初のSM業界コミックの連載 SMクラブの女王様が主人公というのは、大手の一般コミック誌ではやはりまだ珍しかった。すでに小学館のスピリッツから
「Beehive 蜜蜂の巣」という作品が出ていたのだが、連載は半年で終了している。(単行本は現在絶版)
「麗羅」は最初は単発の読み切りとして2000年10月に発表され、その後3年にわたって連載が続き、単行本が昨年秋に第7巻で完結した異例のロングシリーズである。
(2005年6月現在まだ入手可能)
男のマゾ心理を適確にとらえた山田ゴメスの原案と三山のぼるのソフトな画風はよくマッチしながら、従来的には暗く陰湿になりがちだった世界が爽やかに表現されていた。
おそらくは
北川プロがモデルではないかと推察される団体も登場し、実在しそうなキャラクターがコミカルかつリアルに描かれ、SMをテーマにここまでエンタテイメント作品に仕上げた手腕は素晴らしい。これはSM業界版の「美味しんぼ」であり「課長島耕作」であり「山口六平太」となり、幅広い層からの支持を得た。
下に紹介するのは増刊号 (2002年1月1日)の番外編。なんと巻頭カラーであった。読者の視線は下から見上げる奴隷アングルと同化し、まるで自分が調教されているかのような気にさせるコマづくりは見事。しかし暗示的とはいえM男の射精をイメージさせる場面は、やはり一般誌としてはキワドいところだったと思う。こうした内容がマニア向けではなく一般作品として登場したことに戸惑いを感じつつも、フェムドム・カルチャーの広がりを期待してしまった。
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麗羅(レイラ)/三山のぼる(集英社・ビジネスジャンプ)
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