
先日の
「初心者M男にありがちなセリフ」という記事の反響なのでしょうか、ご相談のメールをたくさん頂きました。
その中で興味深いものがありましたので、ご本人の了解を得た上でご紹介します。
(ー以下原文のママ引用ー)
はじめまして。
ちょっと気になることがあって教えてください。
Homerさんはどうやってマゾになったんですか?
僕も最近からマゾになりたくて、調教を受けたいのです。
マゾを上達するには1日最低、どれくらいの時間調教を受けたらよいのですか?
また、1ヶ月に何回ぐらいSMクラブに行けばよいのでしょうか?ということです。
よろしくお願いします。
正しいマゾになりたい初心者M男より

「正しいマゾ」というのは何だか斬新な響きがあります。
「マゾを上達」とは、いったい彼は何が望みなのでしょう?
このユニークでオリジナリティあふれる表現力には感動してしまう。
そもそも何でマゾになっちゃったのか、僕のほうこそ神様にでも訊いてみたい。
「正解なんて誰にもわかりません」と、お答えするしかなかった。
でも、ご参考になるかどうかはわかりませんが、返信を書いたついでもあり、少し解説してみたいと思う。
最近の若い人たちが抱えるこの種の悩み相談への明快なお答えはできませんが...
しかし問題点を指摘することで、なんらかのヒントかアドバイスにはなるのかもしれません。
何でもそうですが、相手の立場で考えてみることが大切です。
このメールからは、質問者のいろいろな特性が読み取れる。
まず彼はどんなことにも正解があると思っているようです。
百歩譲ってあったとして「正解は人によって違う」ということをわかってほしいです。
誰かに質問するのはいいのですが、ベストアンサーが返ってくるとは期待しないほうがいい。

また、「誰から」、「どのような調教」を受けるのか、という質的な問題を抜きにして、
時間や回数という数量的なもので「マゾ体験」を測ろうとしている。
これも非創造的で残念な発想です。
おそらくこういう質問をする人は、何をやってもマゾにはなれないのではないでしょうか。
世間的にマゾというレッテルを貼られても、それは本人が満足できる「マゾ」ということにならない。
例えば「介護福祉士になりたい」と資格をとろうと思っている人は、介護士としてどのような仕事をやりたいのかを考える必要がある。人びとに癒しを与えるような仕事をしたいとかなんとか、おそらくそういう「夢」みたいなことを考えているからこそ、勉強しているはずです。
だけど資格がとれたからといって、そのやりたいことがすぐに実現するわけではない。
現場ではやりたくないこともたくさんやって、失敗や修羅場を踏んでから、はじめて人並みの仕事ができるようになる。
資格をとって何かになることと、やりたいことを実現することは別なのです。
この質問者のやりたいことが、個人的なプライベート調教なのか、SMクラブでのパフォーマンスレベルなのかがわかりませんが、とにかく失敗を恐れずに、何でも経験してみることでしか道は開けないと思います。
自分一人だけのテクニックや感じ方という問題ではなく、相手あってのことですから。
いきなりSMクラブに行くのに抵抗があるという人は、フェティッシュ・バーなどから入るのもいいと思う。
例えば
アマルコルド のミストレスが
「奴隷育成コース」みたいなことをやっています。
もし本当に礼儀作法も含めて基礎から勉強してみたいというM男初心者は、こちらをお訪ねになってみてはいかがでしょうか。
もちろんこういう「ナントカ育成コース」などに入って、すぐナントカになれるかどうかは保証されません。
多少の「育成」か進歩が期待できるかもしれない、という程度と思っておいた方がいい。
それにしましても、「育成コース」というのは巧みなネーミングだと思った。
「調教」コースではありません。したがって「調教」が受けられるわけではない。
ただ、どんなことでも経験してみるのは、いいことです。
ちなみにこういう店に初めて行く時は、ごく普通のモードで行ったほうがいい。
店に入ってイキナリ「跪いて足をお舐め!」みたいな展開になるわけがないのであって、
ごく普通の挨拶、一般常識の範囲内の会話から始まります。
*僕が初めてこの店に行った時の思い出を以前書いてます。→ GalleryBar アマルコルド
まずそれをクリアしてからの奴隷志願なりM男入門ということになるでしょう。
マゾというのは(あるいはM男、奴隷、その他ペットでも家畜でも何でもいいのですが)、
女王様にご調教(または支配・拷問・飼育・お仕置き、その他なんでもいいのですが...)
そういうことを希望する前に、まず「人として」の最低限の資質、常識、モラルやマナーを身につけていなければなりません。
マゾや奴隷としての資質や資格でなく、ごく普通の人間としての属性のことです。
そうして、女王様とのある程度の信頼関係が構築された段階で初めて、
「正しいマゾになりたいのですが、ご調教して頂けますか?」 ・・・みたいなことを試しに言ってみるといい。
それが上手くいくかどうかはわかりません。うまくいかないかもしれない(>_<)
もし失敗したら、何故失敗したのかを考え、次のステップへとすすむこともできるでしょう。
あなたが人としてそれなりに女王様に評価され、認められているならば、上手くいく可能性もなきにしもあらずです。
試験問題集のように、ページをめくれば正解にたどりつくようなことは、人生では滅多にない。
多くの失敗や経験を重ね、自分自身で見つけ出すのが、あなたにとって真の「正解」なのです。
う~ん、何のアドバイスにも解答にもなっていませんかね?
偉そうなことを言っているつもりはなく、あたりまえのことです。
質問された人はおそらく
僕の体験談 みたいなのを聞いてみたかったのかもしれません。
でも僕には誰かの参考になるほどの経験はないのです。
確かに失敗の経験はいっぱいあるのだけれど、それは言いたくない(>_<) 僕は今でも自分を初心者のMだと思っている。できることは限られた、自分勝手なヘタレです。
けして「正しいマゾヒスト」ではない。それに、正しいマゾになりたいとも思ってなかった。
自分の願望を考えただけで恥ずかしかったけれど、その実現を模索してきただけです。
なりたくてなったわけでもなく、気づいた時にはどうやらマゾだったらしい? みたいな感じ。
正しくはない道を歩んできた愚かなマゾとはいえ、長い道のりではあったようにも思う。
そんな僕に偉そうなことを言える「資格」はありませんが、マゾになりたいと願っている若い人たちに、今は亡きスティーブ・ジョブズ氏からの名言を借りてそのまま贈ります。
貪欲であれ、愚かであれ!
スタンフォード大学卒業式で行われたスピーチより
マゾというのは、誰もが試験に合格してなれるようなものではない。
なるのが難しいという意味ではないけれど、無理してなるものでもないでしょう。
「正しいマゾ」とかにこだわらず、「正しい自分」になって下さい。
なりたい自分を見つけ、自分に正直に生きていきたいものです。それが難しいのだけれど...
もしかするとそれこそが、最も貪欲で、一番愚かなことなのかもしれません。
ご検討を祈ります。

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■ 悩み相談■ 女王様からの手紙 ■ 迷惑メール
世の中を舐めてはいけない

舐めていいのは女王様のお尻だけ

貪欲であれ、愚かであれ!
世の中を舐めてないか (。。)☆\バキ

網タイツの上からなら許して(>_<)

これぐらいなら、いいかな?

正しいマゾになりますから、誰か顔面騎乗してくらひゃい(>_<)
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