
北川プロとならんで80年代を代表するMビデオ・シリーズ。
値段のわりには画質が悪く、音声もいいかげんだったが、演出不在のナマ撮りの映像は見応えがあった。
中にはずっと固定アングルで、おそらくそこには女王様と奴隷の二人きりしかいない完全な密室という状況が、さらにいやらしいムードを高めていた。
本来であれば、一般公開されるべきではないSMプレイの多彩なテンプレートが、そこにはあった。
登場する女王様やM男も個性的で、作品ごとに時間や内容にムラがあり、当たりハズレのギャップは大きかったかもしれない。タイトルはナンバリングだけで特にコピーまわりがなく、パッケージに唯一添付されていた一枚の写真だけが購入を判断する決めてだった。手元にあるチラシには大阪スウエーデン、北川プロなどと共用のカタログで商品説明がわずかにこうある。
こんな感じ ↓
【No.36/ 30分 ¥12,000】 女王様の美しい御脚でもてあそばれる奴隷。
極めつけは奴隷へのアナル奉仕で奴隷はとっても楽しそう。
このキャプションでは「アナル奉仕」されるのが奴隷なのか女王様なのかよくわからない。素直に(僕の勝手な期待に都合よく)読めば、女王様が奴隷のアナルを責めると理解できなくもない。写真では奴隷が女王様のアナルを奉仕しているようだ。僕は悩んだ。いったいどっちなんだ!? どちらもあるのか? 当時はまだ予備校に通う金欠学生だったので、買う決心をして六本木まで行っても、セビアンのショップの中で2時間ぐらい迷ったのを覚えている。結局買った。M男へのアナル責めはなくて、ひたすら女王様のアナルをなめまくり。予想は裏切られたが納得のいく内容ではあった。
ここで登場する天鳥舞女王様はセビアン・シリーズの常連で、彼女の口調や責めのスタイルを当時は新鮮に感じたものだが、今からみるとあまりにも典型的でハマりすぎ。その後の「女王様」的イメージのスタンダードになったような気がする。実際、90年代から続々と登場してくるMビデオの演出には、この流れが引き継がれていたように思う。
【懐かしのM男ビデオ】

m(_ _)m
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