先日のエントリーにゆみこさんからコメントを頂きました。どうもありがとうございます。
12周年記念冊子は、ユリイカのお客さんや関係者のみならず、お店のことを全然知らない人や、ほんの少しだけ知っている人(まさに僕がそうなのですが)も含め、誰もが気軽に手に取って、ホッコリと眺めることのできる
「かわいい」冊子だと思います。そういうことをお伝えしたかっただけで、一部の方に誤解を与えたかもしれませんが、冊子のアートデザインについても、岡田安史氏の素晴らしい仕事に感動しています。
デザインというのも、様々なメッセージを伝達するもので、人によって受けとめ方も様々です。たまたま岡田さんとお話したこともあって、個人的な「花椿」への思い入れから、ちょっと悪ふざけが過ぎたかもしれません。すみませんでした。
ゆみこさんからのコメント:「花椿は私も好きでしたが、ごめんな
今回、岡っちも私も花椿を参考にはしてないし、
花椿の話も一切してないよ〜。笑 」
その数分後、ゆみこさんのTwitterより:
我々人間ってのは自分の楽しいように、
見たいように、思うようにしか解釈しない生き物だけど、
特にマゾのその力は常に強いよね。
時々、客観性皆無の妄想力に「は?なんで?」ってなるけど、
そこも含め、まぁかわいい生き物だよね。
ゆみこさんって、大人なんですネ・・・ 主観的妄想力。 マゾヒズムの原点はこれではないだろうか。いや、全ての変態ファンタジーは妄想を膨らませていくものなのでしょう。
しかし妄想が生まれるまでには、客観的な事実と経験も影響する。
紙媒体としては最後の「花椿」となった昨年の12月号に、最果タヒさんの現代詩「きみはかわいい」が掲載されています。これは昨年発行された詩集から最優秀作を選ぶ第33回現代詩花椿賞(資生堂主催)を受賞した
『死んでしまう系のぼくらに』に載っている作品。
「恋愛」「幸福」「孤独」そして、「死」が主なモチーフとなっているようです。
読む人の感性によっては、SMともリンクするように感じられた。
読んでいくと、こんなフレーズがあります。
「女の子は悪魔だと思うし、だから死ねって言われたい」 ここは僕の心に刺さりました。もうこうなると客観的には読めなくなる。
「100の質問」を考えていた時に、たまたまこの詩を読んだ。
だから どうした?っていうお話になってしまいますが、
人との出会いと同じで、映画や文学、美術やイベントなど、それが心に刺さる時、それも一期一会なのだと思う。
化粧品なんか買わないのに、どんなご縁で「花椿」と出会ったのだろうか?
どんなご縁で、よく知りもしない女王様に100の質問をしているのだろう?
どんなご縁で、今、僕はここにいるのか。
こういうヒマなことを考えたり、そして己を見つめ直す時が僕にとって癒しの時間で、最終的にはいつも以下の3つの問いかけをしています。
宇宙の果てには何があるんだろう? 人は死んだら、どうなっちゃうんだろう? どうして、僕はマゾで変態なんだろう? 詩はほとんど書きませんが、考えていることがいつの間にかへたくそな詩になってたりする。
どうでもいいか、そんなコト(>_<)
詩「きみはかわいい」(作・最果タヒ) みんな知らないと思うけれど、なんかある程度高いビルには、屋上に常時ついている赤いランプがあるのね。それは、すべてのひとが残業を終えた時間になっても灯り続けていて、たくさんのビルがどこまでも立ち並ぶ東京でだけは、すごい深い時間、赤い光ばかりがぽつぽつと広がる地平線が見られるの。
東京ではお元気にされていますか。しんだり、くるしんだりするひとは、君の家の外ではたくさんおきるだろうけれど、きみだけにはそれが起きなければいいと思っています。ゆめとか希望とかそういう、きみが子供の頃テレビからもらった概念は、まだだいじにしまっていますか。それよりもっと大事なものがあったはずなのにと、貧乏な部屋の中で古いこわれかけのこたつにもぐって、雪のニュースを見ながら考えてはいませんか。
きみが無駄なことをしていること。
きみがきっと希望を見失うこと。
そんなことはわかりきっていて、きみは愛を手に入れる為に、故郷に帰るかもしれないし、それを、だれも待ち望んですらいないかもしれない。朝日があがってくることだけが、ある日きみにとって唯一の希望になるかもしれず、死にたいと思うのも、当たり前なのかもしれませんね。
当たり前なのかもしれません。
しにたくなること、夢を失うこと、希望を失うこと、みんな死ねっておもうこと、好きな子がこっちを向いてくれないことが、彼女の不誠実さゆえだとしか思えないこと。当たり前なのかもしれない。
きみはそれでもかわいい。にんげん。生きていて、テレビの影響だったとしても、夢を見つけたり、失ったりしていて。
きみはそれでもかわいい。
とうきょうのまちでは赤色がつらなるだけの夜景が見られるそうです。まだ見ていないなら夜更かしをして、オフィスの多い港区とかに行ってみてください。赤い夜景、それは故郷では見られないもの。それを目に焼き付けること、それが、きみがもしかしたら東京に、引っ越してきた理由なのかもしれない。
- 関連記事
-