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マゾヒズムに花束を!

恥ずかしくて、ためになる情報発信 Female Domination & BDSM

女王様挫折記 

女王様挫折記

 おそるべき本である。

 サドの小説や澁澤竜彦、そしてブーツなどのファッションとしてのSMっぽさにちょっと興味がある・・・という程度の女子大生が、突然SMクラブの女王様にスカウトされ、なんの経験もなくイキナリ現場で本物のマゾヒストへの調教プレイを体験する。いったんは女王様となった著者は模索し苦悩し、わずか3週間(実質5日間の勤務)で退店するまでを本人が回想する形式のルポルタージュだ。

 わずか40ページ足らずの同人誌系出版物だが、内容はとても濃く深く、SMについて考えなければならない全ての問題が凝縮している。そう思える一冊だった。

 著者は現在はボランティアで人権活動などを行っている40代の女性で、約20年前、つまり彼女が20代の頃、いわゆるバブル時代と呼ばれた時期に、偶然SMクラブの女王様を経験してしまったという経歴を持つMmcさん

 彼女が女王様になって挫折した時代は、そのまま僕のSMクラブのデビュー時期と重なる。

 おそらく僕も20代の頃は「マゾ挫折記」なるものを書けそうな経験をしていたのだろうが、僕はアマチュアのお客として、つまりSMクラブのユーザーの立場であったから挫折してもへこたれない。

 SMプレイにおける成功とは何か?「いい奴隷」とはどういうことかには無頓着に、己の願望しか頭になかったのである。

 どんなに期待が裏切られても、今度こそは (>_<) ! と、

 懲りずにまた行くというようなことを繰り返していた。

 マイノリティーとはいえ、忍耐強いマゾヒストの数の方が女王様よりは圧倒的に多く、SMクラブの世界は常に女王様側の売り手市場。だからこそこの業界は、ナンチャッテ女王様が腰掛け気分でいくら挫折しても成り立ってきたともいえる。

 ただでさえ希少な女王様という職種に、アンポンタン(←もしかして死語?)な女子大生が参入してくるのはむしろ歓迎された時代。

若くて未経験な女王様
ずぶのド素人でも、マゾにとって魅力的であれば、崇拝することはできた


 それにしても「挫折記」というのがユニークである。

 逆に言えば成功のためにはどうすればいいかという記録として貴重だ。今や成功のためのノウハウ本や自己啓発本は巷にあふれているが、挫折の記録というのは滅多なく、ましてやSMクラブ女王様の挫折の記録というのは僕の知る限りこれまでにない。この種の本はおそらくこれが初めてではないだろうか。

 著者はけして軽〜い気持ちで女王様を始めたわけではなかった。

 しかし、やはり認識不足というのか、若気の至りとでも言おうか、キツく言えば

「なめていた」ようなところはあったのかもしれない。

 その後それなりに人生経験を積み、20年後の今、当時の体験を振り返りながら記されたこの一冊には、冷静に、かつユーモアを交えながら、これまでなかなか表出してこなかった密室の舞台裏が記されている。

 女王様目線ながらも謙虚にマゾヒストを見つめ、そして真摯にSMの真実を語っている。

 もっとも鮮やかに描かれるのが、往年のマゾヒスト達の生き生きとした生態だ。

 著者が強く意識しているのは、知識や趣味としてのSMと、本物の性癖や倒錯、そして仕事としてのSMが同じものと言えるのかどうかということだろう。

 好きなことが前提ではあるけれど、ただ好きなだけではプロとして通用しない。

 SMとはそういう世界なのだと著者は理解し、女王様としては「負け組」を自覚してしまったらしい。


この当時、学生出身のプロ女王様としてブレイクしていた秀美女王様
ハイヒール秀美
彼女はM女でスタートしたからだろうか、肝の据わったプレイには目黒時代から定評があった


 よくもわるくもプロとして通用していない「プロ」が、SMの女王様をやっているという現実。彼女たちが一流のプロフェッショナルでなくても、そこそこ満足してしまえるマゾヒストの悲哀。独特に屈折した倒錯感覚により、需要と供給のバランスが維持されてきた世界である。

 僕も新人期の女王様に何度かお相手して頂いたことはあり、泣くに泣けない思い出はある。

 経験のなさゆえに犯す彼女たちの失態や、手際の悪さに大きな絶望感を味わった覚えがあるからか、この本は心に染みると同時に、僕自身の未熟さをもあらためて思い知らされた。
 
 マゾヒストである前に、まず「人として」、他者との関わりにおいてもっと寛容であるべきであったと、今さらながら反省している。( ← もう手遅れだが)

 今でも時折、初々しい女王様に出会うこともあるのだが、マゾヒストなどという厄介な客を相手にする特殊な任務を、まだ型にハマッていないセオリーに忠実に行おうと奮闘している様子には、逆に申し訳ないナぁとも思う。

 そうは言ってもビギナー特有の緊張やプレッシャーで、言葉の呂律が回らない時にはムードぶちこわしで、もうやめたくなってしまうこともしばしば起こる。

 著者もプレイ的なツボを外したり、相手の興を削ぐことを恐れていたことを赤裸々にカミングアウトしている。

 SM的にシラけてしまっても、演技力でカバーできるほどこちらも修行は積んでいない。

 特に言葉責めが好きな僕にとって、「言いまつがい」などは言語道断で、どうしてもテンションが下がってしまうものだ。

この豚やろう!
ただ決め台詞を言えばいいというものではない



 マゾヒストとしてそれが身勝手とか、傲慢であるとは思えない気持ちは少しある。

 SMクラブでのプレイは、自分の妄想に仮託したファンタジーであって、お相手して下さる女王様のリアリティ(リアリズム)の加えられた、ある意味では現実だ。

 妄想そのものが再現されるとは限らないし、むしろそれは不可能に近いことはわかっている。

 若くて未熟な彼女たちのイマイチな部分を、こちらのイマジネーションでフォローしてやらなければならない。

 しかし、それでも困ってしまうのは本当に何もワカッテいないアンポンタンの女王様で、自分の段取りの悪さで時間が押したのに

 「延長してく?」

 などといきなり素に戻って聞いてくるようなセンス(の無さ)には興ざめしたものであった。

ホイチョイプロダクション


 こちらも偉そうに言えるほど経験豊富というワケではないのだが、どうやってこういうアンポンタンな新人の成長を促すことができるのだろうかと、もどかしい思いをしたりした。

 実際に現場で経験を積むしかないような世界であり、女王様がプロ的に何か失敗したとしても、マゾヒストはおとなしいから、それを指摘したり満足できなかったことに対してクレームをつけるようなこともあまりしない。

 本当はどうすればよかったのかわからないまま、新人の女王様はそれなりに経験を重ねて、マゾヒストを誤解して成長していく人も多い。もともと「まっとうな」お仕事ではなく、普通のビジネスみたいに新人教育やプレイ研修といった発想や概念などない世界なのだから、そういうものだとあきらめるしかなかった...

 経験豊富で優秀なマゾヒストであれば、「逆調教」というかたちで女王様を育てるといったことも可能かもしれないが、僕にはそこまでのゆとりや経験はなかった。「毛皮を着たヴィーナス」のセヴェーリンのように、自分好みの女王様を育てるというのは叶わぬ夢。それはマゾヒズムの王道かもしれないが、僕がやるにはおこがましいという気持ちもある。

 世の中に 人を育つる心こそ 我を育つる心なりけれ

 僕は典型的なエゴマゾで内気で(>_<)恥ずかしがり屋さんの(?)仮性マゾだった。



 未熟な自分は、やはり未熟な女王様に対して何もすることができず、だから僕自身も女王様も成長できなかったのかもしれない。ただ僕は、たまたま幸いにもマゾ・ビギナー時代に、老舗SMクラブの流れを受け継ぐ、海千山千のカリスマ、ベテラン女王様のお世話にもなっていた。その奇跡のセッションに満足していたわけでもなかったのだけれど、彼女たちの手練手管を通して、SMプレイの「初期設定」なるものを知った。だからといってすぐプレイに反映できるものでもなく、出来ないことを自覚し、女王様との距離感を図ることの大切さを学んだのみであったのだが、それだけでも大きな収穫であった。

 とにかくSMというのは趣味的世界の延長で、出来る人だけが、出来ることだけをやる

 ハードかソフトかという話ではない。出来そうにないことを、無理してでもやろうとするのがSMでもない。

 定義づけや解釈にあまり意味はないのだが、とにかくSMというものは、

 心の底から本当に好きで、やれる人しかやらなかったのだ。

 面白半分、興味本位でやるなとまでは言わないが、それならばある程度のリスクを覚悟すべきである。

 プレイが上手いと言われるベテランの女王様とでさえ、相性の問題などでうまくいかないこともよくある。

 セッションの結果の良し悪しはオタガイサマなのだ。

 半分は、いや半分以上はこちら側にも責任がある。

 そういうことがわかってくると、良い時もあれば悪い時もあるものだと、納得できる年齢に自分がなっていた。

 SMのセッションは、単なる遊び感覚でやると上手くいかない。

 高度に洗練されたコミュニケーションであり、キワドイ行いのバックグラウンドに、心と心のやりとりがあってこそ、お互いに満足のいくものになる。

 そういうハイレベルのセッションを実現するためには、多くの挫折を経験しなければならないのだろう。

 挫折を経験しなくても成功できる素晴らしい人もいるけれど、多くの凡庸な人にとって、挫折は成功への、少なくとも成長への必要なプロセスだ。

 著者のMmcさんは、やめるのが少し早すぎたような気もする。

ウブで若い女王様

 数年ほど前「この女王様、本当に大丈夫なのかな?」と、心細くなってくるほどウブでフレッシュな新人さんに出会った。あまりにも未熟な女王様に、失望や怒りというよりは、どこか哀れさをも感じていた。

 だがその新人さんは何よりも一生懸命で、ひたむきな努力をしてくれているのがわかったので、我慢しておつきあいしてみようかという気持ちにどうにかなれたのだった。

 ことSMに関してはこだわり度が高く、エゴマゾ度の強かった僕も、年齢的に「寛容」という語彙が身についていた時期でもあったかもしれない。

 現在、その時の新人さんは業界トップレベルの水準にまで達している。おそらくは多くの挫折を経験し、立ち直って、あるいは修羅場をくぐり抜け、一人前になられたのだと推察されるのである。

 本心を言えば、あまり挫折はしたくないし、女王様にもして頂きたくはない。

 自慢ではないが僕は挫折しまくってきた人生を歩んできた。もちろん、挫折を経験したことがない人など、いないだろう。問題は挫折してもへこんだままか、立ち直れるかである。

 もし挫折しても(それが些細なものであっても深刻なものであっても)、それが必然であり自然なことであることを知り、絶望することなく、客観的にとらえれば、余裕とユーモアでクリアできる、と今は思っている。

 こういうことは歳をとらないとわからないのかもしれない。

 著者のMmcさんも、それを20年かけて証明してみせてくれた。

 挫折をネガティヴでなくポジティヴに受け止めることができれば、SMに限らず人生が少しは楽しくなるにちがいない。


女王様挫折記_cover
買ってみたらこんな表紙( ↑ )だった・・ 前の方がよかった(>_<)

 これからSMクラブに行ってみようかというM男はもちろん、
女王様志願者、そして現役の女王様にもおすすめしたい一冊!



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■ 職業に貴賤なし

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■ やっぱり、人はわかりあえない

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(2009/07/16)
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関連記事
[ 2014/12/12 20:51 ] マゾの本棚 | トラックバック(-) | CM(6)
お店って、新人(女王様)に対する研修ないんですか…。

このブログ記事自体が、長年経験からくる深い内容になっていて勉強になります。
理想を追求できるようになるまで大変だったんですね!

そして文からにじみ出る凄味が、本当にSMにこだわりがあることがわかる…記事だと思います。
目覚めたばかりの脳内妄想タイプのみの私には…とても濃ゆいです…。

私はちなみにドラッグはおろかタバコもお酒も習慣の無い、かなり真面目な方ですよ。大丈夫です。(病弱なほうですし)
違法でリアルの逮捕とか…マゾプレイ自分がされるのは嫌です、本気で。
ホント、自分がマゾになるのだけは無理です…グヌヌ。

そういえば…とある心理セラピストのお言葉で…
『【ドM】の人は、《私は人から大切に扱われるのに相応しい人間ではない》というビリーフ(強い思い込み)を持っていて、痛みを与えられると愛にも似た喜びを感じます。なぜなら、自分に痛みを与える相手に対して、かつて子どもの頃に自分に痛みを与えた親とのつながりや懐かしさのようなものを感じるからです。』
『【ドS】の人は、《私は強く生きなければならない》というビリーフを持っていて、人前で涙を見せることや弱音を吐くことが苦手です。子どもの頃からどんなにツライときも我慢して強く生きることを親から要求されてきたため、他人に対しても痛みに耐えることを要求してしまうのです。』(引用終わり)

…というのをネットから拾いましたが…
Homerさん当てはまります?

私は多少当てはまる様な気がします。SMはS側が自らの抑圧した感情をM側に代償発散(悲鳴聞いて)させている行為なのかな~とか感じました。
あるいは、親との関係の再現なのかも?とか…。
自分がなぜこう(変態)なったか…を深く考えてます。そんな師走です。
[ 2014/12/13 01:16 ] [ 編集 ]
これは是非読みたいなー、知ることができてよかった!ありがとう。

ブログ自体もチョー面白かった(←オージーマゾ風)。
[ 2014/12/13 06:54 ] [ 編集 ]
いや、ありがとうございます。早速私も探して読んでみようと思います。
この本の著者は、SMクラブをどのような場所だと捉えていたのでしょうね。商売の場なのか、特殊性癖発散の場なのか。それは、クラブへの関わり方よって見方は変わるのでしょうけど、経営や従業員サイドとお客とでは当然違ってくる。そして、その垣根の高さが小さいほど商売として成功する確率が高くなるのは、どんな業種でも同じでしょう。
SMクラブの場合、そこにSMへの愛と理解という側面が加わるため、経営側と顧客サイドの垣根は最初から低いと思われます。最初から両者がそれらを持っているわけですからね。しかし、垣根が低いゆえにディープになるという側面もあるわけで、そこに著者は挫折を覚えたのでしょうか。
となれば見方を変えれば著者の挫折は、SMクラブへお客が感じる本物度の低さ、所詮はお金払ったからやってもらっているんだという屈折と通ずるものがあるのかもしれません。本性としてSMを理解するからこそ買うという行為に矛盾を感じるお客は、それしかSMに触れる機会が無いとはいえ、どうしても寂しさを覚えてしまうものなのです。
野良マゾの切なさ。そしてその野良を相手に商売をする切なさ、業とする切なさ。それは、SMを理解し、本能として認識するからこそ感じてしまう部分なのかもしれません。
でもスイマセン。私のようなただの変態は、SMにおいては屈折こそすれ挫折は感じたことはないんですけどね。情けない…(笑)
[ 2014/12/13 16:31 ] [ 編集 ]
 おお! 恐れ多いコメントをありがとうございます。

 ゆみこさんが今さらお読みになられるほどの内容ではないような(←シャレでなくてね)気も致しますが、マニアックな意味で「あるある〜」みたいなところがあります。

 普通だったら書きにくいこと、理解してもらえなさそうなコトが、やさしい文体で読みやすく書かれています。先輩女王様のセッションを見て、「自分には無理だ」と著者が気づく時の描写などは文学的でもありました。とても格調高く感動的な表現もある一方で、この著者は脚注など、本文以外にも細かい説明を附したりして、ある種の初級者向けを装いつつ、暗に玄人向けへの「受け」を狙ったような様式が、僕には笑えました。

 きちんと本質をつきながら笑いもとるという高度なプレゼンテーションになっている。
 
 だからノーマルな人にはとっつきにくい世界でも、わりあいナチュラルに入っていけると思う。

 これから体験入店される将来のイカ嬢さん達にはご参考になるかもしれませんね。
[ 2014/12/14 16:23 ] [ 編集 ]
バブル期以前のSMクラブというのは、お店というより個人が趣味的に運営している秘密クラブ的な趣向で市場も狭く、研修のようなシステムは確立していなかったのでしょうね。

 というよりも、研修が必要な人材は参入して来なかったのではないでしょうか。

 今のSMクラブでは、大手で長年続いているような有名店では、セミナーやワークショップ形式の講習会など、新人さんに対するケアーは充実しているようです。SMバーでも縛り方教室みたいなことやってますが、スキルも重要ですが、肝心なのは生身の人間を相手にするという点です。この本の著者も、初回は行き当たりばったりで戸惑っていたようなので、二回目はクラブのオーナーが、所属している先輩女王様と一緒のプレイをアサインし、指導を受けながらのスタイルになっていました。
(その辺のやりとりも面白かったです)
 
 どれほど充実した教育や研修を受けたとしても、実際に現場で本物のマゾと一対一で手探りでプレイすることのハードルの高さは、想像を絶するものがあると思います。下手するとトラウマになりかねない。
 
 例えば、Mmcさんは事前にNGワードに関する説明だけは、移動の車内やプレイルームに行く途中のエレベーターの中で(その程度の軽いレクチャーだけというのが恐ろしいが)受けていたのですが、いざ本番となると緊張で舞い上がってしまい、「〜だけはお許し下さい」というのを、おねだりなのかNGなのかわからなくなって混乱してしまったようです。

 そのNG行為が、身体を傷つけたり怪我のおそれがあるような場合はかなり危険なことになりかねませんから、ここは注意が必要な部分で、プライベートや遊びでSMプレイをやる場合にも、パートナーとはきちんと取り決めしておく必要があります。

 SMバーでも「体験入店」みたいな呼び方で、本採用の前にちょっと様子見程度に「接客」のオリエンテーションを行うところもあります。SMバーであれば一人になることはないし、おふざけ程度にバラ鞭を打ったりするのは軽い気持ちで出来ても、密室で初対面の、本物の変態を一人で相手にするとなると相当勇気がいると思うし、それを腰掛けでも「やってみよう!」と思える根性自体は評価したいです。

 マゾヒズムは心理学的にはコンプレックスとの関連でよく語られます。

 責め側の女王様には、そういう知識や「気づき」が求められるケースもあるでしょう。

「人から大切に扱われるのに相応しい人間ではない」と思ってしまうのは、幼少期に受けた何らかの(虐待とか)トラウマが原因の場合もあると思いますが、僕の場合は当てはまらないと思います。

 実際、虐待を受けた経験はありませんし、イジメの経験(したこともされたことも)ない。

 ごく平凡で、気恥ずかしいほど幸福な子ども時代でした。

 ただ、父が母を虐待とまではいかないにしても、傍若無人に振る舞って泣かすような光景を幼い頃に何度か見た記憶があります。それが僕のマゾヒズムの遠因とも思っていませんが、もしかしたら関連性はあったのかもしれない。

 人間の心の奥の底のことはわかりません。

 心の奥でなくても、自分のことが一番わからない。

 好きな人から愛されたいとは思うのに、軽蔑されたり、虐められてみたいとも思う。

 こんなに矛盾だらけなのに、どうして普段は平気で生きていけるのか、不思議だと思う。

 性的には、「口に出すのも汚らわしい」ヘンテコな願望や妄想もある。

 でも、それらは、自分にとって「なくてはならないもの」なんです。

 僕も今のふうこさんのように、「僕って何?」みたいな模索の時代がありました。

 30代の頃はやたら難しい本を読んで、自分のマゾヒズムの根源を探ろうとしていました。
 
 そして、客観的事実としてのマゾヒズムの歴史を知りたいと思って、いろいろ勉強しているうちに、時が流れ、あるがままの自分を受け入れるしかないんじゃないか、と思うようになりました。

  ( ↑ 面倒くさくなって、放置しただけかもしれないが・・・

 そんな気分になっているうちに、気がついたら、こんなブログを開きなおって始めていた。

 僕と似たような人がたくさんいることを知り、勇気づけられましたし、さらに開き直って好き勝手にいろいろ書いております。

 まあ、それほど根拠や信頼性のあることを書いているわけではありませんので、真に受けないようお願いします。

[ 2014/12/14 16:29 ] [ 編集 ]
おお! イトーさん、深いイ〜いコメントありがとうございます。

 イトーさんは経営側と顧客サイドの垣根の高低にはお構いなしに、ご自身の涙ぐましい努力と、並外れた才覚によって、高品質な「羞恥」を買っていらっしゃることはよく存じ上げております。

 ただ僕は、どう言っていいのかよくわからないのですが、支払っただけの対価を求める感覚でSMクラブに行くのは、少し違うのではないかとも思うのです。

(SMイベントで切り売りしているような鞭一発500円とかはジョークとしても)

 そういう人がいてもいいし、否定するつもりはありませんが、そもそもこの世界は商品自体が曖昧ですし、その品質となると、どうお値段をつけていいのかわかりません。

 著者はそのことに気づいたのでしょう。
 
 僕は、あえて甘っちょろいことを言うと「夢」を買っているようなところがありますね。

 夢を「妄想」とか、「ファンタジー」に置き換えてもいいけれど、それらをポジティブに共有してくれる人と過ごす「時間」を買っているような気がする。

 そんなもの売れる人なんて、いませんよ。

 もちろんプロとしての義務というか、顧客に対する誠意はあってしかるべきでしょうが、例えば業務約款に「ヌキ」を明記されても逆に萎える(笑)

 SMに対する偏見や蔑視もない著者が限界を感じたのは、(直接は書いていませんが)この部分なのではないかな、と思っています。(深読みのしすぎかもしれない)

 ぜひイトーさんの読後の感想をお聞きしたいです。ネットで300円ぐらいですぐ買えます!


[ 2014/12/14 17:57 ] [ 編集 ]
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