
日本ではあまり知られていないが、
Gikoという Femdomアーティストがいる。
ケルン在住の
Giko は、ドイツの春川ナミオとも言われ、顔面騎乗を得意なテーマとしており、鉛筆画の繊細な筆致も似ているが、ある部分の露骨な描写が、春川さんとは一線を画している。
また、鉛筆画にはコンピューター処理もなされ、独特で幻想的な世界を描いている。
イギリスの Sardax とも並ぶほどの巨匠だと僕は思っているが、あまり目立った動きはなく、公式ホームページなるものも見当たらない(昔はあったのに)

昔のホームページに Gikoのインタビューが掲載されていて、その時彼は、
Erotic art serves mental and spiritual freedom. (エロティックアートは精神に奉仕し、心を解放する)
というようなことを述べていた。
Fetish やBDSMの世界は、プライベートのパートナーとだけの関係で、絵の世界とは別だとも言っていた。
心象風景をモティーフとする姿勢を、哲学的に思慮深く語っていたのが印象に残っている。
ファンタジーは心を自由にし、その人の魂を拡大する。
キワドいイラストを描いているアーティストの横顔には、日本の禅僧のように、何かを悟ったような面影が見えた。
このインタビューの中でGikoは春川ナミオさんの絵についても言及している。
Giko の絵のファンだというある女性が、春川さんの描く貧弱なアレより、Giko の荒れ狂うように勃起したソレがお気に入りなのだと。だからGiko は、春川さんの描く「謙虚な」ペニスを、少しは意識していたのかもしれないとも思われる。

元気なナニを見ている方が、ドイツ人の(S)女性感覚としては、もっと虐めてやりたいというリビドーに繋がるらしい。
日本の女性は、S女性とは限らなくとも、春川さんのこの姿勢や筆致をどう評価されているのだろう。
やはりGiko が描くように、元気なナニの方がお気に入りなのであろうか・・・
画家が何を意識して表現し、鑑賞者がそれをどう受けとめるのか。
この問題は、古代の洞窟壁画から、AI(人工知能)が描くCGに至るまで、結論の出そうにない課題だろう。
最近、レンブラントの絵画作品をディープラーニングで学習したAIが、現代にレンブラントが生きていたら描いたであろう新作に関する動画を見た。
絵を描くという行為が、人間の魂を救済するのであれば、それはAIによってもなされうるのだろうか?
人間がコンピューター・グラフィックスで描くのでなく、コンピューター自身の判断と知能がCGを描く。
そうかと思えば
手塚治虫を学んだAIに、ストーリーも含めて新たに創作させるプロジェクトもある。
こうなってくると、わけのわからないマゾヒストの願望イメージを人工知能が学習出来たとして、どのような FemDom アートや物語が描かれるのか、興味が尽きない。
人間の心の奥底を、ディープに学習するということは、脳自体がその同じ脳を解析することで、その人間には不可能でも、AIならば、客観的にやってくれるかもしれない・・・?
シンギュラリティーを通り越して、そのはるか向こうに広がる超未来の姿を、AIに描いて見せてもらいたい。
どんなエゴマゾでも完璧に満足の逝くSMセッションが、メタバースで実現される日は近い?

【Femdom アート 関連エントリー】
■ マイケル・マニング

こんなユルい絵を人工知能が描けるようになったら信用できそうな気がする。