大津の中学2年生が昨年自殺した件については、心を痛めながらも距離を置いておこうと思っていました。しかし先日、大きなターニング・ポイントを目にして、新聞報道でも詳細が見えてきたこともあり、少し触れてみたいと思います。
これまでイジメと自殺の因果関係を頑なに認めようとしなかった学校や市教委が、急に認める方向に転じた。アンケート調査の結果も一般公開され、誰がどうみても自殺とイジメの因果関係は明白だったのに、なぜこうも「因果関係は認められない」という不自然な対応が可能だったのか。
教育長は今でも、
「自殺の要因の一つにいじめがあると思う」などという幼稚な見解を変えず、素直に認めようとしない姿勢は理解に苦しむ。
学校側が「因果関係はあった。再発防止に努めたい」とでも早い段階から表明していれば、ここまでの騒ぎにはならなかったかもしれない。
もう一つ腑に落ちないというか、許せないのは、自殺した少年の両親が警察に被害届けを出していたのに3回も拒否されていたこと。この背景には、加害者側の少年の祖父が、以前滋賀県警の署長だったという情報(未確認。デマの可能性もあり)があり、それが事実なら行政も含めた隠蔽工作の動機として納得がいく。
ウソか誠かともかく、様々な情報がネットを中心として世論を動かし、警察もやむを得ず捜査に踏み切ったかに見える。特に
デビ夫人がブログですっぱ抜いた直後に警察が動いたタイミングが象徴的だった。
学校現場の
教師にも酷いのが いる。見て見ぬフリを決めこむ子どもじみた大人たち。
この問題では、田舎の自殺事件というローカル性を越え、グローバルに広がりつつある大人の幼児化、政治的腐敗、組織犯罪といった側面も浮き彫りにされたように思う。
イジメの主犯格少年の母親が「冗談を真に受けて自殺されて迷惑。うちの子は悪くない」と自殺した少年の親に説明会で喰ってかかったというのにも衝撃を受けた。
そもそも、ここの大人たちはどうかしている。
こんなクレイジーな大人に囲まれていたら、子どもたちも狂うしかない。
イジメの実態は異様な残酷さに加え、自宅を荒らされたり、
お金を取られたりと凶悪犯罪レベルの域に達していたことも判明した。
殺意すら感じさせるこの狂ったイジメの背後に、いったい何があったというのだろう...
イジメの要因は根が深く、学校や子どもだけでなく家庭問題も大きな原因の一つであるとは言われている。あの意味不明な教育長が言うように、原因は一つや二つではなく、複雑ではあるのかもしれない。
しかし、少年が自殺した原因の一つには確実にイジメがあり、そのイジメを放置し、少年の死後ですら放置しようとした大人たちの歪んだ心の闇に、コトの本質があるように思う。
イジメ自体は昔から学校以外でもどこにでもあった問題で、それほど深刻ではなかった。死に追い込まれるほど陰湿なイジメが存在しなかったからだろう。
教師や周囲が「お前らイイカゲンにしろよ!」とガツンと一発ヤキを入れることで、イジメは適当なところおさまったりしていた。それがよかったのか悪かったのかはともかく、昔の大人や社会は、今よりは成熟していたのではないだろか。
陰湿なイジメが歯止めなくエスカレートしていく今の学校、社会、大人のありようが問題だ。
これまでの対応に不備があったことを認め、謝罪すべき大人が何人もいるのに、今のところ一人もいない。
子どもたちの中には、アンケートで謝っていた子がいたのが唯一の救いだった。
イヂメラレることに快感を覚え、子どもたちが
正しいマゾ になれる環境整備に、大人たちは努力すべきであろう。