
漫画ばかり読んでいた小学生の頃、自分のおこづかいで初めて買った活字の本が
星新一の文庫本だった。
数えきれないくらい買いまくっていたので、何を初めに読んだか覚えていないけれど、一番最初のきっかけは真鍋博の一風変わったイラストに惹かれて手にした記憶がある。

表紙買いは今でも僕の書籍購入の最大の動機になっている。
和田誠やヒサクニヒコもいい表紙絵を描いているけれど、星新一の作品世界を最もスマートに表現しているのは真鍋博だと思う。

中学生になってからも、友人たちはやれ芥川だ、漱石だの、イキナリ文学青年づらしてすましたことをぶっていたのを尻目に、僕は星新一を密かに愛読していた。その影響もあってか、筒井康隆や夢野久作、そして沼正三や三島由紀夫、谷崎潤一郎といった自然な(?)流れで僕のその後の傾向が決まってしまった。
大正生まれの星新一が、このようなSFのショートショートをこれほど大量生産していた事実に驚く。
今読んでも全く古くさい感じがしないけれど、僕は郷愁の思いでほのぼのしてしまう。
星新一展 →
世田谷文学館(6月27日まで)
世田谷文学館で没後初の星新一展
m(_ _)m
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N氏のシリーズがミステリアスで好きでした。
同じ頃に江戸川乱歩やFBI系をよく読んでました。
中学生の頃が一番偏った読書をしていたように感じますが、
どれも自分にとっては何も奇異な感じはありませんでした。
その後(和洋問わず)いわゆる名作を読む時期が訪れましたが、
偏見がなさすぎたのか、私にとってはその後出会った、
谷崎も、太宰や芥川と同列でした。
むしろ、安部公房やサリンジャー等に、
珍しいような楽しさを感じてました。
懐かしいですね~。
後世に残したい作家を選べと言われたら誰でしょうね。