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マゾヒズムに花束を!

恥ずかしくて、ためになる情報発信 Female Domination & BDSM

読書の秋、あるいは妄想の季節 

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この拙ブログの読者の皆さんならば、「毛皮を着たヴィーナス」を知らない人はいらっしゃらないと思いますが、きちんと読んだことのある人は、それほど多くはないのかもしれない。

 それだけならまだしも、マゾヒズムの語源となった作者のエロ小説だと誤解されているなら、悲しい。

 はっきり言って、エロい作品というほどではありません。

 曖昧に描かれていて、やることはやってんだろう?っていう露骨さもないからネ。

 そういう意味では、純文学の水準だと言える。

 日本で初めて翻訳した佐藤春夫があとがきで、「好色本だと思っていたがそうではなかった」という趣旨の所見を書いている。(つまり残念に思ったのか?)

  佐藤春夫訳のものは絶版で、現在入手可能な種村季弘訳が有名ですが、僕は大学時代に佐藤春夫訳を読んでちょっとしたカルチャー・ショックを受けた。

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 佐藤は言う。「性的ではなく、性愛の心理的一面を深く掘り下げた誇張と歪曲に新しい詩情を感じる」と。

 アブノーマルな性癖としてのマゾヒズムの中には、極めて真っ当な愛のエクスタシーが存在する。

 そういうコトを気づかせてくれる、世界名作文学の一つなのだ。
 

 未読の方は、読書の秋の一冊にいかがでしょうか。


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  ↑ ※上の英文は Sardax の翻訳から引用させていただきました。


■ 毛皮を着たヴィーナス マゾッホの原作小説について


■ マゾとサドはどちらがより変態か?
マゾvsサド

■ サドとマゾッホの会話

マゾマゾ:マルキ=ド・サドさんは、多少のMっ気があるでしょう?

サドサド:多少どころか、実はドMなんだ。



■ 寝取られ
















[ 2023/10/01 10:17 ] マゾの本棚 | トラックバック(-) | CM(0)

大江健三郎さんの訃報に接して 

死者の奢り

 大江健三郎は40年以上前、学生時代に読んだっきりで、ほとんど興味はなくなっていましたが、「死者の奢り」という本だけは大切に保管していた。

 愛読書というわけではなくて、なんとなく手元においておきたい本。あえて言うなら人にもあげられない。このタイミングだと、読みたいと思う知人にであれば贈ることができるかもしれないが・・・

 この人は、僕だけの感じ方かもしれないけど、日本のトルストイかドストエフスキーみたいな感じに、偉大な作家だし敬意を抱くものの、必ずしも好みのタイプではなく、彼の作品を愛する読者との対話や議論も避けたい気分。
 
 でも今の時代に、惜しい人を亡くしました。

 世の中が、特に日本がもう少しマシになるためには必要な作家、思想家だったと思います。

 読まず嫌いだったような気もして、哀悼の意を込めて何か精読してみたい心境。


 大往生だったと思います。

 心からご冥福をお祈りいたします。




■ マゾの本棚
俺の本棚

■ ひざまずいて足をお舐め
ひざまずいて足をお舐め


■ 新しい分かり方
新しい分かり方

■ やっぱり人はわかりあえない
やっぱり、人はわかりあえない


■ お尻の穴
アナル・アナリシス


■ 伯爵夫人 蓮實重彦
伯爵夫人






[ 2023/03/15 15:35 ] マゾの本棚 | トラックバック(-) | CM(0)

死生観(View of life and death) 

 今年も残りあとわずかですね・・・

 このブログをお読み頂いている僕と同世代の人は、お身体の具合はいかがでしょうか?

 長年にわたりお付き合い頂いている方々には、くれぐれもご自愛頂きたいと願っております。

 もちろん「今日初めて読んだよ!」というビジターの皆様にも、同じ気持ちでおります。



 今年は病院の待合室で、ボケ〜と過ごす時間が多かったし、長かった一年でした。

 先日も、雑居ビルにあるクリニックにお世話になったのですが、つい非常口や非難経路を確認してしまった。

 別にいつ死んでもいいかもという心境には、今年はなってしまったのですが、誰かがガソリンまいて放火されてしまうのは、勘弁して欲しいという感じであります。

 大阪の犠牲者の方々のご冥福を、心よりお祈り致します。

 
養老先生、病院へ行く


 これは、今年僕が入院中に読んだ本です。

 養老孟司は「バカの壁」以前からのファンで、これまでに数冊読んでいますが、この本は養老先生の後輩で主治医の中川恵一氏との共著で、最後に漫画家のヤマザキマリとの鼎談(コレが面白い!)が載っていて、深刻なメッセージを伝える内容とともに、エンタメ性も豊かな、「脳にいい」コンテンツでした。

 普段僕たちは、日常的には死をあまり意識せずに、ノホホンと暮らしています(たぶん)

 だけども、大病を患って「死ぬかも?」と一瞬でも思ったりすると、死生観や人生観がガラっと変わったりするものです。

 頭ではわかっているつもりでも、リアルに体験しないと、なかなかここまでの域には達しないように思う。

 養老先生も昨年の6月、心筋梗塞で緊急入院しキワドいところで一命とりとめるというご経験をされました。

 タイムリーな企画といっては不遜な気もしますが、この本はそれをもとに書かれています。

 
 今年を振り返ると、いえ、人生を振り返ると、僕は医者に「あなた、下手すると死んでたかもしれないですよ」と言われたのが、最も衝撃的な出来事でした。

 そ、そんなこと言われても・・・ (>_<)

 本当に頭が真っ白になってしまった。初SMプレイの時のように (。。)☆\バキ

 詳しくは、過去記事サヨナラだけが人生だ を参照して下さい。

 実際に、ICUで三日三晩24時間点滴で生死の境を彷徨ったらしいのですが、自覚症状的には、どうってことはなかったのに、あとから冷静に振り返ると、人生観、いや死生観が、随分と変わったような気がします。

 五体満足で生きてるだけで、感謝したくなる。

 そういう意味で(あまり意味ないんですけど)健康面で問題なく、悩みのない方々にも、この本をお薦め致します。

 きっと、心に刺さる一冊になるのではないでしょうか(たぶん)・・・












[ 2021/12/25 20:16 ] マゾの本棚 | トラックバック(-) | CM(0)

僕の本棚 

俺の本棚


 本棚って、なんだか恥ずかしい(>_<)

 でも、恥ずかしいのが好きなんだ!

 お家でのんびり本が読めるだけで、しあわせです。









[ 2020/05/05 14:54 ] マゾの本棚 | トラックバック(-) | CM(2)

緊急出版?「マゾヒストたち〜究極の変態18人の肖像」 

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 マゾ人口は絶対に増えている。

 昭和の昔から、それなりの数は存在していたが、自己主張する(出来る)Mが増えたのが平成だったように思う。

 とはいえ、SMバーなどで自分のことを「エム」とはカミングアウトできても、

 「マゾヒスト」

   とまでは、なかなか言えない気がするんだよなぁ...(>_<)

 正直に言うと、僕はマゾではないのかもしれない、などと最近は思っていたりする。

 というのはウソですが、いつか人間になりた〜い!とは思っている...  

 
↑ 妖怪かい (。。)☆\バキ



 M男とマゾは(ほぼ)同義語かと思われますが、「マゾヒスト」は違う(たぶん)

 このフルネームは、それなりにリスペクトされるべき尊称であって、古くは沼正三とか、凛龍のヤプー0号氏の呼び名としてふさわしい。

 僕みたいな中途半端でユルいMは、自虐的な意味を込めて「仮性マゾ」などと自称してます。

 それはともかくとして、かつて「スナイパーEVE」に連載されていた「当世マゾヒスト列伝」が、書籍化され、なぜかこのタイミングで先日、新発売された。しかも新潮文庫で。
 
 この雑誌を僕は創刊号(2001年7月)から熱心に愛読していたので、内容はよく覚えていて、今でも時々、押し入れからバックナンバーを取り出しては、ニヤニヤ(ハアハア)しながら眺めたりもしている。(グラビアを)

 奇しくも同誌は今年廃刊になってしまったのですが、おそらく定期刊行物としては初めての女王様専門誌で、M男性のみを読者に想定したその編集コンセプトは画期的でした。

 これはそのオマージュ出版なのかもしれない。まだM男がクローズアップされることも稀だったご時世に、熱視線がそそがれた素晴らしいシリーズ企画だった。

 これと似たような試みが、早川舞女王様により「その時歴史が鞭打たれた」で、同じマゾヒストたちに取材されて別媒体で紙面化されているが、これよりさらに10年昔のハナシだ。

 だから懐かしい気持ちで、遅すぎる書籍化を祝福しています。

 そうはいっても連載当時は「とてもじゃないが、真似できない」ハイレベルな達人たちのルポルタージュを、かなりな距離間でもって、ちょっと歪な親近感を抱きながら読んでいたんだと思う。

 今となっては、ここに登場している有名マゾヒストたちの何人かと実際にお会いする機会を得て、まっとうな親しみを(勝手に)感じてはいるのだけれど・・・

 この本にも書かれているように、マゾヒストやM男性は、ひとくくりに出来ない多様性に溢れている。

 しかし、けして同じではないけれども、言い尽くしがたい何かを、僕らは共有もしているのだと感じる。

 それはマゾヒストに限らず、全ての人間に普遍的な宿命とも言えるであろう。

 人間として(いや、時には女王様の奴隷として)思索と実践を積み重ねてきた変態たちの肖像。

 そのトラウマと恥辱に満ちた黒歴史に、著者はあたたかいスポットライトを浴びせる。

 連載時のインターバルを補うように、随所に挿入されている書き下ろしコラム記事が面白かった。

 SMの文化や伝説が、本来は寡黙なマゾヒストたちの目線で語られる時、そこに新鮮な刺激や発見がないはずはない。

 このタイプのコンテンツが、「新潮」というメジャーなブランドから、一般社会の健全な人々にも共有される意義は大きいと思う。

 ちょっと変わった「特殊な趣味」が、多様性に寛容となった現代社会に価値あるインパクトを与えてくれる。

 世界はマゾでできている。

 確かに、マゾヒストはもはや、マイノリティではないのかもしれない。

 しかし真の意味において、赤裸々に自己主張するマゾヒズムは希有であり、ユニークだ。

 サブカルチャーからも脱皮しつつある男性マゾヒズムに、新たなスタンダードが掲示された渾身の力作。

 
マゾヒストたち_cover


 *この出版を記念して、登場するマゾヒストたちと著者によるトークセッションが高円寺パンディットで11月17日に、開催されます。


  トークイベント『世界はマゾでできている@高円寺パンディット』

 こちらも緊急開催!なのかな?

  世界はマゾでできている。

 けだし、名言だと思います。


 


 
[ 2019/11/14 20:58 ] マゾの本棚 | トラックバック(-) | CM(10)

お尻の穴 

 最近愛読している「夫婦でSM」というブログでは、アナル特集のシリーズで、とても興味深く、刺激的で参考になります。まあ、自分でやってみようとまでは思いませんが、妄想だけは膨らむ。ついでにアソコも(>_<)

 GWの連休を利用して今、東京に来ているのですが、新宿の紀伊国屋書店で、目立つ所に平積みされていたので、思わず目が釘づけになっちゃった本がコレ。

アナル・アナリシス

 さすが東京だべや。

 「アナル」という表記は、18禁でもないとは思いましたが、本当に「この場所に置いていいの?」と心配になりました。本との出会いも一期一会、購入はしたものの、まだチラ見程度の段階で何とも言えませんが、相当にヤバイよ、コレ。

 歌舞伎町がすぐそこだからか「売れる!」とカリスマ店員が判断したのかもしれない。


 別に隠していたわけではないですが、というか、こんなこと書くの恥ずかしいけれど、僕はアナル大好きです(>_<)

 といっても、アナルを責められる側でなくて(もちろん責める側でもなく)、ただ単純に女性のお尻全般が好き!という文脈です。

 そして、その逝きつく先にあるものとしてのアナル・アヌスであって、相対的にはお尻の谷間、山頂から麓にかけての方が好きです。

      ↑ どっちだろうと一緒なんだヨ (。。)☆\バキ

 ちなみに子どもの頃、ひらがなで一番好きな文字が「の」の字でした。
 
 オトナになった今では*(=アスタリスクと読みます)が好きになりました。(←D・I・S

 10代の頃は、女の子のお尻(アナル)を生で見たことはなく、二十歳を過ぎてから、SMクラブでホンモノの「*」をリアルで目撃し、感激したものです。

 そういえば、自分のケツの穴だって、リアルでは見たことなかったよ。
(鏡を使わないとよく見えないし、それやったことある記憶はショー学生の頃だったかと思うのですが、よく覚えていない)

 だから、女の子のお尻が好きとは逝っても、実際どんな形で、どういうものなのかは、ほとんど知らない状態なのでした(今もだが・・・)

 女性のお尻は、神秘的で謎めいている・・・

 なんだかよくわからないのに、好きになれることの不思議はともかくとして、普通(?)の、顔面騎乗が好きな人なら、これ(アナル)も好きなのだと思う(たぶん)

 しかし、ノーマルな男性であれば、(どちらかと言えば)お○ンコの方が好きなのでしょう。

 よく、胸派ですか? 尻派ですか? という質問も耳にしますが、人類は哺乳類ですから、生物学的に男女問わず、みんなが皆、胸派と言えます。

 母子ともに健康で、母乳で育っていれば、お乳が好きで、お乳が出る胸も大好き。

 誰だって、おっぱい、ボイン(←もしかして死語?)が好きになってシマウマ。

 ですから、胸をさしおいてお尻が好きというのは、哺乳類として許されない。

 これは「ヒップよりボイン原理主義」と呼ばれています。

 まぁ、お尻が好きでもエッチ程度ですんだ昭和の時代と違い、平成も終わろうとしている現代においては、アナルが好きだなんてもうそれだけでセクハラでしょう。

 ホモ氏やゲイさんたちには悪いけれど、お尻は、好みの対象としては ないがしろにされてきた長い歴史があります。

 それを復権したのが春川ナミオ画伯に代表される「顔面騎乗図絵」の普及で、このビジュアルの美しさが、お尻フェチへの福音となり、お尻やアナルへの愛が社会に受け入れられたのです(と思う)

 稲垣足穂の言うところの「両円筒のドッキング」が、顔面騎乗の本質でしょう。

 そういう基本的な知識があれば、「アナル・アナリシス」は面白く読めると思う。

 まだ全部読んでませんが、連休中にゆっくり読んでみたいと思います。

 これを衝動買いできたのは、ずいぶんと昔に読んだ「お尻のエスプリ」という本がまず最初に思い浮かんだからです。


お尻のエスプリ

 日本で出版されたのはもう20年前ですが、執筆動機はほとんど同じようです。

 ペニスにもヴァギナにもとらわれない究極のジェンダーフリーは、お尻の復権から恥まる。

 んでなくて始まる。


 どうでもいいか、そんなコト(D・I・S



 
[ 2018/04/28 15:39 ] マゾの本棚 | トラックバック(-) | CM(2)


プロフィール

筆者に宿る仮想人格:homer



 自分に素直になりたい!そう願っているひねくれ者なのかもしれません。平凡で小市民的な暮らしを営む一方で、過激な妄想世界を漂う、無意識過剰の仮性マゾ。



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