
先日の
SM落語で笑わせてくれた女王亭マイキーこと、フリーライター早川舞さんが興味深い記事を書いていましたので、ご紹介したいと思います。
“根拠のある自信”を持つ女だけがM男を跪かせる この記事に反論するわけではないのですが、というよりも、あまり関係ないかもしれませんが、昭和の時代のSMクラブでは、「根拠のない自信」をかろうじて持つ女王様が、多かったような印象を、ふと思い出しました。
舞さんの趣旨とは離れますが、関連するかもしれないこんな記事もあります。
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SM女王様とS女性は真逆のスタイル 今はそうでもないけれど、少なくとも昭和の昔は、プロもアマも、仕事だろうが趣味であろうとなかろうと、女王様がマゾを跪かせる技術や知識、情報なんて皆無。
そこにあるのは、マゾ側のドロドロとした妄想と、意味不明な倒錯や性癖。
「奇譚クラブ」をはじめとする、初期SM媒体が全国にばらまいたファンタジーの多くは、夫婦ですら(いや夫婦であればこそ)実現不可能な桃源郷なのでした。
それらに偏見を抱くことなく、変態行為を実現してくれる女性は現実社会には存在せず、よほど親しい間柄でも、カミングアウトした瞬間にドン引かれ、軽蔑され、かろうじて見下されることによってマゾ希望に叶うという悲惨な状況。
ハードルの高い幻想を、脳内妄想でいかに自由に思い描けるかが、マゾヒズムの知能なのであった。
現代は、信じられないことに、職業女王様を高い意識レベルでめざす若い女性が、少なからず実在する。
「素人」S女性も増えているようですが、実際問題、お店に所属していないというだけで、プロ顔負けの素人女王様が10代から覚醒している状況に思えます。
彼女たちは、M男の需要や願望に応えるべく、それなりに研究熱心。
利益よりも顧客満足度を高めるような方向性と、彼女たちが持つ本来の母性本能が合わさり、かつてない水準で「最強」の女王様、ミストレスたちが続々と登場しているのは、喜ばしい限りです。
ネットに氾濫する共有情報などもおそらく貢献しているのでしょう。
昔は、意思の疎通面も含めてコミュニケーション不足だった。
きちんとこちら側の願望や性癖をプレゼンテーションできていない未熟さを棚上げし、「女王様は判ってくれない!」なんてこと言って凹んでいた自分が恥ずかしい(>_<)
一見、判ってくれなさそうな女王様であっても、心の中では判ってあげようと努力している。
このことは、昭和の時代からも継続されてきた伝統だったのかもしれない。
一般的には「風俗嬢」というレッテルで見られ、待遇面でもまだまだ改善の余地が残される環境ではあるにせよ、質的に高度で、知的かつクリエイティブな能力も必要な職業として社会に認知されつつあるのは、彼女たちの誠実な姿勢の賜物であると思われます。
プライベートで女王様を演じてくれるパートナーがいればもちろんですが、SMクラブへ逝かれるM男性は、ただ当たり前に「女王様」として崇拝するのではなく、それ以上に、職業としての女王様を選んでくれた女性として、最大限のリスペクトを持つべきです。
女王様というのは職業的であっても、マゾヒストの夢を叶えてくれる女神様だと思っています。
■ そうだったのか!マゾヒズム

池上彰がSMを解説したら?
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