
マゾヒストが、理想的な女王様に出会ったとしても、マゾ夫になれるとは限りません。
崇拝しすぎて、
もう結婚するしかない〜っ(>_<) てなほど好きになったとしても、現実的には
SM関係を夫婦間に持ち込みたくない と願う諸兄もいらっしゃるのかと。

どんなにマゾ夫になりたくても、夫の倒錯的性癖を認めてくれて、なおかつ敬意を持ちながら愛し、夫婦仲を継続できるS妻を見つけるのが至難の技だと思います。
幸いにも相思相愛で結婚できたとしても、旦那さんがキモいM男とバレたら即離婚のリスク。
よくて軽蔑され、別居。
それを恐れるからこそ、M男は夜の生活で自らの性癖を隠し、SMクラブへと足を運ぶ。
やはり、月に1回ぐらいのSMプレイが関の山かも・・・

まっとうな日常生活は維持しつつも、変態という非日常的な生活は外の別世界で過ごす。
これが健全な紳士の営みとされてきました。
亭主は元気でも、臆病で恥ずかしがり屋さんのマゾだったのです。
そうではなく、夫婦間できちんとカミングアウトし、日常生活でも「女王様と奴隷」の関係を見事に実現されているのが、
「ちょっぴりFemdom?」の
kaisubさんです。
「ちょっぴり」と銘打つだけあり、
Kai氏を「ドエム」と呼んでしまうのには抵抗があるのですが、翻訳されている海外のFemdomトピックからは、彼の心の奥底に潜むディープなマゾヒズム願望が垣間見えます。
昔から「亭マゾ」であったKaiさんが、なんと
以前僕がこのブログで紹介した
「亭主元気でマゾがいい!」を読まれたそうで、
その所感がBlogで述べられておりますので、ぜひご覧下さい。

すでに長年に渡り「元気で健全なマゾ夫」を実践されてきたKai氏とっても、このコミックは衝撃的だったようで、大先輩ならではのコメントが興味深く印象的でした。
今もまだそうだと思いますけれど、こういう話は日常的にはタブー視されてきた。
ところが、「健全な夫婦生活をSM的に実践する」という逆向きの発想が「亭主元気でマゾがいい」で示され、そしてヒットしました。
これは作品内容が衝撃的だったのではなく、
ヒットしたという事実がたいへん画期的 だったのではなかろうかと思います。
もちろん、いいものがヒットするとは限らない。
よくもわるくもそれは、大衆が無意識に嗅ぎ分けた価値観であり、「亭マゾ」で示されたライフスタイルが大々的に認めらたということです。
マイノリティの権利や価値観を見直す動向が顕著になりつつある現代社会において、同性婚やこういうカップルの存在意義も見直されていく。
子育て中の現役ミストレスも、肩身の狭い思いをしなくてもいい世の中がやってくる。
学校で子どもたちが、「僕のパパはマゾで、お母さんが女王様なんだよ〜!」と大きな声で言える。
「僕の将来の夢は、パパみたいないいマゾになることです!」 こんなことが宣言できる時代が来るかもしれません。
↑ こないから マゾやM男が、素敵な女性と結婚を前提にお付き合いする前に、Femdom関係を前提に主従(恋愛?)関係を結ぶ。
そして世界の中心でマゾを叫ぶ。
マゾを隠すのでなく、
マゾがマゾでいられることで女王様から好かれ、人々からも理解される社会がくるといいネ!
*ネット版「亭主元気でマゾがいい!」は今年6月で最終回となりました。次回作に期待しております。

【関連エントリー】
■ 女王様の亭主になりたい
■「M男に市民権を与えるコミック・亭マゾ」
【このマンガがスゴい!】
〜SMを考察するきっかけとなる過去の作品〜奥さんを女王様にして家庭内のSMプレイが描かれた古き良き時代のコミック作品
↓

Sweet Marriage(甘い結婚)
1993年に発行されていたマニア向けマイナーSM雑誌「Queens Express vol.3」山岸 凉子「天人唐草」

おすすめ度 ★★★☆☆
SMおとぎ話


【この記事を読んだ人は、以下の過去記事をまだ読んでいないかもしれません】




C級さらりーまん講座 by 山科けいすけ

初対面の相手がSかMかを見分ける方法
「気まぐれコンセプト」ホイチョイプロダクションズ ⓒ小学館

- 関連記事
-
その女性自身が、誰よりも、普通の女性ではない趣向を感じているようです。
結婚してもSでしょうが、SはMの演技をしても、やはりSでしょう?
それでは、男性はMであるといっても、
すべてのクラブに通う男性でさえも、
結婚生活にまで、M男でいることは難しいと考えるのでしょう?
子供の前や、他人の前でも奴隷になれるM男性は少ないでしょう?
ただ、瞑想や小説の世界では、出来ないから夫婦の間の奴隷関係が受けるのは、
不倫の世界とも似ています。
現実ならば、身の破滅だからこそ、
真性Mならば、憧れますが、女性の意見も聞いてみたいですね