
僕がラ・シオラで初めてお世話になった女王様です。
デビユーしたばかりの初々しい時に指名して、印象深い思い出があります。
朝霧さんは当時、イケいけドンどんという感じで、従来のSMクラブにはなかった、殻を突き抜けたようなコンセプトで、代々木の高層マンションにオシャレなプレイルーム付きの店をオープンしていました。
後にそのプレイルームが問題となり
摘発されるという残念な事件もありましたが、あれをなかったことに
しなくても、今も昔も一流店だと思う。不起訴だったしマスコミに叩かれすぎただけでした。
僕はすでに、
六本木レーヌなどで、ある程度の洗礼を受けてはいたものの、まだまだビギナー水準にあり、ラ・シオラの革新性については、あまり理解しないまま、在籍されている女王様に、自分好みのタイプがいるかどうか、といったレベルで、やみくもにSMクラブを物色している段階でした。
当時のシオラのドミナの多くは、
華々しい経歴を持つプロフェッショナルばかりでしたが、ほぼ未経験の初心者に近い洋花さんを僕は敢えて選びました。
地味っぽいけど、好みのタイプだったから(>_<)
それでも、はやり緊張はする。
ハジメマシテ、ヨロシクオネガイシマス。
お互いにぎこちない所作で、とにかくプレイは始まりました。
大昔のことで細かいところまであまりよく覚えていませんが、プレイの中盤ぐらいで
「オマエは自分がどういうマゾか、まだよくわかっていないわね」 などという台詞をその新人女王様は言いました。
「言った」というより、
「使った」という感じでしょうか。
洋花さんのおっしゃる通りだったかもしれませんが、後から思うと、この台詞はマニュアル通りで、女王様がお客のマゾヒズム願望を推し量りかねる時、相手にその願望や、言いにくい希望を言わせるための問いかけのように作用するものでした。

まだ入店して間もない時期、講習などで知った知識を道しるべに、手探りでセッションのスタイルを模索しているような、そういう姿勢の感じられる意欲的な新人さんだと思いました。
僕自身、カオスのようなマゾヒズム願望に悶えながら、明確な意思表示はできずにいた。
そんな二人が、イキナリ初対面で、まともなSMプレイをやろうとしたところで、チグハグな感じになってしまうのは、やむを得ない面があるでしょう。
よいセッションを実現するためには、お互いに相手をリスペクトし、コミュニケーションをきちんととって、心にゆとりを持つことが大切だと思うのです。
当時の僕は、そこまで思いが至らなかった。
おそらく、洋花さんも。
まだ未熟な女王様を受け入れ、寄り添い、寛容な気持ちで臨めば、もっとよいセッションになっていたのにと、後悔しています。

洋花さんとは、それきりで、いつのまにか退店されていました。
どちらかというと、ごく普通の女の子という感じでしたから、
好奇心は旺盛でも、貪欲にイケイケどんどんではなかったように思います。
そこがよかった。
もう二度と会うこともない、行きずりのプロ女王様に、そこまで思い入れを持つのもどうかと思いますが、出合ってくれたことに、感謝しています。
たかがSMクラブ。
風俗嬢のことナニ熱く語ってんだよ!と思われる方もいらっしゃるでしょう。
イヤ、実際のところ熱く語ってるのですが、SMクラブの女王様を僕は尊敬しています。
究極の接客業だと思っています。
サービスとしての料金に見合った対価が曖昧な部分もありますが、SMクラブこそ一期一会。
洋花さんはM男ファーストで、未熟な僕に、誠実なおもてなしを、して下さいました。
支配と服従という、型にはまったフォームの中で、自分なりの工夫でセッションを盛り上げようとしていたように思います。内容はともかく、僕はそれがとても嬉しかったのです。
どんなご縁で、巡り会うことになったのかを考えると、不思議な気がします。
ありがとうございました。
お元気でいらっしゃることを願っております。
■ 女王様はわかってくれない? 全ての職業女王様がそうだとは言わないが、ほとんどの女王様は、M客のリクエストに応えようと努力していると信じたい。満足感を与えない逆向きのサディズムは、SMクラブではありえないだろう。それなのに、満足できないお客さんは常にいるようだ・・・■ よくわかるSM■SMクラブの仁義 結局SMプレイは道化芝居! それは言わないお約束・・・■ SMを楽しむために■ 女王様に告ぐ!■ 職業に貴賤なし■ SMは風俗か?■ ノーと言えないマゾ ■ マゾ力とは何か? マゾヒスティックな願望を満足させるためのコミュニケーション能力について・・・■ ラシオラのSM 朝霧リエの思想と美学
■ 育児とSMを両立させたママさん女王様の元祖・天之蘭
■ 妄想が現実となったあの日.... 初のSMプレイ体験記(>_<)
■ ある思い出 僕はこのタイプの椅子を見ると胸がキュン(←死語?)となる
- 関連記事
-
まだ初々しいけど向上心にあふれた女王様って、プレイはたどたどしくても独特の魅力があります。例えるなら推している新人アイドルのような...
わたしの妄想プレイに「右も左もわからないような、あどけなさの残る女性を、時間をかけて、わたしに跪かせて鞭を振り下ろす立派な女王様に仕立てる」というのがあり、その妄想をちょっぴり味わえるからかもしれません....
なんでこんな妄想を持つのかといえば、たぶん私のM心を植え付けてくれた梶山季之氏の小説にそんな描写が多かったからかもしれません(フツーの文庫だったので気軽に買えた)。
実際は難しいのでしょうね...昔のお大尽の芸者さん遊びに近いものがあり、たぶん私の持っているより桁一つ多い包容力と忍耐力(と財産!)が必要かも....
またまた乱文失礼いたしました。homer様のページは昔から拝見していましたが、私も年を重ね、homer様との年齢差はもちろん変わりませんが相対的な差は縮まったと勝手に思い込んでおり、共感できるところが増えてきてうれしくなってしまいました。お体ご自愛下さい。