
北川繚子さんは過去30年近くにわたってSMビデオ(主にMビデオ)を製作、撮影、編集されてきました。
もちろん女王様としても出演され、言うまでもなく
北川プロの代表取締役社長です。
最初は知り合いの男性と一緒にやっていたそうですが、やがてご自身が中心となり、親しい仲間たちと「スペードの会」というSM同好会を立ち上げます。これが今の北川プロの前身となります。
その頃の作品を見ているとわかるのですが、けしてプロフェッショナルな技術や内容ではありません。
どちらかというと、趣味的なそれは、お金儲けのためではなく、ユーザー(M男や女王様)への満足度にこだわるマニアックなつくり。
北川さん自身SMのことを全く知らずに、見よう見まねで、試行錯誤を繰り返してきたと言います。

当時すでに「美芸会」という立花玲子のサークルが大きな組織として成長しており、スペードの会に出入りするM男性は全て美芸会のメンバーだったとのこと。
もともと狭い、閉じられた世界の中での奇跡的な邂逅が行われていました。
北川さんも美芸会のビデオは参考にしたといいます。奇しくも時は裏ビデオがメジャーになりかけの時代で(「洗濯屋ケンちゃん」の時期と重なる)アダルトビデオの黎明期だった。
AVの中でも特にマイノリティーのSM、しかもM男向け「
表ビデオ」メーカーとして北川プロは急成長していきます。
そのコンテンツは、真のマニアによる秘めたる実像の記録です。
このような迫力は、今の映像にはもう見られなくなりました。
SMが市民権を得て、サブカルチャーのグローバル化が進んだ現代、初期の北川プロの作品は古典となりつつある。
日本のSM界をリードしてきた数々のカリスマ女王様を輩出してきたのも北川プロです。
目黒依子(六本木レーヌ・和美)、珠樹リサ(渋谷 Bo-Te)、朝霧リエ(La Siora)、
真璃絵(新宿プアゾン)、飛室璃杏(六本木シュガーヒール→ Kedama )、
青木麗奈(フリー)、丸奇ジュリ、朝之りら、ケイト、夏樹、キョロ、如月レオナ、
竜藤茜、龍崎飛鳥、辰神麗子(スイートデビル)、志穂 & Kika(大阪ルナティック)、
ジーナ(旧渋谷クイーンズクラブ)、山咲美花(現クイーンズクラブ)...etc
数え上げればきりがありませんが、おそらく100名以上のミストレスがこれまでに出演されています。
近年、乾はるか氏の「
黒パンスト」シリーズのように斬新な企画も打ち出し、新しいフェチ動画の可能性も開拓してきた。
北川さんは常に自分の感性を信じて、妥協することを嫌い、こだわることを恐れず、ひたむきにやってきた。
失敗や挫折を積み重ねつつも、数々のヒット作を世に送り出してきたのです。
そういう北川さんだからこそ、僕にほとんど経験のないことをわかった上で撮らせてくれるのでしょう。
この不景気の中、売れるかどうかもわからないものを、なんの実績もない僕のようなヘタレにまかせてくれるなんて、今でも信じられません。
「何か面白そうなものを撮ってくれそうだ」というかすかな期待だけで、おそらく苦渋の決断だったと思います。
この伝統と実績の歴史に並ぶような作品を何としてもつくりたい。
もしつくれなかったとしても、失敗したからといって、拉致・監禁されてお仕置きされるわけではありません。
そうなったらなったで面白いのですが、残念ながら北川プロもそこまでヒマじゃない。
企業としての赤字のリスクはあるけれど、万が一の場合僕個人に何らかの責任を負わせようと北川さんは全く考えていない。
そこが恐ろしいです。北川さんの信頼を裏切ることは死んでも出来ない。
僕はプロではないけれど、プロ以上のプロ意識を持って、このプロジェクトに命を賭ける決意をしました。
と、ブログには書いておこう....
【関連エントリー】
■ もし、ヘタレMが北川プロの作品を監督したら ■ 女王様という名の女優 ■ キャスティング
m(_ _)m
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そうやって偏見にも負けずに、
我が道を信じて突き進む姿、尊敬します。
またいいお話があればお聞かせくださいね。