
別にこれまで隠していたわけではないのですが、僕はコミケなるものに行ったことなかった。
もともと、同人誌の類いにそれほど大きな関心がなく、人ごみや行列に並ぶのが好きでない。
とはいえ、子供の頃から漫画少年ではあったので、いつかは逝ってみたいカモ鴨川〜(>_<)という思いを、密かに抱いていた。
絶対に秘密ですが10代の頃には、本気でプロの漫画家を目指して切磋琢磨していた時期もあったのです。
当時はGペンとも呼ばれる専用の筆記用具を使ってコマ割り漫画を描いては、雑誌社に投稿などもしていました。作品内容的には必要はなかったにもかかわらず、スクリーントーンや、「ちゃんと学校の勉強もするから!」と親にねだり、ショーがくせいにしては高額なエアブラシも一応は駆使(?)してたりして。ツールだけはいっちょまえにそろえて、実は大したことやれないタイプ(>_<)
当時、熱中して読んでいた「あしたのジョー」の矢吹丈のように、ひたすら孤独にマンガを描きまくっていた。
夢やぶれてSMあり。
自分の絵の才能の、あまりにも
なささかげんに情けなくなり、思春期の僕はすでに活字の方へと方向転換していました。
まぁ、そんなコトは
D・I・S(どうでもいいかそんなコト)なんだけど、漫画家の卵の祭典ともいえるだろう初期のコミックマーケットを、すでに身を引いた(というのもおこがましいが)分際で、遠目に垂涎の眼差しで見つめていたのでした。
それはともかくとして、僕は重大な誤解をしていました。
ふうこさんが出展されていた
コミティア123を、いわゆるコミケと勘違いしていたのです。
なので、女王様漢字ドリル欲しさに、これは「いいチャンスだ!」と勝手に思い込みケ、ユリイカ14周年のご挨拶で東京に寄った際、ついでに有明にまで足を伸ばしてみようと思ったのでした。
門外漢にとっては、「コミケ」も「コミティア」も、似たようなものだと思いますが、事業としては別もので、主催者に言わせるとコミティアは「オリジナル作品」の展示販売がメインのコンテンツなのだそう。
本部事務局のスタッフは、明確には言わなかったが、ここに「海賊版」や「パクリ」はないということらしい。
それがどうした? てな漢字で、そんなことは僕にとってはDISなのですが(むしろパクリやパロディの方が好き!)コミケ童貞だった僕が、ついに一皮剥けるんだ〜と、ほくほくしていたのに、残念な気持ちになってしまったヨ。
「コミティア123」(コミティア・ワンツースリーと僕は呼んでいた)というイベント名も、例えば
「Photoshop A to Z」みたいな漢字で、「コミケのいろは」のように、初心者向けコミケのネーミングだろうと、これも思いっきり、思い込み
ケで、たまたま通算
123回目という意味だったのです。
ともあれ、田舎者で恥ずかしがり屋さんの僕にとっては、敷居の高いと思われた「聖地」への冒険者的な気分で、思い入れ深い貴重な体験をさせて頂きました。
生まれて初めて訪れる有明・東京ビッグサイト。
本家のコミケより小規模とはいえ、会場は広く、人も多い。
ところ狭しと並ぶ展示ブースは、さながら人間動物園といった漢字。
ズラリと並ぶ作品の後ろに控えているのは、ほとんどがその作家さんやコラボスタッフだ。
とあるカラフルな美少女系の絵に目が釘付けになり、恐る恐る視線を上に向け、それを描いた本人を見ると、
不気味な表情 の「キモオタ」君である(>_<)

引きつった笑顔で「どうぞ、立ち読み自由ですので、手に取ってご覧ください」と、あきらかに普段は口にしてないであろう台詞を、言ってくれる。
出展者の人間性、風貌、表情、ファッション等も展示作のようなものと気づき、今度はクリエイターぽい人に注目しながら、ブースを回ってみた。
来場者そっちのけでスマホをいじくるツワモノさんから、おどおどしながら下から目線のビギナー(?)さんまで、人間観察的におもしろい。
今度はとてもチャーミングで、魅力的なお姉さんに目が釘付けになり、その前に並んでいるイラストを見つめてみると、
全然、たいしたことなく、平凡な作品 でがっかりする(>_<)
それでも、せっかく来たんだからと、心の中で「イイネ」ボタンをクリックしたくなるものを何点か購入した。ほとんどが100円〜300円なのヨ。
片っ端から大人買いしても、5〜6千円の出費ですんだヨ。
そして、ほとんどとは言わないまでも、僕の目にとまったイラストのキャラは、宮崎駿や江口寿史、背景は大友克洋のパースをパクったかのような絵柄が多かった。
つまり技術的にはプロレベルの高度な作品が、価格破壊の激安で売られているような印象。
その中には、スキルはなさそうでも情熱だけは熱く、インパクトを感じるものもある。
ヘタウマでもない、はっきり言うと「下手な」なイラストなのだが (。。)☆\バキ
なんかホッコリとする絵柄。
そんな漢字の、なんとなく見覚えのある、素朴なタッチの同人誌に、目がとまった。

コミティアへの入場券がわりに一般来場者が購入することになっている(図録ではなく、展示サークル目録のような)カタログの表紙と同じイラストだ。
「重版未定」... と、これもどこかで聞いたことあるような、パクリの匂いのするタイトル。
思わず目線を上に向けると、それを書いた伝説のマイナー編集者・
川崎昌平氏が、売り子として目の前にいた!
この人間動物園の中では、危なげもなく一番目立たないタイプに見えるけれど、この人は10年前に幻冬舎から出た
「ネットカフェ難民」でブレイクしている。
まさに「黒子」としての存在感がシブい漢字のナイスガイでした。
こういう一期一会を大切にしたいと思い、
ほとんど気まぐれに購入してみた。
今回一番高い買い物だったけど、それでも確か千円ぐらいだった(と思う)
こうして後から思うと、「女王様漢字ドリル」のワンコインは、やや高価だったのかも加茂神社(>_<) 帰りのゆりかめの中で「重版未定」をほのぼのと熟読しましたが、同人誌や漫画だけでなく、いわゆる出版文化の歴史や未来を、真面目に考えさせてくれる素晴らしい内容でした。
そして今回最大の収穫が、憧れの漫画家・ちばてつやさんに出会えたこと!
全く偶然の賜物で、たまたまふうこさんのオススメもあって覗いてみたブースのトークショーに出演されていました。
単行本としては18年ぶりの最新作
「ひねもすのたり日記」が発売されたばかり!

もう感激しちゃって舞上がり、サインを頂き、厚かましくもツーショット記念写真まで撮らせて頂き、本当によい思い出になりました〜(>_<)
この出会いのきっかけをくれたふうこさんに感謝です! どうもありがとう!!!
ちばてつやさんは現在、
文星芸術大学で、マンガ専攻学科の教授をされているのです!!
↑ 大ファンだったのに知らなかった〜(>_<) 大学で、アカデミックにマンガを学べるなんて、いい時代ですね・・・
しかも現役の大御所作家から・・・

僕の大学での専攻は「演劇」で、主に映画に焦点をあてていましたが、卒論では漫画も取り上げたんだけど、指導教授にはあまりいい顔されなかった(30年以上も昔の話だから
D・I・S)
かつて僕も漫画家を目指していた思い出があるだけに、あまりにも早くあきらめてしまった自分が口惜しくなったけれど(>_<)、コミティア123に集結した若い人たちの熱意と熱気に勇気づけられました。
1Fの西ホール、ブースアドレス「041a 」で、作家さんも可愛くて、描くイラストも可愛い、コミティアとしてはレアーな?出展「女王様漢字ドリル」をゲット!

僕にしては珍しく著者の承諾を得て、気に入ったページをご紹介! 昨年ヒットした「ナントカ漢字ドリル」をパクっているようでいて、内容はオリジナリティが光る。
真性・素人S女性によるナウい(←もしかして死語?)SM観をベースに、伸びしろのあるイラストが魅力。
ポスト
六反りょうを目指して、幸福なご結婚と、漫画家、イラストレーターとしてのブレイクスルーを願っています。
*ドリルはけっこう難しくて「後悔爺」って、僕のように未練たらしい老いぼれたマゾのコトかいな?と最初はオモタのですが、何か間違ってまスたでしょうか?
■ つげ義春
■ ひさうちみちお

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