
従来は男社会の緊縛道。縛られるだけだった女性が縛る側に回る。そして見えない
ガラスの天井を越えて、その世界で名を成すというのは、考えてみればもの凄いことだと思う。イヴさんのような「女流緊縛師」の登場によって、SMにも新しい時代のうねりが巻き起こった。イブ女王様はM男にとってはアイドル的存在であったが、本来なら男に縛られたいはずのM女性が、レズではないのにイヴさんに縛られてみたいという願望に目覚める。そしてイブさんに憧れる女性の中には、「かっこよく縛ってみたい!」という潜在的なS性を覚醒させる女性もいるだろう。先日のステージ上でイヴさんの助手を務めていた女性には、そういうオーラが出まくっていた。
ところで今回は、会場となった
BARBAR 札幌 所属の若手縄師 TECHさんによるステージも印象深かったので紹介してみたい。TECHさんは最近この業界に入ったばかりの若手ホープ。最初にお店のカウンターでお会いした時は作務衣を着こなしていかにも「職人」っぽい格好だったけど、イヴさんの幕が終了後に執事みたいな洋風のスタイルになっていた。
そして第二幕。メイド服の女の子と一緒にTECHさん扮する執事が登場。最初は
執事がM男のようにメイドの面倒を甲斐甲斐しくみるようなかたちで始まったので、
「お~!待ってました!」と一瞬喜んだのもつかの間、
次第にワガママなお嬢様にお仕置きするモードで女の子を縛っていく構成になってしまった。
まぁそれはいいんだけど、やはり「男が女を縛る」のが「本流」という感じがするのは、僕がストレート(ヘテロセクシャル)だからだろうか。イブさんが女性を縛るのは当然レズビアン的な倒錯度が加わるから、M男的にはともかく「普通の男」として感情移入がしにくい面は否定できない。興奮はするのだけれども。
これが男同士だったら「ちょっと勘弁して下さい」の世界になる。
やっぱり
「男と女」というカップリングが、SMの世界でも初期設定なのだろう。
それなのに、女王様がM男を縛るショーがあまり流行らないのは納得がいかない。
この緊縛ショーには女性客が半数以上を占めていた。客層としてはM女が多いのだろう。M男が女性の緊縛写真を見て共感できるのと同じ理由で、M女性でも男が縛られる場面に萌えてくれてもよさそうなものだが、なかなかそうはならないらしい。
舞台上で縛られる女性の姿に「私もあんな風に縛られてみたい!」というウットリ目線で釘付けになっていた。それは僕も同様なのだが、男に縛られたいとは思わない。だからショーを見るならイヴさんのように女流縄師の舞台のほうに魅力を感じるのは当然だろう。
そうは言うものの、TECHさんのステージでもそれなりにエキサイトしてしまうから不思議な気がする。縛られているメイドも演技(?)がまたよくて、彼女の喘ぎ声でまた興奮度が高まった。M男的な自分は影をひそめ、鑑賞者としてはS男的、いやノーマルな男目線で女性が陵辱されている部分に萌えていたのだと思う。
まぁ、これが従来からある「普通」のSM緊縛ショーだったりするのだろう。男が女を責める。それを見てS男性とM女性が喜ぶ展開。M男は常にマイノリティー。
それにしましても、TECHさんのショーはイヴさんに負けず劣らず素晴らしかった。もちろん技術的にはこれからという段階だろうが、それを補ってあまりある企画が斬新であった。M男目線でも楽しめる「執事とメイドの緊縛ショー」は、今後の定番スタイルになるかもしれない。音や小道具の使い方、そして巧みな構成力は将来が楽しみな人材である。
カリスマ縄師目指して頑張って頂きたい。
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ところで今回は、会場となった
BARBAR 札幌 所属の若手縄師 TECHさんによるステージも印象深かったので紹介してみたい。TECHさんは最近この業界に入ったばかりの若手ホープ。最初にお店のカウンターでお会いした時は作務衣を着こなしていかにも「職人」っぽい格好だったけど、イヴさんの幕が終了後に執事みたいな洋風のスタイルになっていた。
そして第二幕。メイド服の女の子と一緒にTECHさん扮する執事が登場。最初は
執事がM男のようにメイドの面倒を甲斐甲斐しくみるようなかたちで始まったので、
「お~!待ってました!」と一瞬喜んだのもつかの間、
次第にワガママなお嬢様にお仕置きするモードで女の子を縛っていく構成になってしまった。
まぁそれはいいんだけど、やはり「男が女を縛る」のが「本流」という感じがするのは、僕がストレート(ヘテロセクシャル)だからだろうか。イブさんが女性を縛るのは当然レズビアン的な倒錯度が加わるから、M男的にはともかく「普通の男」として感情移入がしにくい面は否定できない。興奮はするのだけれども。
これが男同士だったら「ちょっと勘弁して下さい」の世界になる。
やっぱり
「男と女」というカップリングが、SMの世界でも初期設定なのだろう。
それなのに、女王様がM男を縛るショーがあまり流行らないのは納得がいかない。
この緊縛ショーには女性客が半数以上を占めていた。客層としてはM女が多いのだろう。M男が女性の緊縛写真を見て共感できるのと同じ理由で、M女性でも男が縛られる場面に萌えてくれてもよさそうなものだが、なかなかそうはならないらしい。
舞台上で縛られる女性の姿に「私もあんな風に縛られてみたい!」というウットリ目線で釘付けになっていた。それは僕も同様なのだが、男に縛られたいとは思わない。だからショーを見るならイヴさんのように女流縄師の舞台のほうに魅力を感じるのは当然だろう。
そうは言うものの、TECHさんのステージでもそれなりにエキサイトしてしまうから不思議な気がする。縛られているメイドも演技(?)がまたよくて、彼女の喘ぎ声でまた興奮度が高まった。M男的な自分は影をひそめ、鑑賞者としてはS男的、いやノーマルな男目線で女性が陵辱されている部分に萌えていたのだと思う。
まぁ、これが従来からある「普通」のSM緊縛ショーだったりするのだろう。男が女を責める。それを見てS男性とM女性が喜ぶ展開。M男は常にマイノリティー。
それにしましても、TECHさんのショーはイヴさんに負けず劣らず素晴らしかった。もちろん技術的にはこれからという段階だろうが、それを補ってあまりある企画が斬新であった。M男目線でも楽しめる「執事とメイドの緊縛ショー」は、今後の定番スタイルになるかもしれない。音や小道具の使い方、そして巧みな構成力は将来が楽しみな人材である。
カリスマ縄師目指して頑張って頂きたい。
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