
行為や願望としての歴史はかなり古いとされる顔面騎乗のルーツは定かではない。
しかしネーミングがあまりにも優れていたため、戦後一気に普及したようだ。ではこの名称はいつ頃から使われ始めたのか?
僕の知る限りの通説では、フェムドム史上この名称が初めて登場するのは 1960年の
奇譚クラブだ。
10月号に田沼醜男という読者からの「マゾヒズム天国」という投稿小説が掲載されており、この作品に「顔面騎乗」という言葉が使用されている。田沼氏本人の弁によれば、それ以前のメディアにはこの言葉は見あたらず、自分が顔面騎乗の名づけ親だと宣言している。
しかし名前がついたからといって「現代用語の基礎知識」に載るほどウケたわけでもない。
今でこそこの言葉は、FemdomやSMばかりでなくフェチ系、痴女もの、そして一般のアダルトビデオ業界にまで浸透した巨大カテゴリーと化したが、この当時はまだ口にだすのもオゾマしいイメージといった感じのお言葉だった。
おそらく行為としては戦前からあったのだろう。
「顔面椅子」「人間座ぶとん」などの呼び名でクンニの変化形、応用系として、ノーマルなカップルのちょっとアブノーマルな性の前戯として行われていた。
図柄的なインパクトもあり、いつしかSM系アダルトビデオのモチーフとしても小さなポジションを獲得する。
しかし、まだ「顔面騎乗」という、そのものズバリ的な表現は普及しなかった。
妖美マゾビデオ
顔面アッパク120分 このビデオもかなり初期のもので、おそらく80年代後半頃の作品と思われる。ダイジェスト版としてリメイクされたのが90年代にはいってからだったのかもしれない。
パッケージにも使用されている春川ナミオのイラストのイメージが、顔面騎乗の代名詞として定着した。
ごくマニアの間でささやかれる「顔面騎乗」というフレーズは、マゾヒストにとって甘美なる響きをもって受け入れられるようになっていく。
男性マゾヒズム願望の基本中の基本である顔面騎乗。
Mビデオの主要テーマとして採用されるのはごく自然な流れであった。
「顔面を尻で圧迫され舌奉仕を強要されながら至福の時をじっくり味わう男達の記録...」パッケージのコピーどおりの作品。顔面騎乗にも実に様々なこだわりの世界がある。個々の作品にはそれなりの設定やストーリーがあり、全容はわからないが、世の中には本当にいろいろなニーズがあるなというようなことをあらためて、そしてまじめに認識させてくれる珠玉の佳作である。
この中で印象に残っているのは、上半身だけセーラー服姿の女子高生(には見えないけど)2人が、それぞれ男の顔にまたがりながらレズるという、当時としては斬新な設定でもの凄く興奮したのを覚えている。
【懐かしのM男ビデオ】

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