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マゾヒズムに花束を!

恥ずかしくて、ためになる情報発信 Female Domination & BDSM

山田詠美「賢者の愛」のテレビドラマ化 

賢者の愛

 早くも今週末にオン・エアーされるそうで、楽しみ... ん〜でもないかナ。

 8月20日(土) WOWOWプレミアム 夜10時スタート

 毎度のことながら、原作を読んでから、その映像化されたものを観る時、ガッカリした経験が何度もあるからか、そう簡単に期待は出来なさそう。

 若い頃観た映画「痴人の愛」で、文芸作品の映画版は観るもんじゃなナいと思いました。

痴人の愛チラシ


 先に映画で観た「春琴抄」には感動したのに...(>_<) 山口百恵に (。。)☆\バキ

春琴抄


 しかし今回の場合は、

  原作には、それほど思い入れがない

 だけに、逆向きの期待は持てるのかもしれない。


 山田詠美の文体には、デビュー当初からも感じていた独特のテンポがあり、ついていくのがややシンドイなと昔から思っていました。のんびり屋の僕は、いつだってどの現代小説にもノリ遅れていたように思う。

 女王様やS女性には、テキパキとしたスピード感がよく似合う。

 少しのろまなマゾが必死についていく構図が萌えるのです。

 僕は年のせいか、最近何だか動きも感覚もとろくなってきました(>_<)

 大正時代のまったりした雰囲気(そんなのよく知らないけど)が身体に馴染む気がする。

 それはともかく、人間関係、特に男女関係というのはリズム感も重要だと思う(これをもしかして「バイブス」とも言うのかも?)

ゆ@様ツイート


 リズムが合えば調和し、美しいハーモニーを奏でる。

 回りにいる全ての聴衆が、それを心地よいと感じるかどうかは別問題なのですが。

 このリズム関係は恋人同士だけでなく、家族や親子、同性愛やSMの主従関係にも当てはまる。

 谷崎潤一郎の「痴人の愛」は、近代日本文学の古典的な位置づけとして僕は十代後半で読みました。内容云々の前に、自分のリズムで心地よく読めた作品として青春の思い出に残っています。

 「賢者の愛」はスマホ世代の若い人たちにはマイペースで読めるんじゃないかと思う。

 しかし、エヴァンゲリオンにあまり馴染みのない僕が「シンゴジラ」を観てシラケるのと同じような(ちょっと違うか?)違和感を、「賢者の愛」には抱きました。 

 この小説は「痴人の愛」への意趣返しというアイデアが面白く、山田詠美は谷崎潤一郎に喧嘩を売るつもりで書いたとどこかで言ってました。それはわかるけど、谷崎の(「痴人の愛」の)愛読者にもいちゃもんつけているような、そういう野心も見える。そこを理解して読むと、「じゃ、受けて立とうじゃないか」と、楽しめる作品にはなります。

賢者の愛

 山田詠美は大正時代の耽美主義を使って、現代風の官能小説を書こうとしているのです。

 ただ、新感覚の官能小説としてはまともすぎて、僕のリズムと合わずスムーズに入っていけなかった。

 僕は稲垣足穂とか夢野久作みたいな、あるいは沼正三といった、頭はいいハズなのに、

 頭がどうかしているとしか思えない

 まともではない作家の文章が大好きなので(>_<)

 山田詠美はそういう意味で、まともな作家です。

 この作品は、昨年が谷崎の没後50年で、今年が生誕130年ということで、それに合わせて(あえてケンカを売るような言い方をすると)営業的に執筆しただけというような気もしました。テレビ番組化が早かったのはそういうタイミングもあるのでしょう。

 谷崎のフンドシはいて相撲をとるみたいな。谷崎は山田のパンティーをはきたい(イヤ頭にかぶりたい?)かもですが、いずれにしても冥途で喜んでいると思われます。


 優れた原作の漫画化や舞台化、映像化作品への思い入れに腰が引けてしまうのは、高齢化による頑固なコダワリのせいかもしれない。

 この種の類いで稀に感動することも時にはあるにはある。

 数年前に舞台で観た演劇「沼正三/家畜人ヤプー」 がそれ。

 これは厳密に原作の舞台化ではなかったけれど、ものすご〜くよかったので感想をブログに書いておきました。

 家畜人ヤプーについては最近、官能劇画作家の三条友美氏によるREBOOTが話題になっています。
家畜人ヤプー


 いわゆるマゾヒズム文学がこのように注目されてしまうことに、素直に喜べないというか、なんとはなしに恥ずかしいように思うのは僕だけなんだろうか。

 昨年の「歴史秘話ヒストリア」中で放映された「痴人の愛」もよかったんだけど、NHKがこれやるっちゅうところに赤面してしまう(>_<)

あなたはボクの女神様_1

 もう一つ、谷崎作品の映像化で成功している例が「富美子の足」

富美子の足バナー

 耽美主義的な世界を映像化するのは難しい。それは一人ひとりの心象風景で皆違うものだから。

 マゾヒズムはそのコンテンツの一つです。


 僕は最初、山田詠美は男性マゾヒズムのなんたるかをわかってない!と思っていました。

 しかし、それは彼女だけでなく、僕自身も含めてみんなわかっていないし、わかったような顔をして好き勝手なことを言ってるにすぎないのです。


 だからこれは僕だけの独特の感じ方かもしれないのだけれど、谷崎文学のマゾヒズムは純愛であって控えめで、

 山田詠美のように強欲で激しいタイプとは真逆

  な感じがする。

 さらに言うなら、谷崎が純粋女性崇拝賛美論者で、山田は不純男性蔑視路線で書く。

 「賢者の愛」はマゾヒズム文学とは言えないし、まっとうな小説だから仕方ないのですが、老いぼれたおじさんの脳内には、ドーパミンがもうそれほど分泌されない。

 プラトニック・ラブで、告白も出来ないような女性に対して、お馬さんごっこや顔面騎乗を望む精神構造は、病んでいるのか認知症なのか、わけがわからない。

 谷崎も山田も時空を越えてある一つのテーマを共有しているようには思いました。

 それは「愚かな賢者」、あるいは「賢い愚か者」を描こうとしているのだ...と。

 愛だ欲だとゆう場合、きれいごとは言ってられない。

 醜いものを美しく。

 谷崎はそれを男性のマゾヒズムに、山田は女性のS性に托して描いた。

 どうでもいいか、そんなコト。


 せっかくドラマ映像化されることを知らせてくれた親切な読者の方に、なんだか申し訳ないような記事になってしまいましたが、何か問題ありましたでしょうか... (>_<)





【関連エントリー】

■ ひざまずいて足をお舐め(日本のSM文学)

■ 痴人の愛


■ 家畜人ヤプー

■ 寺山修司と三島由紀夫

■ サタミシュウの主従関係

■ 稲垣足穂





関連記事
[ 2016/08/16 18:56 ] トピック | トラックバック(-) | CM(5)
考察が深くて唸る記事でした。
私自身の絵をどうするかも考えさせられる感じですね…。

エロスとポルノの境界線をちゃんとわけて描きたいですからね。
女性画家の先輩も悩んでましたが、エロスとポルノの違いわかってない男性陣に困っていました。
それでセクハラにまで遭っていると。

ドラマなら六反先生の『亭マゾ』をコメディドラマにした方が、大衆には受けそうですよね!
[ 2016/08/16 21:35 ] [ 編集 ]
名前はすべて忘れていきますが、
作家にも何人かの女王様がいらしゃいました。

SMプレイでは男性Mがストリープレイが好きなら、
それに合わせてくださるのが好きでした。

僕も、そんな趣向を持っていましたが、
いつのまにか、そんなストリープレイは女王様が面倒なために、うけなくなってきました。

自分が何か、ドラマの主人公になって、相手をしているうちに、瞑想する力がついて、小説家になるのは、たしかに別の世界で最高ですね。
[ 2016/08/17 21:29 ] [ 編集 ]
 あえて何か言わなくても、SMには物語性がありますよね。

 なかなか「物語」として提示できませんが・・・

わざわざ「ストーリプレイ」と名づけるのは、そこに自分だけの物語で演出したいから。

主演は、本当は自分なのです(>_<)

タテマエで女王様を主演女優として起用し、演技で崇拝し服従する。


 これを偽善と言わずして何と呼べるのか。(>_<)(>_<)

 
  女王様は、そういうニセモノを嫌います。

 
だけど、たまに(稀に)そこまでわかってくれて、妥協して下さる女王様もいらっしゃる。

            ↑
  何も考えずにテキトーにやってるだけで偶然ハマる場合もあるけど


 最高なのは、わかっていながらあえてハズして、最後にきっちりはめてくれる。

 そこまで出来るのはインテリの、頭の良さと教養と、優しさ...の成せるワザで、奇蹟に近い。

 



  いや〜、野良の松さんのコメント返しだけで、一本シリアスな記事が書けちゃいますね。

 
  ありがとうございました。






[ 2016/08/18 10:01 ] [ 編集 ]
「賢者の愛」、知りませんでした。早速本屋に行って買いました。

普段、あまりブンガクに親しんでいないせいか、楽しく読めました。
人物の状況設定とか、心の動きの描写とか、流石はブンガク作品だけあって、凄いものだと思いました。

なんで「賢者の愛」なんてタイトルをつけたのか、最終章に至ってようやく思い至る鈍さなんですが・・・

ただ、もと中野クイーンの山田詠美さまが書いたにしては、マユちゃんの調教ぶりが物足りなかったですね。
同じやるなら、ナオくんを被虐調教し、マユちゃんに命じられたら足の裏を喜んでぺろぺろするような、マユさま命の一途で忠実なM男に仕込めばよかったのに。

そのための手段としてマユさまがつかったのは、お馬さんごっこでした。

14歳のナオは、36歳のマユさまに教えられたその遊びにすっかり夢中になりました。来る日も来る日も、マユさまのお馬さんになることしか考えられなくなってしまったのです。

マユさまの成熟しきったお尻の肉圧を背中に支え、脇腹をマユさまの柔らかな腿に締めつけられながら、マユさまの想いのままに床を這っていると、自分がまるでこのことのために生まれてきたようにさえ思われるのでした。

けれどもマユさまは、その甘い秘密の遊びをめったにナオに与えてはくれませんでした。まるで、愛馬に、たまのご褒美として与える各砂糖のように・・・

なんてね。

ところで、もとのカバーは丸尾末廣が描いているようですね。
本屋で買った本のカバーはドラマのイメージ写真でした。同じ初版本なのに。
丸尾のカバーの方がよかった。
[ 2016/08/20 19:37 ] [ 編集 ]
おお! コメントありがとうございます。

 耽美派マゾの馬山人なら、きっと評価されるだろうなと思っていましたよ。

 これは一般の文芸作品としてきちんと読める作品になってますよね。

 もちろん谷崎の「痴人の愛」もそうなのですが、山田詠美の経歴や僕たちの特殊な思い入れから、独特な期待を持ってしまうのかもしれません(もちろん犯罪ではない)

> ただ、もと中野クイーンの山田詠美さまが書いたにしては、マユちゃんの調教ぶりが物足りなかったですね。

 おっしゃるとおりですよね。彼女はもう随分前から守りの体勢に入ったのじゃないでしょうか。

 足の裏をぺろぺろ舐めてみたい (。。)☆\バキ

 んじゃなくて、舐めさせられてみたい(>_<)(>_<)


> 本屋で買った本のカバーはドラマのイメージ写真でした。同じ初版本なのに。

 あ、それはかわいそう。テレビ番組のプロモーションに使われたんですね。

> 丸尾のカバーの方がよかった。

 お気の毒サマです。丸尾のイラストを起用するところもポイントバリューあったのにねえ・・・
[ 2016/08/21 12:16 ] [ 編集 ]
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