僕が初めてSMクラブに行ったのは大学生の時で1980年代後半です。少なくともこの当時にCFNMという言葉はなかったと思うなぁ・・・よく覚えてはいないのですが。
そして僕としても、SMクラブでは、できれば裸にはなりたくなかった記憶がある。
僕が求めていたファンタジーは「痴人の愛」のようなお馬さんごっこであり、顔面騎乗であった。
この時は裸になる必然性を感じていなかった。
それなのに、僕の初めての女王様は「裸になりなさい!」と命令し、
そんな情けないものを見せて、恥ずかしくないの? と質問してきた。
恥ずかしいに決まってんじゃん(>_<) 上半身が裸になるぐらいならいいけど、なぜ自分のチンポ見せなきゃならないのか?
二十歳そこそこの僕はM男としては未熟である。長年の妄想で頭はテンパっていた。
「早く僕を馬にして跨がってくれないかなぁ」とか、
「顔面騎乗はいつしてくれるんだろう」などと勝手な思いをめぐらせていた。
すでに恥ずかしいことをやりに来ているのに、ナゼか自分のお粗末なチンコを見られることに抵抗があったのだ。この時の女王様は確か25歳ぐらいだったかと思う。
CFNMのリビドーは「女性に自分のペニスを見られたい」というもので、これが僕にはよく理解できなかった。
それのいったいドコがいいのよ? と思っていた。
しかし、SMクラブで着衣の女王様の前で裸になるという行為を繰り返しているうちに、自然とこの文化に馴染んでしまった。今では理屈抜きで理解できていると思う。これを理解できない人に上手く説明できる気はしないのですが。
それにしましても、CFNMという文化は、いつどこから始まったのでしょう?
ある説によると
ギリシア時代の古代オリンピックにその端緒があるという。
オリンピックの起源も諸説様々ありますが、初期の形態は地位のある男性市民だけにより全裸で行われていました。これは当時の宗教や文化的理由によります。
古代ギリシア時代、ゼウスやヘラクレス等の男神・英雄の多くは全裸で表現されるのに対して、アテナ、アルテミス等の女神は常に着衣で表現されてきました。女神のヌードはこの時代はタブー視されていたのです。
ミロのヴィーナスは裸ですが、これは長いギリシア時代に続く後期ヘレニズム文明のもので、この頃にやっと女神のヌードは解禁となり、これ以降多くの彫刻や美術品で女神の裸が表現されるようになりました。
古代オリンピック競技において裸になるのは不正を防ぐためとか、互いに人格を認め合う身体鍛錬の場であったなどとされていますが、この競技を女性が見ることは許されていなかったらしい。その理由は女性に見られると勃起して競技がやりにくいからという説が伝えられているけれど、本当かなぁ?
よくわかりませんけど、古代ギリシアにおいても、
男は女性に裸を見られると興奮する という史実があったのは確かなようです。
しかしながら、「
複数の女性に男が全裸を見られる」という状況設定は、少なくともインターネットの時代以前にはあまりみかけなかったような気がする。CFNMという言葉も存在してなかったようです。ただ、概念としてはあったでしょう。おそらく紀元前の時代から。
SMと一緒で、言葉が発明されるその以前からコンセプトやクオリアはどこかに存在していたはずです。
CFNMの直接のルーツは、男性ストリップ・ショーの流れを受け、それを見て楽しむ女性客のムーブメントがベースになっていると言われています。男性ストリップ自体が日本では馴染みの薄い芸風でしたが、1997年のイギリス映画
「フル・モンティ」によりややメジャーになりました。

本来は男の露出趣味的意味合いが強かった男性ストリップと、当時大きく成長しつつあったフェミニズム運動、それらと Femal Domination 思想などが融合し、独特のエロティック・カルチャーとしてうねりを巻き起こしたのだという「証言」を
あるウエブサイトで見つけました。
その記事によると、アメリカ西海岸で、Bradという人が人類史上初めてCFNMのパーティを主催し、それに多くの人が賛同しコミュニティが形成されていったらしい。
女性の前で裸になると、何だか知らないけど「萌え~」を感じる男が急増。ここで注目すべきなのは、そういう男性のほとんどが、
全裸の女性の前で全裸になっても面白くない! と感じていたという事実。そこにいる女性は着衣でなければならない。
ここに「着衣女性&全裸男性」の正しい定義がなされ、折しもインターネットの発展の時期とも重なり、瞬く間にCFNMは新しい変態文化としての地位を獲得していった。
そのコンセプトは変態王国ニッポンへもいち早く導入され、イメクラやヘルスといったニュータイプ風俗産業へとインストールされていく。コンパニオンの女性がヌードというのが主流だったそれまでの業界常識を覆し、今では「手コキ」というのはCFNMの同類語みたいなものとなっています。
そういう意味でSMクラブなどはまさにCFNMの先駆けだったと言えます。
VHS時代のAV全盛期にはなかったCFNMというジャンルは、DVDやネット動画配信サイトでは巨大なコンテンツを形成している現状を見ると、馴染みが薄い言葉ではありますが概念自体はすでに市民権を得たと言ってもいいでしょう。
一般の人にはいまイチ意味不明な着衣女性&全裸男性。
これがギリシア文明と現代フェニミズム文化との奇跡的な出会いによってうみだされたコンセプトだったとは、恐れいりやの鬼子母神。
いずれにしても、これのいいところは、SMに敷居の高さを感じているM男やS気質の女性が、無理なく入っていけそうな雰囲気にあります。アメリカン・ウエスト・コーストのチョー軽~いノリで楽しめるムードは、ドロドロしたSMのアンダーグランド性とマッチしませんが、SMを「健康的」にエンジョイできるヒントがたくさんありそうです。

CFNM文化は今後ますます成長していくことでしょう。
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