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マゾヒズムに花束を!

恥ずかしくて、ためになる情報発信 Female Domination & BDSM

SMでしゃべらナイト 



 こんなブログやってるせいで、北川プロ主催イベントに招待されてしまいました。なんとSMトークショーのパネリストとして参加することになったのです。

*このカテゴリーでは過去記事を新しい順番で投稿しています。つまり上から古い順で時系列的に読めるよう構成してしてあり、実際の日付とは異なります。




 いやまったくどこの誰に読まれているのかわからないのがブログの世界で、ホントに恐ろしい。何の前触れもなく北川プロの関係者から出演を打診するメールが来たわけですが、最初は

たちの悪い冗談か?

と思いましたですよ。全然面識もないのにイキナリそんな話がありえるのだろうかと。

新手のオレオレ詐欺  じゃないのか?
 
それに天下の北川プロが僕みたいなド素人相手にそんなあぶなっかしいマネをするだろうか?
 
 依頼内容としては一般客を相手に Fem-Dom 庶民派の代表として話をして欲しいということで、企画趣旨にはおおいにうなずけるものがあった。ちょっとウサンクサイなとも思いつつ、何度かメールでやりとりするうちに、僕のブログがきちんと評価されているらしいことも判明した。おだてられて調子にのっているうちに、文面から伝わってくるネゴ担当者の誠実な人柄が決めてとなり、ためらいながらもお引き受けすることにしたわけです。

 気がかりなのはSMについて何かしゃべらなきゃならないということ。ブログでは偉そうなこと書いてはいますが、僕は普段SMについては口にしたことがない。

SMは  声に出して読めない英語 

 これまでの人生で他の誰ともこのトピックでまともな会話すら経験してないのに、いきなり見ず知らずの人たちと不特定多数の観客を目の前にして話せるものなのだろうか。

 しかも状況としては「自分はマゾです」というカミングアウトしちゃっているという前提で!

これではほとんど 公開羞恥プレイ 状態になってしまう。

 羞恥プレイは相手が女性ならいいけど、そこに来るお客さんのほとんどは僕と同じM男なんでしょう?   

 ... う~ん、それってちょっとなぁ・・・

 僕のことを抜きにすれば、イベントそのものは見所満載。ボンデージ・ファッションショーやフェティッシュ・ライブ、ダンスパフォーマンスなど、一般的な舞台としての構成が充実している。北川プロ主催だからといって特に「マニアックな人向け」というものではないようだ。むしろ北川ビデオのコアなファンにとっては物足りないぐらいかもしれない。事実、企画書をよく読んでみると、SM周辺の閉塞的な状況を開放し、誰もが明るく「SMを遊べる」ような社会に目を向けるといった、どこかの文化シンポジウムでも言われそうなことが述べられている。「SM」という枠を越えて広く世間的にオープンで前向きな事業としての面が大きい。僕が参加を決意したもう一つの理由がここにある。

 こう書くと「なんとなく面白くなさそうかも」と思われるかもしれませんが、あれだけの数の北川ビデオの主演女王様たちを一度に生で拝めるチャンスなんてそう滅多にあるものではない。これはもう、だまされてもいいから  Go! Fetish! Go!

もし僕のマヌケ面みてみたいという奇特なお方、会場で見かけたら気軽に声をかけて下さいね。励ましのお言葉、待ってます!



[ 2005/09/30 12:28 ] SMイベント体験記 | トラックバック(-) | コメント(-)

北川ビデオ研究 


 膨大な作品群と豊富なバリエーション

 以前たまたまビデオのレビュー記事を書きましたが、僕は北川プロの作品をそれほど見ているわけではありません。自分で買ったのは20本ぐらいでそのほとんどがソフトなタイプ。北川プロが得意とする本格的でハードなものはあまり知らないのです。
 その程度で研究を試みるのはおこがましいのですが、映像フェチの立場からちょっと述べさせて下さい。

 ひとくちにソフト路線といってもその内容は様々で、基本的に登場する女王様のキャラクター次第です。これは他の女王様ものビデオ全般に同じことが言えます。それゆえに作品購入の決めては、自分が見たいプレイスタイルと好みの女王様とのコンビネーションを吟味しなければならず、これがなかなか難しい。北川プロの場合、詳しい解説付きのパンフレットとにらめっこしながら、悩みに悩み抜いて最後の一本を決断するのにかなり時間を要しました。

 北川ビデオの特色をひとことで言うならその多様性にあると思います。プレイスタイルはソフトからハードまで、ありとあらゆるジャンルが網羅されており、その幅広いバリエーションが強みです。演出不在の生撮りっぽいのもあれば、ストーリー重視の作り込んだものもあり、ドキュメンタリー番組までラインナップされています。

 僕が自分で最近購入したのは「女王様情報~関東編」というSM業界のルポルタージュもの。北川女史自ら有名女王様にインタビューを試み、実際のプレイ内容が紹介されます。(普段は商業主義的なSMプレイに辛口のコメントをしている北川女史なのに、SMクラブ選びの参考になりそうな番組を作品化するあたりはちゃっかりしている)
 長年にわたる人脈とノウハウが反映されたオーソドックスなつくりで、しっかり参考にさせてもらいました。

 近年、印象に残っているタイトルでいうと、作品No.182 の「ザ・プレイ Mistress LEONA 」というのがあります。何年か前、北川プロが主催した女王様オーディションをある雑誌で見て、釘づけになってしまったミストレスがこのLEONA女王様でした(北川プロにはもう一人レオナというカリスマ女王様が登場するが別人)

 表情とプロポーションが素晴らしく、ほとんど一目惚れ状態となり、この時は迷わず即決で購入しました。もの静かで無口なのに見る者を威圧するオーラを放つLEONA女王様。こういう雰囲気に僕は弱い。ビデオ出演やSMプレイの経験が浅いとは思えないほどの落ち着いたセッションには凄みがあり、その映像には圧倒されます。おそらく彼女の個人的な特性を最大限に生かした構成となっていて、それまでの北川作品にない独特の味を出していたように感じられました。すでに多彩な作品群で業界トップに君臨していたようなものなのですが、新しい方向性を常に模索している姿勢を象徴する作品でした。

 結局「女王様ビデオ」の内容的な善し悪しは

 主演女王様によってほぼ決まる といってよいでしょう。

キャスティングが全てとまで言いませんが、その重要性を北川プロはしっかり認識していて、実際北川作品に登場する女王様は例外なく一流ぞろいです。さらにM奴隷(M男優ではない)もレベルが高い。みかけは作りものでも中身のセッションが本物なのです。

  北川プロのイベント に出ることになったから

 急によいしょしてる と思うでしょ? ^^

まあ、タイミング的にそれもあるかもしれないけど、昔から僕は北川作品のファンであることには間違いない。だから不満も含めて言いたいことは山ほどあって、それは当日のトークショーでぶつけるつもり。ただ前述したように、購入前の綿密なリサーチと検討のおかげで、僕は幸いなことにつまらない作品を見ていない。おそらくあの膨大な作品群の中には、僕にとっての駄作もあるのかもしれない。しかしそれが他の人にとっても「駄作」となるとは限らないではないですか。繰り返しますが北川作品の長所はバリエーションの豊富さ。こだわりのウルサいあなたにもハマるタイトル、ワンシーンが必ずどこかにあるはずです。

 現在の最新タイトルは先日紹介した No.218で、この20年間で毎年コンスタントに10本以上の作品を世に出し続けてきた情熱は凄い。さらに昨今の細分化されてきた嗜好性を意識した別レーベル 「INBIシリーズ」 も立ち上げており、多様化したニーズにもきちんと対応している。常に前進する老舗の勢いはとどまることがない。
[ 2005/09/29 12:36 ] SMイベント体験記 | トラックバック(-) | コメント(-)

プレッシャー 

 いよいよ本番が三日後に迫ってきた。ヤバいですよ。怖い。

やばい。怖い。恥ずかしい。ヤバイ。コワイ。やばい。怖い。どうしよう?



 ブログでリアルな日記を綴っている方もいますが、僕の場合自分の妄想を描くことが多い。それは脳内天国における仮想現実であって、外の世界との接点がなかった。ところが、北川プロのイベントに参加することになり、いっきに現実社会へのマトリックスへ突入するわけである。これから実際に、あの北川プロの女王様たちと会うことになる。そこにはスタッフとして筋金入りのM男さんたちも来るらしい。これはこれで、トークショーのプレッシャーとは別物でオソロシイ。

 これまでの私的なヴァーチャルリアリティが、現実の空間となって浮かびあがってくる。
実際の体験となる。やばい。怖い。ヤバイ。コワイ。恥ずかしい。

 そもそも僕みたいなヘタレがのこのこ出かけて行って大丈夫なんだろうか?


 もしかして 拉致・監禁され、ビデオに強制出演 させられるとか? 

 う~ん、なんだかおっかないぞ。やっぱり行くの辞めようかな。

メールだけの口約束みたいなものだし、すっぽかしても問題はあるまい。どうせお客さんのお目当ては女王様なんでしょ?へたれなゲストが一人ドタキャンしたからといって害はないであろう。しかし、そんなことしたら報復としてホントに拉致されて拷問されるかもしれない。リアルで奴隷調教されて社会復帰できなくなる? 
 
 ウ~ム、それも、いいかも ^^...  やっぱ行くの辞めちゃおうかな....

 真面目な話、これについては真剣に悩みました。SMは好きだからイベントとしては正直楽しみ。しかも今回のコレは内容的に有意義で参加できることを光栄に思っている。

 しかしこの種のものに関しては、これまでにもお客として行くことにすらわだかまりみたいなものがあってずっと機会を見送ってきた。無名の一人として足を運ぶのでもためらいがあった。SMクラブだって滅多に行かないし、さんざん悩んでから行くことを決める小心者。ブログで大胆になれるのは、それが匿名だからですよ。

 出演者としてパブリックな場に登場することは、ある意味で生き恥を晒しに行くようなものである。

「あの変態ブログ書いてるのはアイツか」みたいに思われるんだろうな。

(もっとも僕のブログ読んでる人はほとんど来ないみたいですけど...今のところメールで参加表明して下さった方お一人様)

 いったいどんな人たちが来るんだろう。高いイベントだから来て下さいとは言えないのがツライけど、誰か知ってる人が来てくれると少し気分が楽になりそう。「知ってる人」っていうか、つまりこのブログ読んでらっしゃる方のことね。実際の人間関係で知ってる人には来て欲しくなかったりして。だけど、そういう人が偶然来ないとも限らないわけで、それも心配だなあ。

「あら! あんたもマゾだったの?」 

  やばい。怖い。ヤバイ。コワイ。恥ずかしい。
 
 責めて、じゃなかった(← 変換する必要なかったのに一発で出たので残しました ^^;)
せめて励ましのお便り、待ってます! (←最近コレばっかやね)
 
この イベント は9月18日午後1時から新宿歌舞伎町で行われます。
当日券6000円
( ↑ ネット予約すると前売り料金5000円でご覧頂けるそうです。当日清算可)

[ 2005/09/28 12:45 ] SMイベント体験記 | トラックバック(-) | コメント(-)

第一印象 

 まともな集団・北川プロ

 多くの人は「北川プロ」と聞けば「ああ、アレね」と伏し目がちに、声のトーンも低くなるのだろうか。ティファニーやクリスタル映像とは違う。村西とおるやカンパニー松尾のような監督名も出てこない。そこにあるのは、なんだか得体のしれない雰囲気。Mっ気のある者ですら近寄り難い電磁波のようなものが放出されている。僕も最初に買う時は躊躇した。他の人の評価もあまり聞こえてこないし、独特の距離感は感じていた。ビデオを気に入って何本も買うようになっても、作品的な評価とは別の部分で僕も色メガネをかけて見ていたようだ。

 北川プロは僕を歓迎してくれた。こちらがマゾであることを意識させることなく、ごく普通の人として丁寧にもてなしてくれた。もっとも、常識的に考れば、いきなり鞭で打たれて奴隷のように扱われるはずがないとわかってはいても、ここの強烈なブランド・イメージがそんなバカげた想像を心のどこかに抱かせてしまうのである。

 予定より1時間以上も早くホテルに着いた。いよいよだ。緊張するなあ。
到着の第一報を入れる前に一息つこうとロビーにある喫茶店に入って身体がかたまった。入ってすぐ正面のボックス席に見覚えのある顔。北川女史だ!ブログで見ていた美人プロデューサーも隣にいる。間違いない。チラりと目があったがすぐに視線をそらされた。向こうはこちらの顔を知らないので当然だ。しかしここで他人のふりして後からばれるのも気まずいし、「ホーマーです」とだけやっとの思いで言った。
 すぐに全員立ち上がり挨拶をかわす。緊張しまくってあまり覚えていないのだが、よく見るとスタッフとおぼしき男性陣もいた。日焼けした体格のいいイケメン。作家の開高健似の小柄な男性。不機嫌そうな表情がちょっと怖い朝潮。この人たちがいわゆる奴隷スタッフさんなのだろうか。
 「遠方からはるばるようこそいらっしゃいました」と北川女史。高級割烹亭のおかみさんみたいな人だ。

 美人Pは
 
「早かったのね」
とちょっとだけ女王様口調。

( ↑ え? 何が・・・ あ、「到着」がね。はいはい)

 このメンツが今回のイベントのブレーンか。落ち着いてあらためてながめてみると、普通の人たち。いや、それ以上にどことなく平凡にすら感じる。だけど、まぎれもなくあの「北川プロ」なのだ。

 打ち合わせをかねた夕食会まで部屋で休んで下さいとのことで、チェックイン。

 いよいよ始まる。Go! Fetish! Go! 僕はSMを遊べるのだろうか?



[ 2005/09/27 13:22 ] SMイベント体験記 | トラックバック(-) | コメント(-)

イベント前夜 

トークショー打ち合わせ(前編)

 シャワーを浴びてから再びロビーに戻るとトークショーのゲストがすでに来ていた。北川女史から村上賢司さん(以下ムラケン)と司会役のラッシャーみよし氏(以下ラッシャー)を紹介される。ムラケンさんは、この前みた映画「妖怪大戦争」の豆腐小僧に似ているなと思った。こう言ってはなんだが、存在感が希薄な感じ。映画監督にしては気の弱そうな印象だ。それに対してラッシャーさんは押しが強そう。それなのに異様な親しみやすさを感じてしまうのは、この人がMだからだろうか。それに僕がよく利用している立体駐車場ビルの管理人さんにそっくりだ。お二人とも和み系キャラクターで、緊張していたはずの僕も、すぐに世間話でリラックスできた。

Eve 女王様がいないのね。まだ来てないのかな。ナヌ? 都合がつかなくて、来られないって?!

そりゃないヨ

 有名なカリスマ女王様とついにご対面という期待感で高まっていたモチベーションが65%以上はダウンしてしまった。豆腐小僧と駐車場のオッちゃんだけなら

シャワー浴びる必要もなかったな( ← それはナゼ?)

 北川女史も一応女王様なんだが、主催者代表だし、それこそ割烹亭のおかみさんみたいなものだから。(←だから、なんだ?)

 ま、明日会えるんだからいいか。

 それに美人プロデューサーがいる。(←だから、なんなの?)

 その美人Pからトークショーの構成台本のようなものを渡される。それを見てラッシャーさんが「俺こんなにしゃべるの?」
 A4サイズのドキュメントに横書きでびっしりと書き込まれたシナリオにはちょっと面食らった。

 ---- 「、」は1呼吸、「。」は2呼吸おく目安 ---- 

 などと会話の「ま」に関しての指示まである。細かい。

 北川女史の主催者挨拶から、司会者の前ワクまで、ショーのツカミの部分はしっかりとデザインされていた。閉めのコメントも用意されている。

 「もちろんこの通りにしゃべって下さいということではありません。お好きなようにどんどんお話下さい」と美人P。

 だが台本には「(...略)なるべくラッシャーにマイクを戻さず、女王様の話に村上、Homer が突っ込みを入れる流れが望ましい」などとあるよ。この進行案やサンプルトークを考えたのが彼女なのだ。僕も構成台本を書いたことあるからわかるけど、本音とタテマエの部分はある。ここまで厳密に書いているからには、多少は台本どおりに進行して欲しいと思っているに違いない。特に 「、」と「。」 の呼吸の間は忠実に守らないと、後でお仕置きされるかもしれない。

 この若くして聡明な女性は北川女史から全権を委任され、今回のイベントを製作総指揮している。特にトークショー関係では早い段階から中心的にコーディネートを担当していたようだ。ショーの段取りに関する説明は明快でわかりやすかった。声は昔のユーミンのように突き抜けたトーンで、

何か言われたら 絶対服従 じゃない、聴き惚れてしまいそう。

物腰はやわらかいのに、人の目をみてしっかりものを話すところに芯の強さを感じる。現代的で魅力的な女性だと思った。結局全体を通じて事務的な話しかできなかったのだが、S女さんなのかもしれない。具体的にはそういう仕草も言動もなかったけれど、

 あのような目で見つめられると思わず ひざまずいて 、じゃなくて、こちらの意見はなかなか言えるものではない。

本当はトークショーの構成に関してはもっと言いたいことがあったのだが、言えなかった。

 いや、あえて言わないことを選択しようとしていた。本番では何が起こるかわからないし、これだけ一生懸命やっている彼女の思い描くイメージに協力できれば、それでいいや。そんなこと思いながら隣にいるラッシャーさんの手元をふと見ると、見覚えのあるドキュメントの束。なんと僕のブログを印刷して持ってきているよこの人。
 
 「お馬さんごっこに関して、どこかで話振ったほうがいいですかね?」とラッシャー氏。

 ドキン! その話は絶対にしてみたいけど、僕のブログがそこまで研究されているとは意外ですよ。さすが北川プロが選んだ司会者だけのことはある。ツボを押さえているではないか。ただの駐車場のおっちゃんではなかった。

 そうだった。美人プロデューサーにうっとりしている場合ではない。アゴアシつきで有料イベントに出演するのである。お金を払って見に来るお客さんのためにも、自分の役割をきちんと果たさねばならない。頭を再起動して、この1週間僕なりに練ってきたトーキングポイントを、ダブルクリックした。

 というわけで、以下次号につづく。


美人Pとラッシャーさん

北川女史のブログ・北川プロ編集日記より



[ 2005/09/26 09:08 ] SMイベント体験記 | トラックバック(-) | コメント(-)

格調高いSM談義をめざして 

 トークショーのゲストなんて気楽な稼業と思われるかもしれない。
好きなことテキトーにしゃべってればいいってか?
 それならいいんですけど、普段その好きなことをしゃべっていない。日常会話でSMを話題にした経験がまったくないのに、いきなり人前で知的に語れときた。本当にこの話を最初にメールで読んだ時は

 悪い冗談はよしなよ と思ったものです。

 まともに考えれば、たとえば環境問題のシンポジウムにだって無名の一般市民がそんなとこにいきなり出ていけるはずがないでしょう。北川プロ社内でも、なんの実績もない僕がパネリストのメンバーになることへの反対の声があったらしい。それを押し切って僕を推薦してくれたのは、僕のブログの公開当初からの読者で、最初に直メールでファンレターをくれた人だった。メールをやりとりしているうちに、嗜好的には僕と同じM気質で、僕よりもかなり年配で、知的で経験も豊富な紳士ということがわかってきた。(後から知ったが北川ビデオの古くからの出演者でもあり、僕なんかとは比べものにならないくらいハードな責めに耐えられるタフガイらしい)
 自信はなかったのにやってみようかなと心が動いたのは、この人に会ってみたかったのが大きな理由である。SMの話をこれまで誰ともしたことがなかった僕が、ネットを通じて初めてマゾヒズムに関する会話を交わした人だった。大勢の人前でこの種の話をするというプレッシャー以上に、僕自身が内容的にどんな話が出来るのかという重圧があったわけだが、この人とSM談義をすることが出来れば、なんとかなるんじゃないか。そう思えた。周囲の反対意見をねじ伏せて僕の出演を決定させた彼のためにも、まともなトークをしなければならない。

 イベントはどうやら相当過激らしい。北川ビデオの作品世界が情け容赦なくリアルに再現される。それならば、トークショーはおとなしくていい。バランス的にもまったりしたいところ。僕はそう考えた。そして、自分に都合よく言えば、「つまらなくてもいい」だろう。だから、思いっきりクソ真面目に文化シンポジウムのノリにしてやれば、イベントの構成としても引き立つはずだ。
 ゲストにもそういう目線から、社会派ドキュメンタリーの映画監督がキャスティングされている。司会者はAV監督で雑誌編集者だ。僕はブログ、つまりインターネット。女王様というのはある意味ではAV女優。つまりみんなメディア畑出身といえる。
 
 そこで僕は、何を話すにしても、映像文化とメディアというプロパティを設定したかった。そこから話の糸口になりそうなキーワードをピックアップし、戦後60年というタイムライン上でとらえる。こうすれば北川ビデオという存在もすわりがいい。

 しかし、このトーキングポイントは北川プロ側の意向とはあまり接点がなかったようだ。主催者はあくまでも「北川プロ創立20周年記念」という枠組みの中で、北川ビデオの歴史を軸に話を展開したいらしい。打ち合わせで提示された進行プランでは、ステージで北川作品のダイジェスト版を最初に20分ぐらい見せて、トークの間も映像だけ上映しながら話をすすめるという演出である。

 僕は内心、北川作品の話をあまりしたくなかった。やれと言われればいくらでもできるし、主催が北川プロであるからにはそれに触れるのは当然としても、それをメインの軸に設定するのには抵抗があったのである。そのことはメールでも伝えてあったのだが、それを知る担当者は今ここにはいない。このままでは北川ビデオの品評会になってしまう。しかしあちらはその路線で行きたいらしい。そんな思惑が見えてきたので、格調高いSM談義をイメージしていた僕はどうしたものか戸惑ってしまう。

 ということで、以下次号につづく。
[ 2005/09/25 17:18 ] SMイベント体験記 | トラックバック(-) | コメント(-)


プロフィール

筆者に宿る仮想人格:homer



 自分に素直になりたい!そう願っているひねくれ者なのかもしれません。平凡で小市民的な暮らしを営む一方で、過激な妄想世界を漂う、無意識過剰の仮性マゾ。



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