
SMクラブ等で「女王様」をやれる人たちは、おそらく並たいていのとは、ちょっと異なる感性や想像力を備えた、ナチュラル・ボーン・アーティストなのだと思う。
「女王様」と呼ばれることに違和感を抱いていた朝霧リエさんがキュレーターのアート・ギャラリー「ラシオラ展」が、新宿アマルコルドで開催中です(4月31日まで)
昔から伝統的にこの界隈、おしゃれで時代の最先端を突っ走る女性が自然と集まり、浮き世離れしたことをやりながら、芸術的なセンスを研ぎ澄ましてきました。
プロの女王様として活動されるからには、M男の身体をキャンバスに、自分なりの絵を描いているわけです。
いや、描かねばならない。
M男に「描かされている」場合もあるのかもしれません。
だからといって、その表現に芸術性がないとは言えない。
それが「ぬり絵」のような作品でもヘタウマでも、へんてこりんなオブジェや音楽、パフォーマンスであろうとも、「女王様」としてのアイデンティティーがそこに見えるし、観る者に与える感動や喜びに優劣の差はないと思う。
創業当初から、アーティスティックで感性のとんがった、有名カリスマ女王様のラインナップでスタートしたラシオラには、20年経った今でも、その伝統と女王様気質みたいなものが継承されていると感じた。
このような展示は、六本木ヒルズの森アートギャラリーか、国立西洋美術館のような「ちゃんとした」場所でやるべきでしょう。
(新宿2丁目がちゃんとしてないわけではないですが・・・)
もしかして、僕がラシオラの古い会員だから、無理して「よいしょ」記事書いてると思ってるでしょう?
まぁ〜それもあるかもだけど (。。)☆\バキ、いや真面目な話、これ、よかったです。
SMバーで酒のつまみにするには、もったいない水準で、本当に感動しました(>_<)
女王様がお絵描きするだけでも、僕は感動する。
その絵には、マゾの心象風景が見えるような気がするから。
別にマゾでなくても、SMと無関係な文脈で誰でも今回の「ラシオラ展」は、純粋にアートとして鑑賞できるのではないでしょうか。
アマルコルドの通常チャージで、入場無料ではないけれど、特に鑑賞のために追加で支払う料金はなく、無料みたいなもの・・・です(たぶん)

ご本人の自画像のような人文字?みたいなコレは、イラストと文字を混ぜた造形で、銀座の「スヌーピー展」で先月見た大谷芳照による漢字にスヌーピーをあしらった墨絵アートを彷彿させてくれます(勝手に)

心の中で「イイネ」ボタン押していたら、なんと!!
七女王様ご本人が突然ご降臨(>_<)
ユリイカなどでたまに顔をお見かけしたぐらいで、この時初めて直接お話しましたが、彼女は「スヌーピー展」のことはご存知なかったようでした。
会期中、午後8時と22時に上映される、
ルイ子さんの「SMと笑い」映像は、すでにYou Tubeの小さな画面ではおなじみでしたが、アマルで見た大画面の迫力に再感動していると、これも信じられないことにご本人がご来店!

ルイ子さんは学生時代から声楽に親しまれており、あのドスの効いた声はオペラなんだ。
会期中は、作家・アーティストであるドミナが在廊するチャンスが多いようです。
真珠さんの「うふふ」な作品にも、なんだかホッコリする。
こちらも何となく「スヌーピー展」からインスパイアーされているように感じた(勝手に)

別にこれまで隠していたわけではないですが、僕は昔からスヌーピーのファンだったりする。
このアヤシゲな「おきもの」は、トーカ女王様の作。
彼女のブログ同様、突き抜ける「ワケの分からなさ」が炸裂し、前衛芸術している。
この他、
紫春晏女王様のフォト・ブックや、
揚子女王様のドローイングなど、今、「ここでしか見れない」コンテンツが並んでおります。
SMは芸術だ! とは言わないまでも、
そういう感覚や知識は有効だろうし、なによりもSMを楽しむのにはあっていいと思う。
コミティアの同人誌に出てくるようなイラストから、逝けてるアートの最先端のようなものまで、アマルコルドの女王様と「SMと芸術」というお題で洗練された会話が楽しめます!
ラシオラに集まる人材の、ユニークで多才な一面が垣間見える、貴重で
マーヴェラスな展示でした!

■ ラ・シオラとともに・・・ おめでとう♡20周年! ■ SMと芸術の関係について ■ ラシオラ20周年祭に逝ってみた
■ スヌーピー展(*昔のやつ)
■ チャーリー・ブラウンがマゾだったら?
■ ラシオラのSM 朝霧リエの思想と美学
■ ラシオラよ永遠に! ■ 朝霧リエさん逮捕■ 朝霧リエに調教されたドM有名人とは?■ 今そこにある危機
憧れの朝霧リエさんと■ SMの女王様に市民権を与えたのは朝霧リエです ■ 祝・ラシオラ15周年!
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