
どうして大晦日だけ、過去12ヶ月をプレイバックしたくなるのだろう。そのタイミングは、2月であっても、6月であってもいいのに。
てなことを過去にも書いた事があるような気がしますが、ま、いいか。
それにしましても、今年を振り返ってみると、僕の人生の中では大きな転換点となるような出来事が幾つかありました。
最も印象に強く残っているのはやはり、春川ナミオさんとの出会いです。正直なところ、まさかご対面できることになろうとは、本当に思ってもいませんでした。イラストのファンではあっても、その作者に「よっしゃぁ 直接会いに行こう!」という発想もあり得なかったのではないでしょうか。
その出会いをコーディネートして下さったのが、北川プロ代表の北川繚子さんです。
今年の夏のある日、5月に札幌で撮影した「北の大地SM紀行」の編集の手伝いで、僕は刈谷の北川プロを訪れていました。この時に、北川さんは春川ナミオの原画を僕に見せてくれたのです。
初めて見る原画の迫力に圧倒されました。なんと緻密に描き込まれているのだろう。感動に震えながら、無造作にファイリングされている原画作品を、おそるおそる丁寧に一つずつ見つめていきました。
北川プロのビデオパッケージに使用されてきた、数々の見覚えのあるイラスト群の中から、一つだけ見慣れない珍しいタイプの作品が目を引きます。
「あれ?こんなのあったっけ...」
しばらく目が釘付け状態になっていると、北川さんが
「それ気に入ったのなら、あげるわ」 と、とても信じられないことをおっしゃる。
「え~! まじめにですか? ホントに持って帰っちゃいますよ」
ビデオ作品に合うイメージではなかったので、これまで一度もパッケージには使用されず、ファイルに保管され続けてきた未発表の作品だったのです。どうりで見覚えがないはずだ。しかしそんな貴重なお宝原画を、僕なんかがもらっちゃってもいいのだろうか。
「本当にその絵が好きな人の手元にあった方が、作品も春川さんも喜ぶと思うわ」
なんと気前のいい。北川さんこそ、春川作品を熱烈に愛するその人であるはずなのに。
春川作品の魅力については、これまで何度か北川さんとお話していました。北川さんは女王様なのに、不思議とM男目線で雄弁に語る。
M男の心理や思考をよく理解していたからこそ、マニアックで厄介な市場において多くのヒット作を世に送り出せたのでしょう。
こういう出来事があり、春川さんと親交の深い北川さんが、会うチャンスを設けてくれたのです。
誤解のないように書いておきますが、僕は一言も「会いたい」とか、「会わせて下さい」とかお願いしていません。北川さんのほうから「そんなに好きなら、いつか会わせてあげたい」と言ってくれたのでした。
僕はその「いつか」とは、永遠に来ない日であり、社交辞令的に言ってくれているだけだろうと思っていたのですが、その一ヶ月後、本当にアポをとってくれて、会わせて頂いたわけです。
北川さんには本当に感謝しております。そして、いやな顔一つしないで僕のバカ話におつきあいしてくれた春川さんにも。
今年は様々なご縁がダイナミックに展開した一年でした。
僕のブログの読者の方々とも直接お会いする機会に恵まれました。
そして、ブログの読者ではなかったけれども、初めてお会いした方には素晴らしい人がいました。
直接お会いするチャンスには巡り会えませんでしたが、ネットで交流のあった方々、コメントやメールで和気あいあいとおつきあい頂いた全ての方々に、感謝の気持ちを込めて、本年度最後のエントリーとさせて頂きます。
皆さん、よいお年をお迎え下さい。
【関連エントリー】
春川ナミオ氏と会う!
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