ひざまずきなさい! インターネット登場以前の80年代は海外のフェムドム・メディアを目にする機会がほとんどない時代。東京なら六本木セビアンや新宿カバリエなどのアダルトショップか、M系雑誌掲載広告の通販で入手するしかなかった。この時期日本でもM男性向け専門誌が普及し始めてはいたが、海外のそれらに比べるとまだ保守的という感じで、外国のボンデージ雑誌の過激でファッショナブルなスタイルに憧れたものである。
「Kneel」とは「ひざまずく」という意味の動詞。その命令形をタイトルにあしらったこの雑誌は「女性による男性支配」の典型的なイメージがよく描かれていた。「男の世話と飼育」というグラビア記事からの写真が表紙に使われている。この他にも夫を奴隷に調教するビデオの紹介やコミック・イラストなど、ビジュアル重視の構成で、海外のこの種の媒体でよくみかける個人ミストレスのスレイブ募集広告もほとんどなく、英語がわからなくても満足度は大きい内容となっている。
さすがに今みるとやや物足りない印象だが、オーソドックスな "Female Domination" の世界が楽しめる。
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