
東京駅の日本橋口です。こんなの前からあったっけか?
先日触れた
「マゾヒストたち」はきちんと購入し、本の中身は以前から知っていたので、ザッピングのつもりで眺めていたら、思わず熟読モードで一気読みしてしまった。
連載時には分断されていたコンテンツが、すっきりと繋がる構成で、とても面白い!
誰にでも気軽にお薦めはしないけど、
この世界に興味がない読者でも、文化人類学的な知見は深まるのではなかろうか。
かろうじて、
この世界に身をおいている僕(たぶん)が今読んでも、常に新鮮な感じがするのは、やはり相当に特殊な世界だからなのかもしれない。
僕が言っても説得力に欠けるんだけど、別世界である。
この世界は、奥が深い。
出版記念イベントにも逝ってみたい気もした。というか実は、直前まで迷っていた。
六反りょうの「亭主元気でマゾがいい」のサイン会の時にも思いましたが、SMバー以外の場所で、自分と同類項の人たちと顔をあわせるのが、どうにも苦手で…(>_<)
恥ずかしがり屋さんというのもあるけれど、このテの趣味のない知り合いにバッタリというリスクも怖い。
今どきSMに興味を持っていることに羞恥は感じなくても、自分がマゾであることに関しては、意味不明な忌避感はあるものです。それをコンプレックスと言ってもいいけど、もっと複雑な心境がある。
ダイバーシティの令和になっても、昭和のトラウマは引きずっている。
しかし、「世の中はマゾでできている」というナイスなお題のイベントだ。
主催は新潮社(ではないが)みたいなものだし、祝祭の意味も兼ねて、勇気を出してちょっくら逝ってみるか?
先日、ヤプーズの龍パイセンから頂いたコメントにも背中を押された。
この人と個人的に会うのはもっと勇気が必要だが、イベントに顔を出すついでなら、少し気が楽そう。
というわけで、絶対に秘密で逝ってきました。

高円寺駅からイベント会場までの商店街を歩いていると、こんなカワイイお店が・・・
六本木や新宿でなく、これほどのどかなロケーションで、SMイベントを開催して大丈夫?
現場に到着すると、やはり行列が出来ている。
ここまで来ておきながら、あれに並ぶ勇気がでない(>_<)
思っていたよりも客層が若かったので、
「僕は無関係ですよ〜」 という顔して、いったんは通り過ぎた。
前夜にメールで予約していたので、並ばなくても席は確保されているハズだが、若い女性もそれなりにきちんといるので、近寄ることが出来ない(>_<)というのはウソで、開場予定時刻は過ぎていたから(開演まであと10分というタイミング)、階段を上って、受付らしきところまで行ってみると、キャパはマックスで50名程度の狭さだ。
これじゃ満員で立ち見じゃん(>_<)
* * * * * * * *
ちゃんと座って見れました (^^)
トークショーの内容は絶対に秘密なのですが、おおいに楽しませて頂きました。
登壇するマゾヒストたちは皆さん頗る真面目な、真摯な紳士(いや、シャレじゃなくてネ)で、本来お持ちのサービス精神からユーモラスに話されているだけだと思いますが、衝撃的な行為や、常識ではありえない性癖のカミングアウトに尻込みしつつも、なぜか爆笑することもしばしば。
この年齢になると、なかなか心の底からは爆笑できなくなるんだけど、はっきり言ってマゾヒズムは滑稽なものだということを、自虐的に再確認したように思う。
まあ、
この世界に興味ない人にとっては、意味不明な部分も多いだろうし、とても中野サンプラザでやれる代物ではなかろうが、内容の濃いトークイベントでした。
巧みの話術で仕切る司会者が著者の松沢氏だから、取材時のインタビューが再現されているかのようで感銘を受けた。
ラスト(ラス前?)にメインのゲストスピーカー、龍パイセンが大取りで登場。
ナマで見るのは初めてだが、この日のキャストでは一番のイケメンだ!
しかも、
肌にシワがない。 僕と同世代ぐらいのハズなのに、なんとも若々しい。
さすが、リューザップの威力か?
いや、マジでどこかの美術館の学芸員かな?と思われるほど、穏やかで上品な物腰が印象に残ります。
こんなに優しそうなオジさんが、あの
ヤプーズマーケットのCEO?と言われても、にわかには信じがたい。
しかし彼は、僕には出来なかった「北川プロに電話をして、奴隷としてビデオに出演する」という快挙を、昭和の時代に成し遂げて、今がある。
この世界が少しだけオープンになりかけの頃とはいえ、M男にとっては暗黒時代で、マゾ・ビデオの夜明け前だ。
龍さんは、
この世界の、かけがえのない先駆者なのである。
開拓者と言ってもいい。
ヘタレの仮性マゾの分際で、おこがましいのを承知で、きちんとご挨拶しなければ!と、イベント終了後に名刺交換しましたが、
黄金!色に輝く上質紙に、
Fetish Produser凛龍 -rinryu- と明記されていた。
ハングリーなボクサーからM男優へ、そして素晴らしいパートナーと出会い、自分の思い描くファンタジーのビジュアル化に成功した。
何かと苦労も多かったようですが、ついにMのラウンジに上りつめた勝ち組のマゾヒスト。
今後は海外も視野にいれたプロデュースを手がけていくらしい。
黄金の名刺が眩しかったのではなく、ただならぬ貫禄と情熱に、目が眩んだような気がした。
僕も
Ryuzap やってみようかな(>_<)
初期のヤプーズの作品。僕のお気に入りです。

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