
正直に言うなら、本当は見て欲しくない絵なのかもしれない(>_<)
子どもの頃から、ウシロメタイ気持ちでいながら、なおかつ熱烈な視線をそそいできた春川ナミオの顔面騎乗絵図。
20代前半まで、誰かと一緒に見たことも、それについて言葉を交わしたことすらなかった。
こんな絵(ごめんなさい) が好きな僕は異常だ。 そんな自分にも嫌気がさしていた。
しかし、彷徨うようにして春川絵画美術を追い求め、奇譚クラブを初めとするあらゆるSM雑誌を、子どもにしてはかなり大胆に、そして巧妙に、貪るように集めていた。
そして、このような世界が、意外と「適切に」も存在していることを知り、日本近代文学や演劇、海外メディアや西洋美術などにも興味を持つようになっていく。しかし、リアル的には、まだ妄想とも幻想ともつかない時代が長過ぎて、気持ちをもてあます青春時代・・・

大人になったら、いつかSMクラブに逝って、この絵と同じことを
するんだ!
(*「
して頂く」が正しい)
Jr.High School の時にはこの決意をかためていた。
大学に進学して、「さあ、やっとSMクラブに逝けるぞ〜!」と嬉しく思っても、そう簡単に逝く勇気は出てこなかった。
実際のところ、あんなところ(失礼!)に本当に逝っちやったら、どうなるんだろう?
怖い人がいるかもしれないから、なんか武器になるものを持っていったほうがいいのかしら???
今から40年ほど前、SMクラブに初めて逝った時は、もちろん手ぶらでした。
*まぁ、今でこそ、初対面のドミナの時には、花束とか和菓子とか、あれこれお土産持っていくようになったんやけど、僕も年をとったということやね(何故か関西弁)
学生証や多額の現金などの貴重品を、JR山手線・恵比寿駅のコインロッカーに入れて、そこから地下鉄日比谷線で六本木に向ったのを覚えている。
ロッカーの鍵は、靴下の中の足の土踏まずの部分に滑り込ませていた。
( ↑ 当時は素晴らしいアイデアだと思っていた)
SMクラブで、拉致監禁されて身ぐるみはがされても、解放されれば家に帰れる・・・
バカだよね。自分。
SMクラブってところは、それぐらいエタイの知れない、恐ろしい場所の可能性を信じていたわけではないけれど、疑ってはいたのかもしれない。
今から思うと、バカだよね、自分
まぁ、そんなお馬鹿なことはともかくとして、実際にはSMクラブが安全、安心なところで、女王様も、相性の良し悪しはともかくとして、善人ばかりだとわかって来た。
でも、SMプレイ体験としては、
しっくりしないことが多かった。
女王様がどんなにいい人でも、何か違う。
どうも自分の思い描いていたファンタジーが実現されてないんだよなぁ...

いつの頃からだったか、春川ナミオさんのイラストを持参するようになった。
持っては行っても、女王様によっては見せたり、見せないこともあったりした。
どの絵で、どういう見せ方をしたのか?
それは絶対に秘密だが、それ以前に、その絵を持ち歩くこと自体が何だか恐ろしくて...
あの頃は飛行機に乗らないと東京に逝けなかったので、手荷物保安検査で「コレは何だ!」と言われてしまいそうで、それが怖かった。
そこまでいかなくとも、浜松町あたりで警察官に職務質問され逮捕されるんじゃないかとか、本気で思っていた。
ホンットに、バカだった自分。(今もだが)
天国の春川さん、ごめんなさい。
この恥ずかしい秘話は、春川さんにお会いした時に告白して、きちんと謝罪しました。
この時の春川さんの言葉が、今も耳に残っています。
homer:春川さんの絵は一生懸命集めていましたが、持ち歩くのが怖かったんです... 」 春川氏:みんなそんなもんやで。押し入れの奥の方とか厳重にしまっている homer:何だか申しわけない気がして、スミマセン(>_<) 春川氏:まあ、堂々と持ち歩かれても困るしね。こっそり楽しんでくれれば。 春川さんが渾身を込めて描いた作品に対する敬意が足りなかったことを詫びたつもりでしたが、自分だけの宝物にしてくれることが、最大の敬意だと、春川さんはおっしゃっていました。
その頃すでに、インターネットでは春川作品が氾濫しており、ネットは全くなさらかった春川さんですが、複雑なご心境だったようです。
その時は、僕がブログですでに春川さんの作品を紹介しまくっていたことに関して、「お手柔らかにお願いしますよ」と内諾を得たというか、事後承諾を得たように思っています。
春川さんの作品を好きなのは、僕だけだ。 当時は(今もだが)そう思っていた。
そうでないのは明らかで、そのことを嬉しく思っていますが、やっぱりこっそりと鑑賞するのが筋なのだろうとも思うのです。
春川さんはこうもおっしゃっていました。
「万人受けするものを描いてるわけじゃない。本当にわかる人だけがわかるものを」 わかる人だけ。 その「わかる人」の中に、僕は含まれていたのだろうか・・・
含まれていると思いたい。
春川さんはこの日、僕に未発表の原画をプレゼントして下さいました。
この絵はこれまで、一度たりとも、女王様にも、ブログでも紹介しておりません。
自分だけの宝ものとして、死後のコレクションに秘蔵していくつもりです。
春川さんの偉大さ、芸術性、功績を、僕のような者が語ったりするのはおこがましいと、いつも思っているのですが、本当に「わかる人」たちに、春川さんのレジェンドを継承していければと願っております。
僕がそんな余計なことをしなくても、春川さんの魂は、万人ではないにしても、わかってくれる人々に、これからも共有・共感され続けていくことは間違いありません。
春川ナミオさんに花束を!
■ 春川ナミオさんとの思い出!

憧れの巨匠とついにご対面!