* 画像と本文は関係あります あるM男氏の
ブログを読んでいて、ハッとさせられた。
そのブログは、かなりハードな上級M紳士向けで、ソフト嗜好の方にはお薦めしにくいが、妄想フェチの僕には、胸を打たれる部分があり、そこを中心にご紹介したい。
サブタイトルは「
妄想肖像権」というもので、やや難解な概念ですが、今風のトピックだと思います。
筆者に無断で該当部分を引用してみますと:
(・・・前半略・・・) つまり、鬼様には鬼様としての確立したミストレス(ご主人様)像があり、鬼様の実体とのプレイとしてではなく、マゾが勝手にそれを拝借して自分の妄想話の主人公として使うのは、妄想肖像権違反ということになるものと思われます。 (以下略)
ここで彼が言うところの「肖像」とは、僕が時々使っている「
仮面」、または「
アバター」などという語彙に共通するニュアンスで、シビアな責めを耐えるのに、受け手側が相手の女王様へ勝手に抱く
自己都合の面影を意味します。
前半はあまりにも恐ろしい描写で、要注意の文章は割愛させて頂きましたが、ポイントは、責め側の女王様にも自立した彼女なりの人格があるのに対して、受け側のM男が勝手に自分の好みでそれを置き換えるのは、彼らのセッションではルール違反ということなのでしょう。
M男は継母や女教師など、支配されるための様々な妄想肖像画を自らの胸のキャンバスに描きますが、女王様の方にだって、支配者として君臨するための自画像を持っている。

ここで
鬼様と言われる女王様は、
ラ・シオラではトップクラスのベテランで、僕も一度だけセッションをお願いしたことがあります。英語も堪能で、外国人とのセッション経験も豊富な、意識レベルの高い女王様です。
「狂い恋う」という彼女の犀利なブログも読ませてくれます。
一般的に言えば(もし「一般」があるとして)、すでにレジェンドとなりつつあり、カリスマ性をお持ちの素晴らしいドミナだと思う。
ただ、昔から恐る恐る遠巻きに読んでいたこの
Whipping Mistress 2 で描かれている彼女の肖像を見る限り、とてもじゃないが僕のようなレベルには近づけないハードルの高さを感じていた。
5〜6年ぐらい前、
SMサロンで少しだけお話したのが縁で、彼女が学生時代から僕の拙ブログを読んでくれていたのを知り、驚きました。これほどの凄い女王様が、こんなユルいものを読むのか?と。
それまでは、顔出しをされていなかった彼女だが、突如として素顔を雑誌の表紙に飾ります。

実際に会ってみなければ本当に判らないもので、その美女の実像は無邪気で愛くるしい少女で、それでいて威厳のある妖しげな魅力に圧倒されました。直感的にこの人となら大丈夫... と確信できたので、
恐る恐る指名して、たった一度だけのセッションをともにしました。
* 写真と本文は無関係です 内容については詳らかにしませんが、とてもソフトで、僕の好みに合わせてくれる柔軟なセッションでした。鞭やケインは使われず、手のひらでお尻ぺんぺん程度。
僕にだけ見せてくれる仮面を彼女が、つけていたように思えました。
ですから、これまでの文脈でいうと、僕は明らかに女王様肖像権違反の罪で有罪です。初めてだったからこそ特有の様子見で、2回目、3回目以降のセッションではどうなって逝くか、それはわからない。彼女好みの奴隷に調教されてしまい、お尻から流血するまでケインで打たれるようになっていたかもしれません(・・・
いや、絶対にないな、それは…)
「そういうの」を快楽とするのも可能な、ましなマゾに成長できたかもしれませんが
(それも絶対にないな)...
この時に、僕の心は彼女に逮捕されたまま、今のところ、なんとなく、・・・それっきりとなり、次のセッションは執行猶予中・・・
肖像権を犯していたとはいえ、僕は僕なりに、彼女にお楽しみ頂けるように努力はしました。それが功を奏したのだと思いたい…(>_<) とても素敵なセッションでしたので、感謝しております。残念ながら、彼女の肥やしにはなれなかったかもしれませんが・・・(>_<)
* 写真はイメージです その心暖まるやさしい顔面騎乗は、ベテランらしく優雅でありながらも、春川ナミオ風のエロスも漂わせるもので、僕は大満足でした。
でも彼女は、どこかしら寂しげで、つまらなそうな表情を、時おり見せていました。
セッション後のフリートークで、感謝の気持ちを伝える時に「下手くそなご奉仕ですみませんでした」と恐縮して言うと
「別に・・・ そんなの期待していないから・・・」 と、恥じらう乙女のように、しかし女王様としての気品は維持しつつ、素っ気なく、つぶやいたのでした。
彼女が全力投球したかはわかりません。もしそうであったならば僕は、悲鳴をあげギブアップしていたのだろうか... だからといって、手を抜いていたとも思えない。
彼女は、本来の自分がやりたかったことを一切せずに、僕の台本どおりに、希望することだけを達成するため全力を注いでいた。その誠実さと、あどけなく見えた表情は、おそらくは、肖像権を侵害していたからこそ僕だけに見えた、本来の彼女の自画像とは全く異なる、別の仮面だったのカモ鴨川・・・(>_<)
マゾヒストには、女王様のアイディンティティーを無視してまで、そういう幻想を好んで見る傾向がある。
一人で勝手に夢見ている分には罪は軽いが、精神的なストーカーとなり、女王様の心にまとわりつく。
退店されたドミナの幻影にいつまでも執着し、新しく入店したドミナの仮面に未練たらしくそれを追い求めるM客もいるらしい。それでなくとも、様々にクセのある、ユニークなお客の抱く個別の妄想肖像に、なるべく近くて、似た仮面を探さなければならない。もしなければ新しく作りアドリブで舞台に立つ。
どんな仮面で、どんな芝居を打つにしても、人間の性に根ざした生々しい声に、生々しく応えるという過酷な舞台だと思う。
クールな仮面をつけていても、鞭で打ったM男の皮膚の流血状態を冷静に観察し、相手を慮る優しい気持ちとの哀哭。その心理的な負担、プレッシャーに押しつぶされて辞めていく新人女王様もいると聞く。
妄想肖像権侵害は、犯罪ではないにしても、再発防止に努力する必要はあるだろう。
あの
恐ろしいブログ で見せていたクールな仮面を、彼女は僕の前でつけていなかった。
すでに僕のブログの読者であった彼女は、ワカリニクイ妄想コンテンツがてんこ盛りのぶ厚い台本を読む前から、心理的には僕の全てのファンタジーを受け取め、僕が彼女の肖像権を侵害しているのを、寛容に受け入れてくれていた。

そして僕自身も、自分では見えない仮面をつけていた。

それを彼女は巧みにひき剥がし、心も全裸の僕を、仮面というフィルターを通さずに見つめてくれた。
何よりも、僕が見たかった仮面を、彼女が持っていてくれたのが嬉しかった。
プロなら誰でも、いくつも持っている仮面のうちの一つかもしれない。
あの恐ろしいブログでつけていた鬼様の仮面は、天使がつける女神の仮面になっていた。
顔出しを決意されて素顔を晒した彼女ではあったが、それはプロとしての仮面を充実させるための、一つのステップだったのであろうか・・・。
どの仮面をつけるかという多くの選択肢を持ち、あるいは使わないのかを決める裁量が、上級で高度な女王様にはある。
お互いにそれが仮面なのか、はたして仮面の向こう側に、真実の表情は見えるのか?
それを知ることが出来るのは、そこにいる本人同士だけ。
メタバース上のアバターは、掴もうとしても実態のないイリュージョンのようなものだ。
外の世界で実在する他者の目には、知るよしもない。
彼女はラ・シオラでプロのドミナとなる以前に、つまり、本当の少女だった頃から、僕のブログを読んでいたという。

その当時の僕は、まだ僕が無邪気な少年時代の心で思っていたことを、あからさまに綴っていた...(今もだが)
もう彼女は読んだことすら忘れているにしても、僕の心の闇を知っている。
それを読まれていたというだけの縁で、僕は彼女の指名を決心し、僕たちは、現実にそこにいた。
彼女が僕のためにつけてくれていたその仮面の奥の表情には、プロ女王様としての尊厳と同時に、困惑する少女の純真が、ない交ぜになっているように見えた。

二十歳そこらで、生々しい人間性を直視するような現実に立てば、精神は疲弊するだろう。
理解可能な、知り合いのパートナーとだけのセッションではない。
不特定多数の意味不明なコダワリを持つ相手に対応するため該博な知識を吸収し、英語を勉強してグローバルな知見とスキルも身につけた。
そして時には僕のように面倒くさい、キモい相手にも、誠実なおもてなしで迎えてくれる彼女の勇気を讃えたい。
それまでは、顔を隠して、折れそうなか弱い心を大切に抱いていた少女が、今は素顔を見せて新たなステージに立って奮闘している。幕がいつ降りるのかはわからないが、僕の幻影としてではなく、逞しいプロ魂を身につけたカリスマ女王様を、観客の立場で見守っていこう... ファンの一人として、すてきな思い出に感謝を捧げつつ・・・
和ルイ子さん、どうもありがとう!

銀座のバー・ルパンにて、かつて太宰治が座った席で
■ 12年目のカミングアウト・一期一会
■ マゾの社交場・ユリイカ

*昨年、ルイ子さんが自身の
ブログで綴っておられた文章が印象に残っている。
(略)セッションの時間は様々なプレイを駆使して、関係性やストーリーをその中で作っていきますよね。偶然出会って、目線が交わったところから、普通に会話が始まって、そんな日々を繰り返していくうちに、いつのまにか魅了されて、足元に跪くようになって、命令されるようになって、それから、それから、、、、(マゾ目線)といった風に関係を作っていくには時間が足りないし、何より私たちは偶然を待ってられません(笑)
そんなんじゃ足りない!
それだから、強制的に、過激なことをして、関係を作っていくのですね。
で、気づいたら本当に支配をしているし、もうそれはストーリープレイではなくなっているのです。痛みも苦しみも快楽も、事実ですから。 〜「狂い恋う」〜2022年9月28日付 「事実の積み重ね」より■ そうだったのか!「ユリイカ12周年記念冊子」
■ 知らないと損をする鏡ゆみこのツイート
■Go ゴー!池袋 丼本ゲット 
ユリイカ9周年祭関係記事
■ ユリイカ十周年に寄せて■ ユリイカ10周年・後夜祭の速報 ■ イカす女王様天国・イカ嬢 ■ SMサロンに初めて行ってみる
僕が初めてユリイカへお邪魔した時のエピソードです(>_<)■ 粋な会話をしたい この時はゆみこさん不在で、夕樹七瀬、みづき桃香と初めて会った。