「Cavalry Charge」という女王様騎馬戦動画がリリースされました。

「Cavalry」とは英検準1級レベルの難しい単語で、「騎兵(隊)、騎馬隊」という意味。Charge は「攻撃」なので、
Cavalr Charge で「騎馬戦」です。
競技としての騎馬戦のルーツは明治時代、新しい民主主義の普及促進のため、全国の学校で運動競技会を開くようにという指導が国から発せられ、当時自由民権運動の壮士たちが始めた政権争奪騎馬戦なるものがその起源なのだそうです。
「スポーツとは何か」(玉木正之著書・講談社現代新書) そんな歴史的・思想的背景はどうでもよくて、騎馬戦と言えば昔、懐かしの昭和のテレビ番組に「芸能人水泳大会〜」なんたらカンタラというのに必ず登場してました。水着姿のアイドルの太ももが、騎馬役の男達に股がっているシーンの強烈な印象が思い出されます。
これは特にSM趣味を持たない一般の人々にもウケ、独特の市場を開発したのですが、もちろん純粋マゾヒズム的な共感をも呼び興したのは言うまでもありません。
明治政府の思惑とは別に、太ももフェチやSMのDNAが騎馬戦文化によって拡散したと言えるでしょう。
このムービーは、ユリイカのゆみこさんがプロデュースしたもので、ハイクオリティな映像センスがとても素晴らしい!
これといって特にイヤラシい場面はないのに、
なぜか興奮します。
僕はいわゆる「馬派マゾ」と言えるほどのものではないけれど、お馬さんごっこは大好きで、馬系マゾヒズムを心情的には理解しているつもりではいる。
あくまでも「つもり」で、馬之介さんほど気合いや覚悟はないと思いますが・・・(>_<)
実際にやるかやらないかは別にして、この「心情的に理解」している度合いが重要であり、それによって映像の見方(そして制作の仕方)が決まるのだと思われます。
妙な比較になりますが、ヤプーズの映像のように、やはり「わかっている人」が創り出すものは、狭いマーケット内の「わかっている人たち」への共感度も強くなる。
しかしこの女王様騎馬戦動画は、馬派マゾだけやマニア向けの閉じた作品ではない。

SMやポニープレイへの理解はなくとも、健全に楽しめる普遍的な価値が見受けられます。
つまり、昔見たアイドルの水着騎馬戦シーンで感じた「あの感覚」が熱く蘇えり、ごくごくノーマルな興奮度の方が高いように感じるわけです。
もちろんコンセプトやコスチュームはもろにSMそのものでありネライは明らかです。
しかし、いわば万人向けのフェティッシュ・ムービーとして仕上がっており、洗練された撮影と玄人肌の編集スキルによってそういう俗っぽい目線が排除されるのでしょう。
二人の女王様の、その演技なのか地なのかよくわからないオーラも見逃すことのできない魅力ですが、僕は個人的にレフリー(行司?)役の馬男氏がお気に入りです。

本来、いてもいなくても、どうでもいいようなキャラクター設定であるにもかかわらず、彼が配置されていることで演劇的異化効果が高まり、作品世界に奥行きが出るのです。

目の動きがいい仕事しています。それを捉える撮影・編集も見事!

バトルが始まると彼の動きはちゃらい!その素人っぽさが胸キュンものではある(>_<) 最初に絵コンテがあったのかどうか知りませんが(おそらくない?)
計算されつくしたカット割りには
魂を揺さぶられました。 僕の想像では、わりと行き当たりばったりに撮影されたのではないかと思われるのに、結果的にそうは思わせない構成力が秀逸!
制作でクレジットされている
kraken(クラーケン)というのは、ユリイカの周年祭イベントなどの背後や水面下で活躍する人材を中心としたユニットで、キャストもスタッフも、知る人ぞ知る一流どころです。
これほど高品質な騎馬戦動画を見ると、ポニープレイやフェティッシュ騎馬戦も、オリンピックの正式競技に追加される可能性を感じずにはいられません。
ユリイカでお馬さんごっこをしてくれたゆみこさん

彼女はお馬さんごっこの心情を理解されています。
追記:同じコンテンツを、別の視点で書かれたレビュー記事がアップされました!
Whipping Mistress (コメント欄にはゆみこ監督自らの撮影秘話などが寄せられております)
顔面騎乗をオリンピックの正式種目に!
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直接のエロやアダルト表現が前提になくても、たまにドキっとするハプニングなんかもあったりして、家族(小さな子供も)が見るゴールデンタイムに、今ならかなり刺激的な内容でしたよね。
騎馬戦は運動会でもやるし、健全なスポーツの体ではありますが、私にとってはいやらしいものでしかなかったのー。
男性タレントで組んだ馬達は、かわいくて綺麗な、みんなの憧れの人気アイドルの太ももや尻をドンと肩に乗せてる訳だから、視聴者からみたらドキドキするしオイシイはずなんだけど、実際は重いし水中は動きずらいし、騎手は必死で無遠慮に上で踏ん張るし落としちゃいけない負けちゃいけないで、かなり過酷なはずで。
…でも辛いけどやっぱりちょっとオイシイし張り切れそう、勝ったら女神も喜ぶし、なんか俺も嬉しいし頑張ろうかな〜、みたいな構図が、「なんだコレは」「ふーん、男はこゆ事で頑張るんだな面白い」「私も早く大人になって男を尻に敷きたいな」と子供の頃に思って見てました。
クラーケンはSMプレイ動画ではなく、普通に見て楽しいもの、面白くて笑えるもの、かっこよくて清々しいもの、或いはムードがあるものが作りたいのですが、そこにフェティッシュな要素は入れていきたいと思っていて、「騎馬戦」は私にとっては(たとえボンデージスタイルじゃなくても)その両方が入ってるものだったから、撮影できて楽しかったし満足しましたー( ´ ▽ ` )ノ
「青空の下、普通に騎馬戦やろう!ただしボンデージで!」と言って、賛同してくれた人達がいなければ作れなかったので、めちゃくちゃ嬉しい。
ホーマーが言うように、現場に絵コンテはなかったですし、撮影もその場のノリや思いつき、周りの様子を見ながら行き当たりバッタリな部分もありましたが、私の中では最初からキャストの皆さんがどうリアクションするかも予想立てていたし、撮りたい画と構成は全部決まってました(事情により撮りこぼした画もあるのですがーーー)。
鋭い分析感想、ありがとうです。