イタリアの雑誌「NU」に発表された Kazukiさんの作品。

モデルは現役時代の朝霧リエ
「顔面騎乗に花束を!」の編集で使用した写真には、かつての北川プロのメインスタッフでもあった Kazukiさんの作品もあります。
豊さんやKazukiさんの作品を見ていると、写真というのは本当に感性の世界なのだなぁとあらためて思う。
これはもちろん、絵画や音楽、あらゆる芸術表現に言えますが、今回シビアに写真作品の構成という作業を通じて、つくづく感じたことです。
同じシーンを撮らせても、撮る人が撮ればその人にしか撮れない独自の場面になる。使用する機材やレンズのチョイスも含めて、その人だけの「スタイル」というものがある。
SMやフェティッシュな写真に関しては、技術以前にこのようなスタイルや感性の方が極めて重要な意味を持ちます。風景や鉄道写真などにも、その世界独特のものはありますが、その作品を見て、誰が撮ったかすぐにわかるほど「スタイル」が確立されている人は、プロでもそうはいないと思う。
写真の一般性には「多くの人が共感できる世界観」というべきものがあります。
ロバート・キャパのような報道写真がいい例です。
しかし、フェティッシュな写真には「その人ならではの世界」が大切。
つまり全ての人にわかる必要はなくて、ある種のフェティシズムを理解する特定の人々に強烈にアピールするものがなければならない。
アイドルのグラビアならクレジットを見なければ
篠山紀信 か
渡辺達生 が撮影したものかわかりませんが、豊さんや Kazukiさんが撮ったものはすぐにこれだ!と一目でわかる独特のものがある。

「復讐の美尻」に出演していた竜藤茜。(以下全て「NU」から)
Kazuki さんはビデオカメラの撮影もこなし、後期北川プロのムードメーカー的な影響力を誇っていましたが、今や世界的なフォトグラファー。
北川プロで作品を製作するなら、当初は 彼に依頼しようかな・・・とも考えていた。
残念ながら彼は北川プロからすでに離れており、実現することは出来ませんでしたが...

しかし、もしKazukiさんと組んでいれば、「顔面騎乗に花束を!」は全く別の作品になっていたかもしれません。
それぐらいスティール写真の存在意義は、僕の中では大きく、重たいものがあった。
今回は、ご縁があって豊さんにお願いしましたが、Kazukiさんとは全く別タイプではありながら、独自のスタイルを持っているという点で、どこか共通するものがあるように感じています。
Kazukiさんがキメの細かい「アーティスト肌」とするならば、豊さんは荒削りの「ドキュメンタリー派」と言えるでしょう。
豊さんは場面を意図的に構成したりするのではなく、自然に展開する状況の中から狙ったものを鋭く切り取るタイプで、僕もどちらかというと感覚的にはドキュメンタリー系なので、豊さんとの息はぴったりあってました。
Kazukiさんとは2〜3度お会いしたことがありますが、こだわり方が僕以上にマニアックで、もしかするとちょっとやりにくいかも?という印象がありました。
それでも、もし機会があればいつかはKazukiさんともご一緒に仕事をしてみたいと思っています。

Kazukiさんや豊さんのように、スタイリッシュな世界を映像(動画)で表現したかったのですが、僕には才能が乏しかったようです。
しかしそれは最初からわかっていたことで、僕よりもいい絵を撮影できる人の手助けが必要だったと本能的に感じていたのじゃないかと思っています。
スタッフや出演者も含めて「顔面騎乗に花束を!」に関わった人間の中では、僕が一番のアマちゃんでした。
これは北川繚子さんもお気に入りの1枚
↓

M女のヴァギナをフランス料理のようにあしらってますが、このような場面設定は Kazukiさんのアイデアだそうです。
掲載号の表紙。右下のほうに、
Kazuki Suzuki のクレジットが見える。

イタリア語と英語で書かれています(クリックで拡大表示されます。右側が英文)【Kazukiさんの作品を紹介しているエントリー】■ 女王様とM男の関係 【朝霧リエさん関連エントリー】■ ラシオラのSM 朝霧リエの思想と美学
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さすがだな、と。
水分補給や休息など、できるだけサポートはしましたが、プロは自分でなんでも片付けられるようですね。
ところで、この雑誌は最近出たもの?