「新年」
それは昨日に続く今日の上
日常というやや平坦な場所に
言葉が建てた素晴らしい家、
世界中の人の心が
何の疑いもなく引越していきました。 石垣りん「ユーモアの鎖国」 より
別に新年だからって、どうってことないだろう? とでも言いたげなポエム。
詩人の名前だけは昔から知っていたけど、彼女の作品を読んだことはなかった。
おそらく教科書か何かで、既視感があったような気はする。
昨年、たまたま新聞で「この父ありて」というルポルタージュ記事を読み、彼女の壮絶な生きざまを知った。
女流詩人という言い方は、今の世の中マズいのかもしれませんが、石垣りんは、おそらく日本の
ボーヴォワールのような人で、シリアスでシビアな詩情には、胸にささるものがあります。
■ 人はマゾに生まれない
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