そして男は軍神となり、奴隷となった

映画「キャタピラーCATERPILLAR」 最近の大学生の中には、
「日本がアメリカと戦争していたなんて、知りませんでした。ビックリです〜!」
という輩もいると知り、
この発言こそまさにビックリ! なのですが、
戦争の悲惨さや狂気を知らない世代が増え「あの記憶」は風化しつつあるようです。
それは平和な時代が長く続いた恩恵でもあり、喜ばしいと言えなくもないのかもしれないけれど、後の世代に正しい情報をきちんと伝えていくのは意外に難しいことなのかもしれません。
戦前から終戦の直前まで、高度な教育を受けていた知識人に言論の自由はなく、当時はやむを得なかったとはいえ、国のプロパガンダに嘘で貢献し、彼らには真実が判っていても言わなかった(言えなかった)
戦後の風俗雑誌には、そうした有名無名の知識人たちによる、抑圧から解放された真の言説が花開いていたように感じます。しかし、読む人の数は限定されていた。
「奇憚クラブ」にはしばしば、戦争とマゾヒズムに関する記事がみられました。

この雑誌の編集者自身が帰還兵であったことも影響していたのだと思われます。
心理的トラウマが原因の病的なマゾヒズムと、変態趣味的なそれとは別物かもしれない。
しかし、戦後70年を迎える今年、じっくりと己の胸に問うてみたいのは、
平和な時代を生きてこられた人生に、感謝せねばなるまい ということです。
戦後生まれの僕ですが、戦前に生まれながらも幸いにして生き残った両親から生を授かった僕も、ラッキーだったと言えます。
祖父母などからリアルな体験談を聞いたことがあるとはいえ、僕にとってそれは遠い記憶の声でした。
僕は語り部になれるほど戦争を知らない。
身近な語り部の生々しい証言よりも、映画や漫画のほうにインパクトを感じていた。

平和ボケした、
「まったり」ジャパンで、
のほほんと享楽的にSMプレイなどで遊んできた僕に、風化どころか「あの記憶」の痕跡すらない若者についてとやかく言える資格はない。
むしろ、
軽はずみな気持で語るべきではないとも感じていた。
しかし8月6日や15日を何の日か知らないような人たちが増えている事実には、本来は語り部たるべき僕たちの世代の無責任さを恥じるべきかもしれない。
おこがましいのを承知で、今の若い人たちに言ってみたいことの一つは、真実が伝わるような芸術や文化に親しみ、なるべく
心の栄養をつけて頂きたいということです。 そういうのは、若い時にしか出来ません。

若者も含めた世の人々が、一般常識レベルの歴史的事実や、歴史認識などを知っているという前提で、これまでにも、文芸や絵画、映画など様々なジャンルで戦争をテーマにした作品が発表されてきた。
ピカソの「ゲルニカ」のように、戦争そのものが偉大な芸術作品を創出することもあります。

個人的には正直、僕のような年齢になってくると、そういうのはもう見たくも知りたくもないとも感じる。
悲しくなるから。
偽善的にこんなことを書いている僕は卑怯者だと思う。

数年前に、それこそ
軽い気持で反戦デモに参加したことがありますが、あの時は少し後悔した。こういうことがやれるほど、自分はちゃんとしてるのか?
しかし、たとえエンターテインメントやレクリエーションとしてでも、少なくと参加することに意義はあったのだと今は感じています。
大げさに言えば「世界平和」などとか、何かそういうもののために、もし自分に何かできることがあるとすれば、自分自身の生き方や生活、健康を充実させ、心の栄養をつけることの方が先なのではないか、とも思うのです。
その一方で、僕はこうも考えています。
戦争の恐ろしい面を伝えていくのは大切ではあるけれども、人々の心を平和にするような、
笑えたり、癒されたり、ちょっと恥ずかしい気持になったり・・・
性的に興奮するようなエロティシズム など等・・・
多様性のある豊かな表現活動や作品を知ることも、大切なのではないか。
そして、恥ずかしい気持ちを抑えつつSMプレイに興じるのも、長い目で見るなら世界平和に貢献するのだと。
全ての女性がM男に顔面騎乗をしてくれるなら、きっと戦争はなくなると信じています。
そういうわけで、戦後70年のマゾヒズムに敬意を表し、来週は
春川ナミオ展にでも足を運んでみようか・・・

暑い日が連日続いていますが、女性のひんやりしたお尻で涼をとりたいものです。■ 戦争と平和とSMと
毎年この時期だけ戦争とか平和について考えているような気がする・・・■ 往きて還らず■ 戦争と平和■ 終戦記念日■ 終戦記念日・・・ねぇ
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もちろん戦後生まれの私たちですが、それでも子どもの頃は、戦争というのはごく近い過去の事実でした。でも、今の若い人たちにとっては、太平洋戦争なんて戊辰戦争や戦国合戦と同じように、ただの歴史で習う事柄なのかなあなんて思います。
男性は、女性を獲得するために争うようにできている生き物、やはり本質的に闘争的です。だから
>全ての女性がM男に顔面騎乗をしてくれるなら、きっと戦争はなくなると信じています。
これは案外真実かもしれませんね。