
小さい展覧会だけど、見応えはたっぷりあった。
僕もよくウソの手紙を女王様に書いたりしてたものです。

実在する女王様へのファンレターみたいなものではなく、
実在しない、自分勝手に創りあげた理想の女王様に、願望をぶつける内容で。
寺山修司という人も、似たようなことを考えていたのかもしれない...
などと勝手に、想像してみたりして。
少なくとも、やはり彼は、孤独だったのだ。
劇団を主宰し、数々の成功と実績、仲間に恵まれていたようでいて、
どこかで満たされないない何かを感じていたような。

僕の父が寺山修司と大学時代に同級生だったこともあり、幼い頃から寺山さんのことを耳にしていて、著書もよく読んでいました。
僕が二人と同じ母校へ入学した年、悲しいことに彼は世を去りました。
昨年は没後35年ということで、
大きな展覧会が神奈川近代文学館で開催されたのを観ていたのですが、それに比べたら、今回のこれは
超こじんまりとして地味な展示なんだけど、なかなか味わい深いものがありました。

コンテンツ自体の素晴らしさもさることながら、見せ方が、そのキュレーションで深い感銘を受けました。

テラヤマ・ワールドに触れるたびに常に感じることは、みんな、死ぬ時は一人ぼっち。
その当たり前のことを、僕たちはあえて先送りして気づかないでいるフリをする。
そういった孤独の神秘性を共有できる構成が見事でありました。
クリスマスをひとりぼっちで過ごすのも楽しいかも鴨川〜と思えてくる。
馬喰町の
kanzan gallery で、今年の12月25日まで。 クリぼっち必見です!
https://bijutsutecho.com/magazine/news/promotion/20709