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マゾヒズムに花束を!

恥ずかしくて、ためになる情報発信 Female Domination & BDSM

ある老マゾヒスト氏との邂逅 

 「後ほど、バグをお見せします」

 まもなく古希をお迎えになるというその御仁は、お互いに自己紹介が終わった後で、10歳も年下の僕に、なんともご丁寧な物腰でおっしゃる。

 どんな「不具合」なのだろう?と、マジで心配になりましたが、「橋」と「箸」のアクセントの違いと似たようなもので、彼の言うそれは「馬具」のことでした。

 自分の普段の語彙にないので、最初は意味不明にひびきました。

 この世界ではよく知られた、「日本3大M男」にも数えられる超有名なマゾヒストであられまする、馬之助さんとの初めての出会いは、何とも間の抜けた、こんな感じでした。

 お名前だけなら、おそらく20年ぐらい前から存じ上げていた(と思う)

 昔から僕はどちらかというと「妄想派」で(そんな派閥あるんか?)、実践派でタフガイの馬之助さんとは、あまりにも格が違い過ぎて、ただただ、羨望のまなざしで見つめていました。

 もうログインできない状態なので正確な時期はうろ覚えですが、15年ぐらい前に、mixyでマイミクさん(だっけか?)になって頂いたこともある。それ以降、ネットやメールでは時々、ほんの少しだけ交流があっただけで、ずっと面識はなかったのです。

 かつて「お馬さんごっこ普及振興会」というのを立ち上げて、特に何も活動はしていませんでしたが、馬仙人さんとともにその理事というか、起立メンバーになって頂いたこともありましたっけ。

 その後僕は腰を痛めて、もうお馬さんごっこは出来ない身体になってしまいましたが、西欧風のポニープレイへの愛着は深く、その世界のマエストロとも言える馬之助さんとは、いつかは、お目にかかり直接お話してみたいな、とは思っていたのです。

 たまたま昨年末、Twitterで「そのうちお会いしたいものですね」というやりとりが、まぁ、おそらく社交辞令的にあった。

 この歳になると、「そのうち」というのは永遠にこないことが多い。

 僕もまもなく還暦を迎える年齢に近づきつつあり、(自分が)死ぬ前に一度は会っておきたい「3大M男」のお一人が、馬之助さんでした。でも、わざわざアポとって会う、というのもなんだか厚かましいような気がして、SMバーをぶらぶらしていれば、そのうちどこかで遭遇できるかも?などと期待しつつ、直接お会いするご縁がこれまで(たまたま)なかったのでした。

 先日、急用で上京した際、知人の手配してくれたホテルが、山王日枝神社のすぐ近くで、そこから歩いて5分ぐらいの所に、赤坂に昨年オープンしたSMバーがあります。そこはかつて、六本木で一度だけお会いしたことのあるミストレスがママさんの店だと後で知りました。なので、ここも、死ぬ前に一度は訪れておきたい(>_<)と、昨年から狙いを定めていたのでした。

 彼女は僕のことを覚えているはずないけれど、こんな近くにまで来ていて、ダイレクト参拝しないてはない!と(勝手に)思いこみ、恐る恐る、お店に伺いました。

 一番ノリでお店に足を運ぶも、残念なことにママさんは体調不良でお休み(>_<)

 開店したばかりの店内で、一人ポツンとしていると、2〜3分後に現れたお客さんが、馬之助さんだったのでした。

 面識はないので、お互いに素顔は知らない。おなじみの全頭マスクと「馬具」をつけて登場してくれれば(そういうコトも十分ありえる)おそらく気がついたかもしれない・・・

 接客してくれたミストレスに、僕がホーマーと名のるのを、隣の席でふと耳にした馬之助さんが、驚いたように「ホーマーさん?」と叫ぶ。

 すかさず立ち上がり「馬之助です!」と、M男らしく名のる。

 かっこいい! そういう意味ではM男らしからぬ所作に僕は度肝を抜かれた。

 「え? あの?」と、僕が言ったか言わなかったか、こちらもたいへん驚き、自分がどんなリアクションしたのか正直覚えていません。

 ただ、お目当ての女王様と会うことは叶わなかったのに、ず〜と憧れていた馬之助さんとお話できたことがなんだか嬉しくて、楽しかったというのだけは覚えている。

 お手製、自家製のハーネスや拍車を嬉しそうに見せる時の笑顔が、おチャメというかチャーミングで印象に残っています。

 どんなご縁で、この場所でお会いすることになったのか、偶然と言えば本当にただの偶然にすぎず、どうということのないこの日の思い出を大切にしたくて、今年最初の記事として、ブログに書き綴ってみました。

 



[ 2019/01/20 12:55 ] 雑記 | トラックバック(-) | CM(2)

妄想は思想だ! 



 30年前に、僕はいったい何を考えていたのだろうか?

 平成がまもなく、終わろうとしている今、この時代を振り返ってみるのもいいかもしれない。

 若い頃は、SMプレイで満足の逝く内容を実現させたかったので、とにかく、自分の願望の「見える化」に努力していたように思う。

 春川ナミオ画伯の作品などを利用し、Femdomアートのイメージに託したりしながら、模索を繰り返していた。

春川ナミオさんのイラストって素敵m

 プレイがチグハグになるのは、その可視化に失敗し、女王様へ自分のメッセージが伝わらない時だ。

 相手がプロでも、プライベートなご主人様であろうとも、このことは同じだと思われる。

 いや、あらゆるコミュニケーションにあてはまる道理でもあろう。

 何も考えずに、実現されることではない。

sardax_2018_12.jpg


 しかしSMというのは奥が深く幅も広く、何も考えない方がいい時もあるから不思議だ。

 そういう奇跡的なセッションを一度でも経験すると、結局は相性とか、感性の問題になる。

 それらの合わない人とは、いいセッションは出来ないのだろうか?

 誰とでも合わせられるものではなかろう。

 これがSMの大きな前提で、もちろん可能な限り合わせる努力はするし、そのためのスキルが存在するにしても、最終的に残念な結果になりえる場合があるのを、想定しておいたほうがいい。

 相手次第、状況次第、努力次第、あるいはタイミングや関係性の持続時間という属性も含め、様々で複雑な要素がある。それらを考えると、とても無思想でプレイできる気がしない。


 昔、90年代に、観念絵夢というAV男優がいて、マゾ思想ということを言っていた。
  ー「マゾバイブル」(太田出版)ー

 世紀末を生き抜くにはマゾ思想しかない!

 そこまで言わなくても、思考は常に大切な行為で、いろいろなことを考えてしまうのは、仕方ないのではなく、必然だと思われる。

 そう考えると、確かに、「何も考えない」ことのほうが負担が少なくて楽かもしれない。

 だが、ここに大きな矛盾があることに気がつく。

 もし僕が何も考えていないのであれば、それは意図的に努力して「何も考えないぞ!」ということを考えているにすぎない。

 無思想の発見ではないけれども、雑念も含めて、脳内にはなんやかやが渦巻いている。

 そこまで取っ払って、完全に真っ白な状態にする(なる)には、相当な修行を積んだ達人でないと無理だと思う。

 妄想も、無秩序な思考なのだ。

 マゾヒストは、その無秩序を楽しむことが出来る達人とも言える。

 例えば、マゾ目線で言うと、全て自分の思い通りになるSMプレイはつまらない!と考える。

 だから、「必ずしも全てが自分の思い通りにはならない」プレイを望む。
 (あるいは、「少しだけ、自分の思い通りにならないプレイ」を望むとか)

 または、お相手して下さる女王様が楽しめるプレイを希望する。

 これって結局、全て「マゾの思い通り」なプレイとして取り込まれることになってしまうんだよな〜(>_<)

支配と服従

 どこか、間違ってますでしょうか?

JiJi_mazo.jpg




[ 2018/12/08 00:16 ] 雑記 | トラックバック(-) | CM(6)

寺山修司展〜ひとりぼっちのあなたに 



 僕の父は、寺山修司と大学の同級生でした。

 ほとんど交流はなく、寺山も1年生の時に入院して、死と隣り合わせの闘病・入院生活を3年も続けたこともあり、接点はないようなものですが、彼のレガシーやレジェンドについては子供の頃から耳にしていました。

 そして、僕も同じ大学に入学したその同じ年、寺山修司は世を去った。

 今年は没後35年。
 
 個人的な感慨深い思いを抱いて、神奈川近代文学館に足を運びました。

 今さらテラヤマ・ワールドのもの凄さをここで語る気はしないのだけれど、あらゆる人にイチオシの展覧会だと思います。

 なぜなら、人は皆、ひとりぼっちなのだから。

 家族や友人に囲まれ、あるいは理想の女王様との主従関係に恵まれた幸福なマゾだって、結局は孤独な存在であることに、気づいていない。

 本当は、当たり前すぎて、気づかないフリをしている。

 そんな自己発見の、貴重な体験を共有できる構成です。

 今年の谷川俊太郎展の時にも感じたのですが、画家でなく、詩人や劇作家の企画展示会というのは、それまで自分が取得していたもの、つまり活字の世界で膨張していたイメージを再確認するだけでなく、もっと普遍的で宇宙的な「絵画」として心に刺さってくるような気がします。

 そして言葉が持つ美術的側面、すなわち芸術性の秘密を寺山が模索していて、それが詩や短歌から、演劇・映画などへ収斂していく。

 この企画展の構成を担当している三浦雅士氏の情熱にも心打たれました。

 11月25日まで



Kodoku_no_Hatusmei.jpg


[ 2018/11/18 13:45 ] 雑記 | トラックバック(-) | CM(3)

ゾーンSM 

WorshipMistress.jpg

 アメリカン・フットボール(NFL)にゾーン・ディフェンスという作戦というかフォーメーションがあって、ロングパスを警戒しつつも近場のランプレイにも備えるという守備範囲の広い戦略があります。

 それから野球でも「ストライク・ゾーン」などと言いますが、この「ゾーン」という言葉は、スポーツ関係の他ではあまり耳にしませんね。

 ふと思い出したのは、昔の海外ドラマ「フレンズ」に出てくる英会話で「friend zone」という表現があり、恋人や愛人にはなれないけど、「よいお友達」にはなれそうな人間関係で使う。
 
 昭和の時代は告白してふられる時の常套句でしたが、その真意は「どうでもいいお友だちであることが多いようです。

 今回は、「ゾーン」という言葉・表現に注目してみたい。

WorshipMistress_02.jpg



 何かと便利な「お友達ゾーン」の関係性は、仕事関係とも微妙にかぶる領域があるように思います。


 SMにおいては、日常的に深い主従関係はなくとも、セッションの時だけに限定して「主従ゾーン」に入るというのはよくあります。

 あるいは、プレイはしたことないけれども、SMバーなどでプロの女王様(元プロも)と対面でお話する時などに、「局地的な主従ゾーン」に入ります。

 有名女王様で近寄りがたいオーラが感じられる時、こちらはそのゾーンの周辺エリアで匍匐前進している。

匍匐前進

 前進しようか?撤退すべきか(>_<) 突撃したら玉砕するかも(>_<)(>_<)(>_<)

 あまり仰々しい敬語は使えないけれど、こちらも「おおせのままに」とか、「かしこまりました」なんていう、普段は使ってない語彙を、恐るおそる使ってみたりして、まぁ楽しめます。

 すると、たまに瞬間的な言葉責めが降り注いだりして

  *まれに顔面騎乗とか ← ないって (。。)☆\バキ

 カウンター越しに、突然ネクタイを引っぱられ、「アゴクイ」ぐらいは(好意的に)されたりします。

Ago-kui_1.jpg


 こういう時に当意即妙なやりとりが出来るかどうかで、主従ゾーンの範囲や密度、空気感が決まってくる。

 つまりコミュニケーションのクオリティが決まる。

 言うまでもないことですが、会話は一歩通行ではダメで、相手の言うことを受け入れることが大切。

 それは必ずしも同意することを意味せず、あからさまに否定もしないけれど、敬意をこめて受け流したりする。

 メッセージの本質や結論が、ゾーンに浮遊している状態だとも言えるでしょう。

 今、ふと唐突に思いついたような表現ですが、こういう「ゾーン意識」みたいなものが、なめらかなコミュニケーションを成立させるのに大切ではないかなと、思ったりしました。

 身も蓋もない言い方をするなら、曖昧にしたままにしておく。

 アメフトのゾーン・ディフェンスではないけれど、どっちつかずのユルい状況で、ポジティブな言い方だと様子見ですが、なかなか高度なスキルではないかと。

 理不尽な出来事や、意味不明な人の行為に対して、ピンポイントな悪意や憎悪でなく、ゾーン悪意(憎悪)で対応できれば、衝突やコンフリクトのリスクが軽減するのではないでしょうか。

Kankokukitachosenn.jpg


 先日、北朝鮮と韓国の首脳会談が話題になってました。

 あえて「何が」とは言いませんが(コレこそゾーン意識)、日米や日韓、あるいは米朝関係、日ソやイギリスとEUなど、様々な国際政治関係でも、こうしたゾーン意識が高度に作用している。問題が緩やかに持続する限りにおいて、解決はしない代わりに、破綻や決裂もない。どちらも先送り。

 SMプレイにおいても、マゾの言いなりになるのを嫌う女王様が、それなりの自己主張をしつつ、いかにマゾの矛盾した快楽に対応するかにしのぎを削る場面で、宙吊り状態を持続させるのは、無意識にもこのゾーンに入り込んでいるような気がするのですが、何か間違ってますでしょうか?

 SMが知的遊戯と言われるのは、高度に政治的な哲学が利用される面もあるからで、そこのところがネ、な〜んかネ。イヤラシイと言えば、いやらしい。あんまり気持ちよくないというか、なんというか。

 しかし、よいSMには、妄想や幻想はあっても、嘘はない。

 ゾーンが異なるだけです。

Zettai_None.jpg
みんなの大好きな「絶対ゾーン(領域)」


 SMのセッションにおいては、両者の異なるゾーンが重なる時が、少なからずある。

 あるいは、微調整しながら重なりあうようにお互いが意識する。

 純真な気持ちで素直に、裸の声でコミュニケーションできた時の感動があるから素晴らしい。







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■ 会話のキャッチボールが大切だと思う




[ 2018/09/22 14:51 ] 雑記 | トラックバック(-) | CM(2)

外国人のマゾ男性とディープな会話を英語でしてみた 

  別に自慢するわけではありませんが、僕は英語がペラペラなのです。

  ↑ 自慢してるじゃんか (。。)☆\バキ

 だけど、SMの話は、日本語でもペラペラとは話せない(>_<)

 普通の、何気ない英会話は、練習すればある程度伝わるし、伝わってくる。
 
 だけど、それが「コミュニケーション」として成立するかどうかは別のお話。
 
 SMバーなどで、自分の性癖をカミングアウトするような場合、全部は言わなくても、ある程度の内容はきちんと伝えないと、誤解されかねません。

 ざっくばらんに、さらりとやれちゃう人もいるようですけど、恥ずかしがり屋さんの僕には、嘘をつくことさえ憚られるのです。

 しかし、今回、意外なことに気づきました。

 英語だと、別のフィルターがかかって、日本語で言うより大胆に、より正確に自分の言いたいことを表現できたような気がしたのです。

 相手は北欧系白人で、僕より少し年長に見えましたが、彼にとってもおそらく英語は第2外国語で、使われる語彙が平易で、米国スラングや英国人が好んで使うイディオムが会話に登場してきません。

 中学・高校生ぐらいのボキャブラリーで、アダルトな会話が進行しました。

 幼少時に顔面騎乗に近い体験を彼もしていて、春川ナミオの大ファンであり、数年前に六本木のバロックで開催された「春川ナミオ展」を見ていました。

 これで僕と話があわないワケがない。

 僕が春川ナミオ氏と会ったことがあり、インタビューもしたことを伝えると、顔面騎乗談義に盛り上がり、Facesittingという言葉は世界共通語なのだと、あらためて認識できて幸せになりました。

 しばらくしてから、「Do you know Eric Stanton ?」(エリック・スタントンを知ってるか?)と聞かれ、

 I know him well, but I did not meet him. (面識はないがよく知っている)と応えると、超ウケました。爆笑された。

「米国の春川ナミオ」とも称される、ポップな顔面騎乗イラストを描くErick Stanton
エリック・スタントン
 初期のスパイダーマンの作画に関わったコミック作家として活躍した


 日本語ではやらないような、ちょっとしたリアクションが、なぜか英語だと出来るのが不思議。

 しかしこれは、相手との距離感がなせる、自然な会話だったのだなぁと思いました。

 日本人のM男性とも、気を許せば、心地よい会話ができるもので、それと同じことです。

 英語の偏差値は関係ない。

 そもそも母国語で言えないことを、外国語で言えるはずが、ない。

 しかし、僕は、SMや自分のマゾヒズムについて、かろうじて日本語では言えます(たぶん)

 言い難いけど、カタコトの日本でとりあえず言える。

 それが英語だと、英語能力や会話スキルとは別の文脈で、どういうわけだか気楽に言いやすいような気がした。

 この「気づき」が新鮮で、不思議で面白いことだと思いました。

 英語の基本的な学力があっても、英会話が苦手な人は多く、僕もそのひとりです。

 ブロークンで文法的に間違っていっても、そんなこと気にせずにどんどん話をしていくと、なんとなく気は通じるもので、失敗を恐れず、というよりどんどん失敗をして会話を続けることが、英会話上達の近道だと思います。

 SMで英会話は、日常的な英会話よりハードルが高そうでいて実は簡単、とは言わないまでも、はるかに取り組みやすい。教材として活用するにはいい素材になります。

 自分のM性癖を英語でプレゼンテーションできるようにすれば、TOEICのスコアは確実に上がるでしょう。

 あ、別にM性癖でなくても、自分が一番好きなこと(例えば「顔面騎乗」とか)を、英語で説明できると、いいですね。

 


   

 









[ 2018/03/30 14:44 ] 雑記 | トラックバック(-) | CM(4)

エスエム落語に逝ってみた 

舞きー独演会


 うまいき〜! (>_<) 

 終演後の拍手喝采時、僕は思わずそう叫んでいた。

 いや、シャレでなくてね。 ← ダジャレだ (。。)☆\バキ

 女王亭・舞き〜 SM落語会

 この笑いはヤバいよ。ヤバすぎる。

 突き抜けた名人芸に、そこにいた全員が感動していた。

 このブログでも時々紹介している、ラシオラの元女王様で、現在はフリーライターとして活躍中の早川舞さんが、ご自身の聖誕祭で、オリジナルの創作落語を披露されました。

 いや本当に、もの凄〜く面白かった。

 「おもしろい」というような平凡な言葉を使うのが嫌になるんだけど、正直これほど、スカッと爽やかに笑えるとは、失礼ながら想定外でした。

 ステージは新宿のアマルコルドの店内にある檻(の上)

 開演直前まで、いつものようにカウンターでグラデスカ(ホステス)として接客していた舞さんが、おもむろに大きい座布団をどこからか持ち出して来て、その檻テーブルの上に敷く。

 寄席ではこういうのは普通、付き人か弟子、M男がやるものなのだが、主賓で主役の、いやそれよりも女王様が自分でやっちゃうのが舞さんらしい。

 さすがに「人間座布団」は使わないんだ(笑)、などと内心クダラナイことを考えていたら、上半身裸のM男氏が登場し、舞さんが彼のお腹と背中に、墨汁と筆で何かを書き始めた。

女王亭_舞き〜

 「人間めくり札」キタ〜( ゚∀゚ )

 SM文化が大衆化し、(S男やM女性は昔から大勢いたけれど)女王様やM男の人口が増えてきて、ついに伝統芸能としての落語のネタになる時代がやってきた。

 そういった目のつけどころが鋭いし、出来映えも見事でした。


 僕はかねてよりSMにおける女王様とは「表現者」だと常々感じていた。

 そこが素人S女性と、プロ女王様との根本的で決定的に異なる点だと思う。

 ヤラセも含めて、金銭の授受をともなうパフォーマンス性をいかにして客に評価させるのか。

 客席の妄想(要望)次第で、きれいごとでなく、現実としてかなりエグい舞台となることも。


 ネタの原点はSMの本質、しかも(よりによって)

 顔面騎乗がモティーフ

 となっているのに、テレビの「笑点」でも通用するぐらい「まっとう」できれいな物語には驚きました。

 「低温ロウソク」とか、「アナル」とか、まぁ〜それなりにキワドイ専門用語が出てはくるんだけど、古典落語としてのきちんとした構成を巧みに活かしており、SM未経験者でもおおいに笑えたと思います。
 
 しかしながら、この作品で腹の底から笑えたのは、やはりプレイ体験者だけなのでしょう。

 僕は自分が経験豊富とまでは思っていないけれど、一応、知ってはいる。(たぶん)

 絶対に秘密にしたい、恥ずかしくて、ためにならない、あの密室での体験の数々は、誰にも共有されたくないし、自分でも「いいネ」ボタンは押せないんだ。

 しかし、最近思うことに、SMと笑いはもともと相性がよかったのかもしれない。

 はたから見れば「恐ろしいほど滑稽」なあの茶番劇には、濃厚な笑いのエッセンスが凝縮されている。

 それらを三ツ星シェフのように抽出し、仕込み、熟成させて、舌の洗練されたグルメにはもちろん、味音痴のマニアをも満足させるほどに美味しく調理してくれた女王亭・舞き〜の巧みの芸は、人間国宝級だと思う。

 女王様としての「話芸」は、プレイルームを超えて、国立小劇場の観客席にも響くほどの芸術として昇華した。

 彼女の凄さは、その才能だけではない。

 本番終了後、カウンターで歓談していた時、今回の台本を特別に見せてもらったのですが、M男のキャラクター設定から、筋や場面構成など、ガチでびっしり書き込まれた原稿には、本番直前までギリギリまで粘って推敲し、スクリプトを練って書き直して、またリハを繰り返したのであろうという凄まじい汗のような痕跡に再び感動する。

 台詞のほとんどは、どこかで聞いたような、かつて自分も言ったことあるような、そんな微妙なデジャブ感もあったりして、自虐的でシニカルな笑いを堪えることが出来ない。

 逆に言ってない、「そんなことは(自分には)恐れおおくて口が裂けても言えない」というような言い回しも出てきて、それはそれで面白い。言ってみれば「あるある」感を(ナイナイ感も?)快楽的に煽ってくれる。

 例えば、プレイ後半にM男が顔面騎乗をおねだりするくだりで、「顔面騎乗はやり方によっては責めにもご褒美にもなります!」とMが女王様に促す。それをM自らが言うのかい?!と。

 通常(?)は、Mの苦手なプレイが実行される際、女王様がこれを言う(たぶん)

 舞さんの実体験なのか創作なのかは謎ですが、リアリティもあっただけに笑えます。

 以前から、彼女のライターとしての仕事ぶりとその才覚には瞠目していましたが、実際は明らかに努力の人でした。

 ラシオラには昔から努力家肌の女王様が多い。
  (それは、リエさんがお手本なのだと思われます)

 この日、たまたまお客さんとして来ていたラシオラの新人さんともお話する機会があったのですが、彼女の物腰からもそれは感じられました。


 本番が始まる前に、舞さんは確か、僕にギャフンと言わせたい、みたいなことをおっしゃっていたようでした。

 ( ↑ 「ギャフン」という死語は使わなかったけど、なんかそのような意味のこと)


 確かに言わされましたね。

 最高だった。

 素晴らしい感動をどうもありがとう!



月刊アマルコルド

 *追記:舞さんがお客さんに配っていた手作りミニ冊子が、まるで同人誌のようで、これにもプチ感動(>_<)



【関連エントリー】


■ 元女王様ライター早川舞さん

■ SMの女王様に市民権を与えたのは朝霧リエです

■ SMと笑い

[ 2018/02/18 11:21 ] 雑記 | トラックバック(-) | CM(2)


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 自分に素直になりたい!そう願っているひねくれ者なのかもしれません。平凡で小市民的な暮らしを営む一方で、過激な妄想世界を漂う、無意識過剰の仮性マゾ。



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