
六本木の森美術館で好評開催中の
アンディ・ウォーホル展:永遠の15分を観てきました。
やはり芸術家には変態が多い。いや、変態に芸術的才能が豊かなのかな?
ウォーホルには女装趣味があったらしいが、マゾという説はなかった。
しかし少なくとも彼にはフェチ的な性癖はあったであろうし、マゾであった可能性もおおいに考えられるのです。
それはともかく、僕がこの人について特によく覚えているのはTDKのテレビCFで、当時は彼本来の業績や革新性についてはほとんど知らなかったのに、この映像だけは強く印象に残っている。
今回の展覧会でもそのムービーは上映されていて、とても懐かしかった。

あの頃は様々なジャンルの作家や芸術家、文化人や知識人が同時多発的にウォーホルをもてはやしていました。
僕は芸術家になりたかったのだけれども、なれそうもなかったことをほぼ確信しつつあった頃でもありました。
「フ〜ン、そうなんだ」ぐらいの認識で、
どこがどう凄くて何が偉大なのかきちんと検証することなくミーハー的に好きになっていった。
よく言われているのは、芸術を破壊した芸術家というキャラ。
藝術は誰のものか?
王侯貴族やブルジョワではなく、卑俗なものとして、普通の庶民の生活の中に引きずりおろした功績。
それまで格調が高くて一般大衆には敷居も高かった藝術の世界に、俗っぽい消費文化をブレンドし、現代美術の意味不明さを少しわかりやすくしてくれた人なんだと。それがポップ・アート。
そんなことは知らなくても、ゲージュツをシャラクサイものと感じていた若い頃の僕にとっては、無意識に共感できる確かな存在感があった。
寺山修司がアンディー・ウォーホルを
「作家であるよりはむしろ社会的事件」 と評していたのは、今になってみるとよくわかるような気がする。
ウォーホルの名言
「誰でも15分は世界的な有名人になれる」とは、
無名の一般大衆が表現者、つまりアーティストになれる可能性を示唆し、その先見性は現実に今確認できる。
彼の言葉を借りるまでもなく、21世紀は、
誰でも15分でマゾになれる。
SMは誰のものか?
医者や政治家、会社重役ではなく、ごく普通の変態のもの。
Twitterでカミングアウトし、YouTubeなどに自分のマゾ動画を投稿すればいい。
インターネットの世界では、無名の恥ずかしがり屋さんが、簡単にマゾになれる。
SMクラブ等でのセッションは、最後の15分で、自分は本当にマゾになれたという気がする。
あの15分は永遠だ。

人は誰でもマゾになれることを教えてくれたという点で、アンディー・ウォーホルは真に偉大だった。
盛りだくさんの構成で、貴重な映像のインスタレーションも贅沢なスペースを使って展示されています。
いろいろな意味で感性が刺激される、フェチ系人間には必見の見応えのある展覧会でした。
アンディ・ウォーホル展:永遠の15分【会期】 2014年2月1日(土)~5月6日(火・休)
【開館時間】 10:00~22:00 | 火 10:00~17:00
※2月11日、4月29日、5月6日の火曜日は22:00まで
※4月19日は、「六本木アートナイト 2014」開催に伴い翌朝6:00まで
※いずれも最終入館は30分前まで
※会期中は無休
【会場】 森美術館 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
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