鏡堂みやび「ぶっちがい」

現代日本のエロティックアート展(2008年・フランス)より
僕がM男だから女王様やM男系ブログばかり読んでいると思うでしょう?もちろん読みますが実はM女系ブログもけっこう好きで読んでいます。
女性マゾヒズムはこれまで多くの場合、団鬼六の作品世界で描かれるような「男側の視線」で語られることが多かった。だからM男が読んでも男の感覚で萌えることができたわけです。女性側のリアルな皮膚感覚で表現されている情報をあまり目にする機会がありませんでしたから。
ところがネットでM女系ブログを読んでいると、女性ならではの感性でマゾヒズムが丁寧に描かれており、自分が男としてエキサイトしているのか、マゾヒズトとして萌えているのがわからなくなる時があります。もしかすると、
M男よりM女さんのほうが気持ちいい思いをしている! みたいなことを感じてしまうのは僕だけでしょうか?
そんなことを考えさせてくれる素晴らしいM女系ブログに
「奴隷ノ穴」というのがあります。有名なのでご存知の方も多いと思いますが、たんなる告白手記を越えた、愛の真実を物語る稀代のルポルタージュとして読み応えはたっぷりです。
実を言うと僕はアナルやピアッシングには嫌悪感があり、正直なところ最初は苦手なブログとして敬遠していました。ブラウザ上でブックマークはしても、恐るおそる時々のぞきに行くような感じ。しかしどこかで惹き込まれるものを感じ、距離を置きつつは読み進めていくうちに、純粋な主従関係の美しい姿に胸打たれるようになっていきました。というかレベルが違い過ぎて圧倒された。僕にとってはほとんどフィクションの世界とも思える凄まじい調教のイメージが、そこにノンフィクションとして実在している。そのことだけでも価値ある感動を伝え、脳内オンリーではあるが自分には不可能なファンタジーが次々と膨らんでいく。
最初は無自覚なまま、次第に貪欲に主従関係を模索していく雅さんに、どんな読者も共感せずにはいられない。実際になされている内容には好みの問題はあるでしょうけど、この種のアブノーマル系ブログの中ではダントツの気品とイヤラシさが圧巻で、その気がない人でも読むとクラクラするのではないでしょうか。これはM男性にも自信を持っておススメできる内容です。
息の長いブログは少ない。特にアダルト系は気がつくとなくなっていることが多い。そんな中でコンスタントに良質な投稿を継続している
「奴隷ノ穴」が今日で三周年を迎えたそうで、人ごとながらウレシくなりました。これまではリンクをすることもなく、こっそりロムっていたのですが、思い切ってカミングアウトしてリンクさせて頂くことにしました。
(「奴隷ノ穴」は原則リンク・フリーです)
自己の変態性をクールに見つめるまなざしとその姿勢に自分では影響を受けたと思っています。なんて書くと「どこが?」と雅さんに叱られそうですが、具体的に行動にはうつせなくても共感はしているし、自分に適したスタイルとしてM体験をカスタマイズすることが可能です。
なんと言っても妄想ではなく実体験からくる説得力。官能的でフェミニンな文体。BDSM全般にかかわる身体的および心理的な考察もハイレベルで参考になります。これほど「恥ずかしくてためになる」ブログをもう3年以上も続けていることにあらためて敬意を表して、お祝いの言葉とさせて頂きます。末永く続いて欲しいです
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しかもハードの極みに達する人は極まれ。
いてもお店の女王様であったりと、S男性で有名な方々のHPやブログのS女性バージョンは極少。
M女性のほうが、M男性より恵まれてますね(笑)