌「ぴあ」の休刊 には、つい感傷的になってしまう世代です。
1980年代初頭、田舎から東京に出てきたばかりの大学生にとって、文化芸術のナビゲーター的な存在でした。
特に映画や演劇にトンガッている向きにはウケて、全方位的に、同時多発的にあらゆる階層を巻き込んでの急成長ぶりをリアルタイムで見ていただけに、今回の休刊は本当に残念でなりません。
SMやアングラ情報などもわけへだてなく網羅され、メジャーな興行よりは「コダワリさん」の好むマイナーなイベントも丁寧に紹介されていました。
まさに「文化の時刻表」とは言い得て妙なり。
まだインターネットのなかった時代、近年は「紙のインターネット」などとも呼ばれていた。
トレンドの最先端を走っていたかに思えたが、21世紀に入るとなぜか時代遅れとなり部数は減っていく。
このメディアに青春時代を重ねていた世代が買わなくなったのだろうか... 僕もその一人である。
そもそも雑誌を買うということが激減しているのと、ネットの普及が出版界を窮地に追い込んでいる。
しかし、Google で情報検索をしながらも、紙のページをめくるというスタイルが衰退することはない。
僕は今もそれをやっているし、活字文化の基本はアナログな精神だと思っている。
「ぴあ」のコンセプトや実績は素晴しかっただけに、全方位志向を断念してでも、世代やターゲットを絞るなどした戦略でぜひ再起動してほしい。
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■ SMスナイパーの廃刊
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僕もお世話になったクチです。
紙媒体編集業に携わってもいたわけだし、廃刊は感慨深いですよ。