
最近、M男(マゾ)がもたらす経済効果を指す「
マゾノミクス」なる新語をよく耳にする。
全日本SM連合振興会によれば、女王様がプレイで使用される縄・鞭、医療器具などのツール、衣装やメイク費用、関連書籍やDVDなど、それらの額はマゾが購入してミストレスにプレゼントするケースも含めて年間約2兆3162億円(2015年)に達する。
プレイルームが規制された風営法改正以降は、ホテル代や移動タクシー代など周辺市場への波及も大きい。
Femdom は不景気と高齢化社会に強い。 会社が倒産しても、社長や重役はSMクラブに逝く。
貧困な若年層は安上がりな風俗へ流れるが、SMクラブの顧客は経済的にゆとりのあるヒマ人が多く、もともとユーザー数の少ないニッチな市場で、データの偽装や成長戦略などの必要ない女王様家業は、文字通り「殿様営業」(=
お姫様営業)で成り立っていた。
衣装や道具類を特に必要としない顔面騎乗においても、マニアックなユーザーは上半身のコスチュームや「
絶対領域」の作成などにこだわり、あらたなマーケットが拡張されていく。
Illustrated by Ayatsuki 戦後の高度成長期に比べると、確かに男性マゾヒズム市場は飛躍的に拡大した。
今後マゾが増え続け、S女性も増加傾向にあることから、マゾノミクスは当分続くと考えられる。

マゾと結婚した元女王様による
「マゾ亭」のヒットは、絶滅危惧種になるかもしれなかった多くのマゾヒスト達の、明るい未来を予感させる。
アベノミクスより息は長いかもしれない。
【政治・経済とマゾヒズム・関連エントリー】■ そうだったのか!マゾヒズム

池上彰がSMを解説したら?
■ マゾ手当■ 介護SM■ マゾヒズムが世界無形文化遺産に登録
伝統と創造の主体的な担い手を育くむために■ オナニー税■ 試験に出ない原発■ マゾは憲法違反?
■ 究極の個人情報・マゾヒズムは特定秘密■ 変質者保護センター