春川ナミオのイラストを、どういうわけだかネットで紹介したくなる一つの理由として、おそらくは誰かに見せてみたい気持ちは強いのだけれども、直接人に見せることが難しいからだと思われる。
「私はこの絵が好きです」と、誇らしげに宣言できないもどかしさ。
匿名だからこそ、気恥ずかしくも公開できるのではないだろうか。
著作権上の問題があるにもかかわらず、そうした後ろめたさよりも、好きなんだけど恥ずかしいものを人に見せる罪の意識に快楽をみる。
自分に共感してくれる人の存在を信じて、みんなやみくもにアップロードしまくっている。
ついにM男的台詞付き画像にも登場した春川作品

偉そうに言うつもりは全くないが(むしろ申し訳ない)僕もそんな一人なのである。

だからこそ、ネットには春川ナミオの作品が氾濫している。
また、
ブログなどで紹介する人も後を絶たない。
ネットで見かける春川作品には、キャプションやタイトルで掲載メディアを特定できる場合もあるが、たいていは発表当時の出自や文脈が不鮮明なことが多い。
春川作品は出版社や編集サイドの意向で使い回しされることもよくあった。一度使われたイラストが、別のキャプションで再利用されるということも珍しくない。
例えば、誤植で有名な「春川ナ
オミの世界」で使われているイラストは、SMコレクター(だと思う)の「闇の女王」というシリーズの一枚である。
この誤植バージョンでは、発表当時の世相を反映してなのか、自主規制の黒スミが入っているのも面白い。
下の無修正版を見ても「気にするレベルか?」と思えるのだが...
春川ナミオ 友の会でも紹介されていた人間ブランコのイラストは、もともとは「ダメ男M日記」という小説の挿絵として描かれた作品である。

このイラストはサン出版から版昭和55年に発売された画集
痴人の愛の表紙にも使用されている。
主人公(?)のM男である弘史が加津子の奴隷となっていくプロセスの中で、夜の公園でブランコ遊びをするシーンがストーリーの文脈に忠実に表現されている。
ちょっと失礼な言い方をするなら、小説としての作品性が二流でも、春川イラストのおかげで一流の輝きを見ることも出来るような気がしてくる。
この小説を読んでみたい人は、
ここ に掲載分全ページをアップしておきましたので、ご覧になってみて下さい。
M小説のもたらすインスピレーションを最大限に増幅させてくれる効果が圧倒的だった春川作品の素晴らしさを再確認することができると思う。
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