
1980年代後半あたりから、女王様とM男のSMプレイが単独のテーマで出版されるようになった。
その昔、SMメディアの銀河の果て、桜桃書房がムック本形式でMIstyというシリーズも出していた。
どことなく若い頃の原田知世に似ているベビー・フェイス。
いわゆる「女王様タイプ」という顔ではないのかもしれない。
カメラ目線が多く、このことからプレイ専門ではなく、撮影主体のモデルさんではないかと思われる舞女王様。もしかして実生活ではSMプレイの経験はないのかもしれないが、グラビアの出来不出来にそれはあまり関係はないのだろう。それなりの世界を創り出していると思う。

今どきのスタイルと比較すると、ややパンチに欠けるかわいらさが、逆にそそる。

マゾ小説にペニス責めは描かれても、カラーグラビアで露骨にそれが撮影されることはなかった時代。
女王様もおそるおそる鞭でツンツンする程度で、ご愛嬌のある写真だ。
もちろんこの当時は女王様による手コキなどは行われていない。

ペニス自体を露出しにくい時代背景で、これはかなり頑張っていたほう。
このグラビアではM男モデルに目線の黒塗りはない。
ペニスを黒スミで修正するという苦し紛れに興奮した。

全体的にソフトでフェティッシュな構成で、70年代に見られた泥臭さがなく、洗練されている。

「女王様のポーズ」(ポージング)という概念を考える時、カメラマンが「はい、こうして〜」と言えるようなものは、はたしてあるのだろうか?
ベタなスタイルはあるにはあるのだろうが、それを見て感動(興奮・勃起)するかは別の問題だと思う。
例えば言葉責めにおいて定型の「キメ台詞」は存在するが、それを言われて全てのマゾが逝けるかどうかは別問題であろう。
僕などは、女王様から「あら、もうダメなの?」と言われて昇天したことがあるけれど、どうでもいいかそんなコト。
【Femdomメディア史】
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