少年漫画に内在していたSMスピリッツ
♪ ウンバババッパ ウンバババッパ
♫ ウンババ ハレンチ ウンバッパぁ!
忘れがたいこのメロディ ! ^^)
(ABCDWHY イタズラ描きで女の人の裸をWHYで書いてたりしてませんでしたか?)
SMとはあまり縁のない人でも、このマンガやドラマのインパクトは大きかったに違いない。それでなくても「普通にエッチ」なコミックとして叩かれていた。
十兵衛こと柳生みつ子には女王様的な魅力がある。テレビの実写版で演じる女優にもそういうS女性独特の雰囲気が感じられたのは、原作のキャラが持つ必然性があったからだ。永井豪はこの他にも「キューティーハニー」や「けっこう仮面」など、多くの女王様的キャラクターを造りだし、当時の小学校にM男予備軍を産み出していた。
思春期以前の、特に小学生高学年ぐらいの女の子というのは悩ましい存在だ。あるのかないのかわからないようなフェロモンをまき散らしながら、男子生徒を無邪気に惑わす。そして男子生徒も無意識に幻惑される。職業女王様のインタビュー記事などでたまに、好きだった男の子を虐めたりしたというエピソードが物語るように、この時代にはSM関係特有のDNAが形成されるようだ。男子にも言えるが、好きな子を虐めたい、または「好きな子から虐められたい」という感情は、健全な魂にやどる普通の精神なのである。それがちょっとエスカレートすると、「縛りたい」とか、「鞭で打ちたい(打たれたい)」といった具体的な願望となるだけ。僕は小学1年生の頃から顔面騎乗願望を抱いていたが、「ハレンチ学園」の一コマで初めて、それまでの自分の意味不明な願望が視覚化された映像を目にして衝撃を受けたのをよく覚えている。春川ナミオのイラストを知る前だ。ここには、そうした具体的なテンプレートがさりげなくちりばめられており、単なる「エッチなマンガ」という評価を越えたデンジャラスな有害図書として、当時の教育委員会やPTAにこの作品は目の敵にされていた。
SMという言葉や概念は知らなくても、学校における「強い女の子」の存在を明確に印象づける美少女キャラクターの元祖がこの十兵衛だった。現実の少女にでなく、実在しない2次元の美少女キャラに「萌え」る気持ちの起源もここから始まったような気がする。
古き良き時代の FemDom Comic の一つとして記憶にとどめておきたい作品である。
【関連エントリー】