マゾヒスティックな願望を満足させるためのコミュニケーション能力 例えばSMクラブでの女王様は「支配者」という名の「奉仕者」とも言われます。
個別で多様なM男のリクエストを理解してプレイを組み立てなければならないからです。
この時、M男がきちんと希望を言えればよいのですが、恥ずかしがって肝心な部分をあやふやにすることもあるかもしれない。
あるいは、見栄張って出来そうもないことまで言ってしまったりする。
まだ信頼関係がしっかりと構築されていない相手とのプレイをスムースに行うために、
あるいはその女王様にとっては苦手なプレイをさせるためのかけひきとか、
あの手この手で充実したセッションにもっていくための能力。
女王様から自分の思い通りに虐めてもらうスキル。これがつまり
「まぞリョク=マゾちから」 というもので、耐性やマニア度の問題ではなく、どちらかというとまっとうなコミュニケーション能力の範疇に入るものだと思います。
いやひょっとすると究極のコミュニケーションと言えるのかもしれません。
例え首尾よく依頼内容をズバリ言えたとしても、相手にきちんと伝わっているかが問題となります。誤解される可能性も高い。
わかってもらえなければ意味がない。
幸いにも相手が経験豊富なベテラン女王様であれば、M側の気持ちを理解し、言わなくてもこちらの要望を汲み取ってくれる器量も期待できますが、よくわかってない「なんちゃって女王様」や「勘違いミストレス」だったりすると最悪です。
下手すると命がけ。相手のレベルがどうであれ、NGプレイやセーフ・ワード(責められる側がこれ以上は無理と思われた時に言ってプレイを中断するキーワード)などは確実に伝えておく必要があります。
また、相手のポテンシャルが低くても、こちらのアプローチ次第では上手くセッションをリードすることも可能なわけで、このあたりが真のマゾ力の真骨頂と言えるでしょう。
マゾ力とは、ある意味では言葉の表現力とも言えますが、口で言わなくてもわかってもらえるような関係にまで発展させていく総合的でインタラクティブなコミュニケーション能力なのです。
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