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マゾヒズムに花束を!

恥ずかしくて、ためになる情報発信 Female Domination & BDSM

罪と恥 

印象派モード

 SMのセッションにおいて、M男の決まり文句に

「逝かせて下さい女王様!」というのがある。

 この世界では手コキであろうが足コキだろうと、自慰行為も含めて、支配者であるミストレスの許可を得ずして勝手に射精することは許されていない。

 まるで茶番劇のようなこの台詞を言わねばならないのは義務のようであって、やや色合いの異なる一種の儀式だ。

 多くの場合、女王様のお許しもなく「逝かせて頂きます」といって果てる。女王様のカウントダウンでタイミングよく放出させる達人もいるらしいが、その前に逝ってしまったからといって、義務を怠ったことにはならない。

「しょうもないわねぇ~、今度は私のお許しがあるまで我慢するのよ」などと諭され、次回に汚名をすすぐことを誓えばよろしい。

 これはとても日本的な羞恥心と関係が深い。

 本来マスターベーションというのは、自分が好きな時に行うもので、特に恥ずかしいというほどのことではない。また、定期的に必ず行う義務でもない。しいていえば欲望のおもむくまま、本能的にやってしまう。誰かの許可を得なければならないとなれば、それを破ることに対するある種の罪悪感が生じることになる。

 よく日本は「恥の文化」と言われ、それに対して西洋は「罪の文化」と呼ばれる。

 西洋のBDSMで使われる小道具に貞操帯があるが、男性用の場合は自慰行為を制限するためで、女王様の許可がないとオナニーできないお約束になっている。

射精管理


 そして必ずといっていいほどその約束は破られてしまうので、お仕置きされるという図式だ。

 キリスト教の影響下にある欧米人にとってこれがいいのは(つまりエキサイトするのは)

 罪を犯すという心理的プレッシャー

 に意味があり、羞恥心とはあまり関係がない。彼らにとって恥はタブーではないのだ。

 支配者に射精を管理されていることが無条件の前提としてあり、女王様の目の前でオナニーすることに対する抵抗感が少ない。

 要するに

「お許しが得られればオナニーしてもいいんだ!」


 という恥知らずな文化が欧米的とも言える。

 これは日常的に外国人、特に欧米人とつき合っている時によく感じることだ。

 自己主張が強く大袈裟なほど感情的で、違法でなければ少しぐらい恥ずかしい思いをしても別に構わないという態度。

 むろん全てがそうとは言わないが、欧米人に漠然と感じる日常的印象が、SMという非日常的で特殊なケースにもあてはまるから面白い。

 逆に日本人には、

 法を犯してでも体面を保とうとうする 人もいるから困ったものである。
 
 また、日本人は己の感情を人前で表すことに強い嫌悪感を抱く。武士道に由来するのかもしれない。

 特に男は女性の前では

 無表情がクール 

 ということになっており、現代にもこの価値観は生きているとみられる。

ゴルゴ13

 したがって女性の前でオナって興奮する姿を人に晒すなんてのは死んでも許されない行為となる。

 この点に羞恥心に拘束された文化と、罪悪感に強制力がある文化との差がみられるような気がする。

 極端な言い方をするなら、日本人は恥をかくぐらいなら死を選ぶ。

 おそらく、それが切腹の文化だったのだろう。

 西洋人は恥ぐらいでは死にはしない。むしろ神に背いた罪悪感に耐えられずに死をもって償おうとする。

 これは日本と欧米のDVDや配信動画などを見比べても容易に気がつく。

 日本のSMシーンでは「オマエ、恥ずかしくないのかい?」などと女王様がよくおっしゃる。

 これに対して西欧では「オマエは悪い子だ」(=罪を犯した

 とか、お仕置きだよ(=罰を受けなければならい)などという台詞が頻繁に登場する。

 洋の東西を問わず奴隷の自慰は女王様のご好意によってやのみ成立し、射精のタイミングさえ管理されてしまっている。この時点で奴隷は女王様の「お世話になっている」ことになり、オナニーが出来る喜びに感謝し、女王様に恩を感じなければならない。

 このような心理的メカニズムが、性的にノーマルな人には理解しがたい点であろう。

 最近のMフェチ動画において、素人っぽい少女が「はやく逝っちゃいなヨ」とか言う場面にお目にかかるけれど、(そういうのも良いけれど)ちょっと違うんじゃないか、と古いタイプのマゾヒストである僕なんかは萎えてしまう。

 普通の人は、誰にも世話になっていないという自立した精神こそが健全で、自慰という最もパーソナルな行為に関して誰かのお世話になっているなどという状況は想像もできまい。

 恥知らずでクレイジーな精神状態(事実昔は精神病扱いされたマゾヒズム)と言われてもむべなるかなである。

 逝く瞬間のエクスタシーよりも、管理され継続する陶酔と支配者に感じる恩が、マゾヒズムの本質とも言える。マゾヒズムは永遠の宙づり状態を目指す罪深い快楽なのだ。

 自慰や射精を管理する側のドミナは、そういうM男のメンタリティーを理解し、時間と心をコントロールしてして頂きたい。

ストップ

あぁ、もう我慢できません、女王様。

 まだダメよ! もっといい子になるまで。許さないわ。


  うう~、 ドピュッ ドピュンッ


 これを茶番劇と言わずしてなんと言えよう? 滑稽で、悲しい物語。


 M男にとって射精は、気持ちよくて恥ずかしい瞬間でもある。
 (ノーマルな男もそうだと思うんだけど)


 これがマゾヒズムの真実の姿なのだ。


【関連エントリー】

■ 逝かせて下さい女王様(SMいろはカルタ)

■ SMは風俗か?

■ 女王様はわかってくれない





















関連記事
[ 2009/10/14 12:06 ] マゾヒズム概論序説 | トラックバック(-) | CM(4)
とても分かりやすく、勉強になりました。 

いつもM男君と向き合いたい、何を思い、考えているのか、心の奥底でくすぶっている欲求はなんなのか…
知りたいとは思いつつも、短い時間の中で知り得る事には限りがあります。 

もっと深いところでぶつかり合いたいと思います。 
M側の方の心理などや、奥ゆかしい(?)日本男子の口から本心を語らせるには、私自身も貴男の事をちゃんと受け入れるよ、というスタンスを相手に分かるようにする努力をしなきゃと思いました。

また、寄らせていただきますね。
[ 2009/10/14 17:23 ] [ 編集 ]
麗奈さん、コメントありがとうございます。

 普通の人間関係で失敗している自分が、SMのセッションだけ上手くいくわけがない。

 僕は自分ではこのように考えています。

分かりやすかったですか? わかりにくいことをあえてめんどくさく書いてしまったような気がしていたのですが、そのようにおっしゃって頂けて安心しました。
 コミュニケーションの問題です。男女差とか東西格差なんかよりも「個人差」の占める要素が大きい。それを踏まえてお互いにしっかりと、インタラクティブな交流を心掛ければ、よろしいのではないでしょうか。
 
 彼氏と上手くいくとよいですね。

[ 2009/10/14 17:51 ] [ 編集 ]
SMのセッションの締めはやはり射精なのですか?
オナニーを命じて「ほら、女の前でオナニーなんかして恥ずかしくないの」とか言葉責めをしておいて、出すと、すみやかにティッシュをくれたりして逝ったことに触れない女王様がいますが、やはり射精の恥までは強く追及しない「武士の情け」なのでしょうか。
[ 2009/10/15 01:56 ] [ 編集 ]
 まぁ、暗黙の了承みたいな感じだと思います。SMクラブによっては黄金や奉仕をオプションにして別料金とるところでも、射精を項目として設定しているのはないはずです。つまりデフォルトである。もしオプションで射精できなかったら金返せということになるからでしょうか ^^;;;;

 あるSMクラブではカウンセリングシートに射精に関するチェック項目があって、

 □したい □したくない □おまかせ □プレイごとに決める 

などとなっていました。
 
 僕は「どちらともいえない」という項目はないのですか?と聞いて、どれにもチェックを入れなかった覚えがあります。

 もう10年ぐらい昔のことですが。

 僕にとっては本当にどちらでもいいことで、逝ければ気持ちいいけど特にこだわっておりません。それこそ相手次第なので、逝けなくても満足できるセッションは過去に何度もあったし、その逆で逝ければいいってものでもないですしね。

 射精が真の目的ならM性感やイメクラの方が確実だと思います。SMクラブではもっと特殊なファンタジーを実現することにウエートが置かれる傾向にあるような気がする。
(お店によります。というかミストレスによりますかね)

 でも確かに逝ったとたんにモードが変化するミストレスは多い。やはりそれがセッション終了の合図なのでしょう。

 「女王様に武士の情」とは、かっこいい!

 それじゃあ、ティッシュを受け取る時、M男の台詞は「かたじけない」ですかね(笑)



[ 2009/10/15 02:14 ] [ 編集 ]
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