
フランスはパリの
エロティック・ミュージアムで今、
現代日本のエロティックアート展 が開催中。これは東京・銀座にある
ヴァニラ画廊の主催で、同画廊で過去に展示された21人の作家による約200点余の作品が、あの花の都パリで「堂々と」展示されている。出品作家には「奇譚クラブ」出身の
室井亜砂二の名前もある。
この美術館はルーブルのエロス館とも言われており、当局にきちんと認可されているれっきとしたミュージアム。お国がらというのか、さすが「おふらんすだべや」と言わざるを得ない。まだ開館してから10年ほどだが、これまでにフランス国内外の有名作家の展覧会を数多く企画してきた。今回日本の作品がこれほどの規模で展示されるのはフランス、いや西洋では初めてのことであり、画期的なイベントといえる。
フランスのエロティックアートといえば、僕はどうしても
ベルナール・モントルグイユを思い出さずにはいられない。1930年頃に活躍した人らしいが詳細は不明。独特の絵柄で男性マゾヒズム願望を巧みに刺激する幻想的な淫虐図を描いた。お馬さんごっこの変形バージョンともいえる
この作品などは室井の犬女シリーズを裏返したようなイメージで昔から好きだった。
Fem-Dom アートも言ってみればエロティックアートの範疇に入るわけで、西洋には昔からこの種のカテゴリーが確立していた。そういう芸術的伝統のあるパリで、日本のエロティックアートが紹介されていることの意義は大きい。願わくば、出品作家に
春川ナミオや
椋陽児、そして
乾はるかのようなコミック作家の名前もあればよかったのにと思う。ヴァニラ画廊的にはアートではないのかもしれないが、世界に誇れる「日本のエロス」であることは間違いないのだから。
【現代日本のエロティックアート展】
と き 2008年 4月3日~10月16日
ところ Erotic museum of Paris(Paris-Montmartre)
■出展作家(50音順)
朝倉景龍/Keiryu Asakura
奥津直道/Naomichi Okutsu
大倉野亜樹/Aki Okurano
金井清顕/Kiyoaki Kanai
河上ヨシタカ/Yoshitaka Kawakami
キジメッカ/KIZIMECCA
鏡堂みやび/Miyabi Kyodo
小宮山逢邦/Hobo Komiyama
こやまけんいち/Kenitchi Koyama
酒井敦/Atushi Sakai
作場知生/Tomomi Sakuba
Shin3./Shin3.
西牧徹/Toru Nishimaki
林良文/Yoshihumi Hayashi
廣江友和/Tomokaza Hiroe
ペルレ/Perle
室井亜砂ニ/Asaji Muroi
森馨/Kaoru Mori
山口椿/Tsubaki Yamaguchi
山地博子/Hiroko yamaji
レオ澤鬼/Reo Sawaki
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