
昔はSMクラブで
プレイルーム甘美、じゃなくて
「完備」と広告でうたってはいても、実際にはごく普通のマンションの一室であったりした。
本格的な吊りの設備や拷問台があっても、場所は和室の畳の上。
天井には家庭的な蛍光灯、所帯染みた食器棚やテレビも雑然としてある。
これからやることの非日常性と、日常的な空間のギャップがかえってシュールさを出していた。
郊外の一軒家から新宿の高層4LDKマンションに引っ越してきたさくら一家の夕食風景。
父・ひろし:「母さん、醤油まわしてくれ」
娘・まるこ:「ごはんおかわり!」
母:すみれ:「おじいちゃん、食事中はテレビ消して下さいな」
プツン。 ピシっ ピシっ
母:「あら、なんの音?」 ピシっ!ひぃぃ~、ピシぃ!
父:「隣の部屋からかな?」【隣の1126号室の会話】
「このブタ野郎、ひざまずいて足をお舐め!」
「あぅ~女王様、お許し下さい! じゃなくて、もっとぶって!」
「これがいいのか? ん? そんなに大きくしちゃって」
「あふぅ・・・ あぃ~ん」
まるこ:「お母さん、変な声が聞こえるー」 「うぉ~」「あぅ~」 ムチの音ピシッ!
縛ったり鞭で打ったりと、日常社会では許されないことを擬似的に行うのがSMプレイだ。
その非日常的な仮想現実が日常の現実生活と接点を持った時にコンフリクトが発生する。
ラ・シオラが摘発された理由の一つは、このニアミスが大きい。
しかし、隣の部屋から漏れてきたのが、ベッドのきしむ音や
「そこじゃないわ」
「愛してるよ」
「あ~ん、イクぅ~」
などという声だったら、問題にならなかったのだろうか。それが営業行為の結果としてのノイズであったとしても、人々の奇異の目にさらされることはなかったのだろうか。
SEXが日常か非日常かという問題はさておき、隣の人は何する人ぞ?というレベルの、都会の無関心がほってはおけない特別な理由とは何だろう。マンションの密室では、音も立てずにひっそりと女性の身体を細かく切り刻みトイレに流す人もいる。
人を殺すためにわざわざ秋葉原に行く人もいる。
こうした都会の狂気に比べれば、70分2万円のバーチャル・リアリティを買いに行く人の行為は、実に健全な部類に思えるのだが。
【
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