前回に引き続き、SMクラブ「ラシオラ」摘発問題についての、一般の人たちの声をブログからピックアップしてみる。
全体的には、やや距離をおきながらも、今は話題性と必然性(←これが重要らしい)があるから「仕方ないからコメントしておくか」というノリで書かれているような気がする。僕のように開き直って好意的な立場は皆無だ(まあ、当然かもしれない)
興味深いというかやや残念なのは、リンクしているM男系や女王様系ブログではほとんどこの話題が触れられていないこと。まぁ、そっとしておいてあげよう、という気持ちの現れだと思うのだがそんな中で、なんとS男性系ブログでまともな記事があったのがまた面白い。
▶九州SM情報局ブログ「SM事件簿18」 ▶SMを真面目に考える「摘発されたそうで」 さすがに一般の人たちと比べると、一歩踏み込んだ発言になっている。
記事を書く時にこの
「一歩」を踏み越えるか越えないか で、
その人のSMとの距離感がわかるのではないだろうか。
聖水は立派にSMプレイのアイテムとして広く認知されていると思うが、この人にとっては違うらしい。スカトロとSMは別だという意見もあるし、人それぞれの世界である。この人はついうっかり、自分のSM観を漏らしてしまっている。
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▶dangunのトンデモ
"前、池袋でもSMクラブが摘発されました。案内所を不適切な場所に設置とていたという理由でした。オリンピックに備えて厳しく摘発しているのかな? 水商売も取り締まりが厳しくなったそうだし。"
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昨年摘発された池袋のSMクラブのことを知っているとは、あなた
クインダムに通ってましたか?
それとなく自分とは無縁の世界だと言ってるようで、強い関心のあることが示されているのではないだろうか。
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▶為八の「頑張れデスク!」雪
【マンションのSMクラブは防音しましょ!】 "なんかね…。 僕には「恐い」だけだけど。それで行っちゃう人もいるんだってね? 「女王様」のスタイルは「エロ」いと思うんだけど、「鞭」でしばかれたりしたら「痛い」だけじゃないの? この話をNデスクにしたら、「キミは無知だ、アレは良いもんだ」と力説してました。"
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「それだけで行く」とは、SMクラブに足を運ぶことでなく「逝く」という意味だろうか。日本語って難しい。ところで、このデスクは某新聞社のデスクか?
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▶雑文魂~白虎の呟き~
"これ、聞こえてきたのはM男性のものなのでしょう(笑)男の声ですから、それなりに大きかったはず。この店はミストレス系。いわゆる女王様が在籍されていてなぶられたいM男性が集う店。M男ってのは、一度入っちゃうと我を忘れるタイプも多いので、信じられないような大声を出したんじゃないか、と。「あら、女のコみたいな声だして」などと女王様は言うわけですが、やはり、地声は男で「おうおう系」だったんでしょうね。" 続きを読む
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フリーライターの永瀬白虎さんのブログ。さすが読ませる文章になっていて面白い。業界の事情にも通じているようだが、Mッ気が多少なりともないとわからないツボをおさえた表現があり、これも無意識にカミングアウトしているように思える。ついでに喜国雅彦のコミックを紹介しているところもアヤシイ。
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▶木漏れ日に降る雪赤裸々なまでの裏社会の断片
【おままごと】 "雰囲気を味わいたい人にはいいんだろうな(大笑) 本当のSMって廃退的で荒涼たる世界だ。荒む心のうちを狭い室内で表現できるのだろうか。。 まっ、私はマニアックですけど、罵声に酔う人は多いそうですが、私は嫌いです(苦笑) アダルトビデオの見過ぎです、はい。"
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人それぞれに「本当のSM」というものがある。この人はそれを知っている。想像だが彼は、声を立てず羞恥にじっと耐えるのが好きなマゾではないだろうか。僕もそういうのは好きだからわかる。過剰な演技で女王様に気を使いすぎるのもなんかね。狭いワンルームでなく、広くて閑散とした静寂の中で、彼のSM美学は花開くのか?
ラシオラには大卒で入店前はSM未経験のドミナも多く、それが一つのウリのポイントにもなっていた。経験豊富なベテランドミナのセッションと比べると「おままごと」みたいで物足りないという批判的な声もあった。その「もの足りなさ」がまたいいんだよ!っていう人もいる。
セッションに何を求めるのか。SMとはその人にとって何なのか。客にとってもドミナにとってもそれは多様化してきているようだ。
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