
一般の人からすれば、SMなんていうのはシュールな世界なのだと思う。
変態を自負する僕たちでさえ、非日常的であることのほうが多いのだ。
セックスによる快感も、倒錯による快楽も、実は紙一重の差。
SMという屈折率の高い仮想現実には不気味なリアリティが存在する。
SM的なる行為が「日常的な現実を超えた新しい美と真実を発見」しようとする試みだとするならば、
それはアンドレ・ブルトンが宣言したシュルレアリスムと同質のものとも言えるだろう。
シュルレアリスム。
―― 私にとってそれは、青春の絶頂のもっとも美しい夢を体現していた ――
マルセル・デュシャン

興味のない人には意味不明だったり、気味悪かったり...
Femdom Art や女性緊縛写真にしても、見ているだけで異次元の世界へと誘う要素は、前衛芸術と似ている。
そうであるなら、SMは20世紀最大の芸術運動であったとも定義できよう。
いや、疑いなくSMはクリエイティブで、刺激的で、アグレッシブである。
シュルレアリスムと全く同じ描写があてはまっているではないか。
シュルレアリスム展【と き】 2011年 2月9日(水)~5月9日(月) ※毎週火曜日休館(ただし5月3日は開館)
【ところ】 国立新美術館 企画展示室1E (東京都港区六本木7-22-2)
【時 間】 10:00~18:00 ※金曜日は20:00まで、3月26日(土)は「六本木アートナイト2011」開催に伴い22:00まで
【観覧料】 一般当日 1,500円 大学生 1200円、高校生 800円 中学生無料
お問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
◇主催 国立新美術館、ポンピドゥセンター、読売新聞社、日本テレビ放送網
◇後援 フランス大使館
アクセス
東京メトロ千代田線 乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
東京メトロ日比谷線 六本木駅 4a出口から徒歩5分
都営地下鉄大江戸線 六本木駅 7出口から徒歩4分
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なかなか良い企画が多いですよね~。
私も、
六本木に行くたびに気になっていた
「小谷元彦展 幽体の知覚」
at 森美術館
観てきました。
残念ながら、明日27日までなのですが。
「Ruffle (Dress 04)」
という作品があり、
図版の解説がなかなか良かったので
少々長いですが引用掲載させてくださいませ。
「大海原にぽつんと浮かぶいかだの空撮映像を見たときに感じた恐怖が、作品の着想となっている。
スカートのような形状の本体を装着して海に漂流すること仮想してみると、両腕は器具が邪魔して波をかくこともできず、両足をばたつかせても方向をコントロールすることはかなわず、上半身と下半身の知覚は分断される。水面上の視線は空と海を見つめつづけ、下半身は急速に体温を奪われていく。
絶望のうちに狂っていく人間が発する悲鳴は楽器の音を連想させ、ヴァイオリンにも似た作品の塗装と呼応する。
この美しくも残酷な拷問器具は、さざ波(ラッフル)を立てながら永遠に海面を漂いつづける。」