
昔から僕は、知人への贈りものやこれからお近づきになりたいと思えるような人には自分の愛読書をプレゼントしてきました。
以前
「愛読書はハズカシイ」でも触れたように、贈る相手に自分の愛読書を読んでもらいたい!という気持ちには、どことなく気恥ずかしいものがあります。
ともあれ、クリスマスはそういう厚かましい機会の絶好のチャンスであり、今年もプレゼント用に何冊か買い求めました。
本を贈る場合のややリスキーな点は、相手がそれを既に読んでいる可能性もあることです。
理想的には、その人が書名か作者名は知っているんだけど、たまたま興味が薄かったとか、そのうち買って読んでみようかと思っているような本が望ましい。
しかしそれを相手方にリサーチするのはヤボというもの。贈りものというのはさりげない意外性が粋なのであって、「今一番読みたい本は?」などと事前にそれとなく尋ねるのは、贈った瞬間にその時の意図がばれちゃったりしてな〜んかネ、ギフトの美学に反するような気がするワケ。

今年はちょっと趣向を変えて、自分的に最近お気に入りの書籍3冊を一冊ずつ中が透けて見えるようなラッピングで準備して、その中から欲しい本を1冊選ばせる「チョイス形式」にしてみました。
こうすることによって相手の既読本を贈ってしまうというリスクを減らすと同時に、「選ぶ」という本人の主体性がギフトの付加価値を高めます。
(もしその本にあまり関心が高くなかったとしても、自分で選んだという行為がちょっとしたポイントバリューになる)
願わくば相手に悩ませておいてある1冊を選んでもらったなら、その1冊にリボンをつけ「はいどうぞ」と贈呈する。その直後に残った2冊も「ではこちらもオプションで差し上げます」などと言って3冊まとめて贈るのは、サプライズ効果があって面白いのではないでしょうか。
一度はあきらめていたものがゲットできるという意外性がちょっと嬉しい贈り物になると思います。
本を贈る場合、それが相手の既読であるかもしれないのはもちろん、「積ん読」になるであろう可能性が大であることは覚悟しつつ、それでもなるべく喜ばれるような工夫を凝らしたい。
要は気持ちですから「読んでもらう」などという上から目線でなくて「贈り物をさせて頂く」という慎ましい姿勢が大切なのだと思います。