
SMセッションの最中に「これはもう無理だな」と思った時に、
イキナリNGワードを叫んでプレイを中断するよりも、
「お戯れはそれぐらいで・・・」 とまずは言ってみます。
これは大和言葉と言われる、古くからの、こころが通じる和の表現です。
もうマジで耐えられないぐらいダメだったら、絶叫してしまうかもしれない。
だけども、普通はそこまで追い込まれることはないでしょう。
たとえSMクラブなどでも、ある程度のつきあいで信頼関係が構築されていれば、ちょっと加減を越えるところのギリギリまで持ってかれることはあり得ますが、そういう時にこそ、この種の大和言葉が利いてくるタイミングだとも言えるのではないでしょうか。
別に特別な言葉というわけではありません。
古くから日本で親しまれてきた和風の表現で、日本人ならではの心に染みる特性があります。
僕は昔から何気なく、それこそマイ・ボキャブラリーとして使っていましたが、最近は普段の日常会話で使うと逆に浮いてしまいそうなくらい廃れてしまった。
気がついてみれば、SMのセッションの時、女王様に対してしか言わなくなってしまった。

一番よく使うのが、
「うれしゅうございます、女王様!」 というやつ。
久しぶりにお会いした女王様には、
お目どおり叶った喜びにたえず、この上は一意専心奉公の誠を尽くし...、などと言ってみたり。
今時の若い女の子にはあまりピンとこないかもしれませんが、女王様と呼ばれるぐらいの女性であれば(素人S女性でも)、M男を信服させることのできる器量をお持ちですから、それなりの知性と教養があり、この種の表現には敏感に反応されます。
もともとSMのセッションには演劇性があるので、文芸的な表現はツボにはまりやすい。
でも、使い慣れていないと、ものの見事にすべってホントの茶番劇になってしまうので注意が必要ですが・・・
近年は外来語の普及はもとよりネットの影響もあってか、この種の古き良き言い方が忘れ去られそうな状況の中において、大和言葉が再評価されている気配は嬉しいかぎりです。
ギスギスしやすい人間関係も、こういう大和言葉をクッションに入れると、和むものです。
SMプレイという非日常的なステージでも、お互いに緊張してちょっとピリピリとした雰囲気が一瞬柔らかくなるので、僕は意識的に好んで使っています。



■ 胸キュン!(←死語?)
