今回の取材協力店は、札幌では老舗のフェティッシュ・バー
「幻想空間 CURE」、
Club Patio 、
フェチパブ Hee&Kwai、
フェティッシュバー BARBAR 、そしてSMクラブの
Black & White である。
たった2日間、実質的には1日半でこの5本の収録をこなすハードスケジュールが組まれていた。事前打ち合わせもリハーサルもなし。一応は各店舗の方で何かが仕込まれているというお膳立てがありそうであるが、これという決まりはなく、アドリブまかせみたいなところがある。
形式としては美花さんがナビを務める札幌のSMスポットを紹介するルポルタージュ番組で、最初は穏やかなトークでスタートするのだが、だんだんディープになっていき、ついにはハプニング的にSMプレイも始まるという趣向。一応プレイをする女王様やM男は手配されている。
カメラはほとんど回しっぱなしになる。オープニングで店の紹介からドアを開けて店内に入るまでのショットをハンディで僕が撮影した。店内では1カメが定位置にセットされ北川さんがスタンバッている。美花さんがカウンターに座ってママと歓談を始める。ヤラセなしのドキュメンタリー・スタイルだ。話は盛り上がり、おもむろに鞭打ちや緊縛が始まる。ここの展開はやや強引なのだが、とにかくイキナリ生のSMプレイが始まることに誰も文句は言わない。
奇跡的に自然な流れでなんの滞りもなく撮影は進行する。
しかし、いわゆるショーではなくて、個人的なSMプレイをこんな至近距離で見るのは初めてだった。
無我夢中で撮影した。はたしてこれでいいのか?とも思いつつ、自分が見たいアングルで必死にカメラを構える。それでなくてもエキサイティングな現場にいて、誰よりも(1カメの北川さんよりも)近い位置にいるのである。興奮しないはずがない。
今自分は、あの北川プロの作品を撮影しているのだ。そんな思いがふと頭をよぎる。めまいがしてきた。ロマンティックな気分に浸っていると、目の前でM男の乳首に針が貫通していた。とっさに身を引いてしまった。
こ、これが、戦い・・・ アムロのような気持ちで再びクローズアップにした。びびってる場合ではない。そこで繰り広げられている光景は、現実なのである。一時停止して巻き戻すわけにはいかないのだ。
なんとか、終わったみたい。
撮影終了。
ほっとしているヒマはなく、すぐ撤収の準備をする。北川さんは店の関係者やお客さんと歓談を始めるが、次のスケジュールが迫っているのである。それでも時間に少しゆとりがあり、もう移動出来ますよ的な状態で、しばし休憩する時間はあった。
店の女の子が出してくれたう~ろん茶を飲んでいると、隣のお客さんがしげしげと僕を見つめながら、「もう、長いのですか?」とボソっと聞いてきた。
日本語って難しいよね。主語は? 何が長いというのだろうか。この人は僕のことを北川プロの奴隷スタッフと思っているんだろう。そんな目つきが痛い。今日初めてやっていることなんですけど。実際のところそのような立場でここにいるわけではあるのだが・・・
まぁ、この世界をちょっとでも知っている人なら、北川プロのM男スタッフと言えば、筋金入りのドMで超変態というイメージをお持ちになるのであろう。でも僕はそうじゃないんです。フェチ系のソフトプレイしか知らない、仮想Mなんです~とは口がさけても言えないよね。
これまでおそらく何十人というM男が北川プロの製作&出演に関わったと思われるが、僕はその中では最下層の部類だろう。岡山でお会いした aquaさんの話などから総合すると、僕レベルはMの風上にもおけないヘタレのエゴマゾ野郎である。
本物のSMプレイを目の当たりにして、しょうもない自分の情けなさに少し落ち込んでしまった。
しかし僕のM男人生の中では、最高の経験をさせてもらった。ドーパミンは出まくっていたのだ。
これで使える映像が撮れていれば言うことないんだけど・・・
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カメラのファインダー越しに見るSMプレイの数々は、きっと僕の想像以上に迫力のあるものだったと思います。
Homerさんの撮られた映像は、きっとリアルな臨場感に溢れているんでしょうね~!
僕の目の前で乳首を針が貫通していったら、きっとカメラをそらしてしまう事でしょう…
で、セイラさんに「軟弱者!」って言われるんです…それはそれで嬉しいですが(笑