
札幌で、
有末剛 さんの緊縛ライブを観てきました。
これまで女王様による緊縛ショーはけっこう見てきましたが、率直に言わせともらうと、比較にならないほど素晴らしいものでした。そもそも比べるのが失礼になってしまうのでしょう。次元が違うというか、SMとかエロス以前に、純粋な伝統芸能としての、華道のように、縄で女を生けるような巧の世界を見せられたような気がします。
責め絵の巨匠として知られる
伊藤晴雨 、そしてその愛弟子とも言われた喜多玲子(=須磨利之=美濃村晃)。
有末さんはこの流れを受け継ぐ正当派緊縛師です。
昨今、ファッションやエンターテイメント性をウリのポイントにしたSMショーの隆盛の中では、やや保守的な流れに位置しているかにも思えますが、映画「花と蛇」の縄師として活躍されており、この分野の第一人者でもあります。
海外に向けて日本の伝統文化としての緊縛の技と心を紹介するため積極的に活動されています。

僕も先日購入したDVDでは、有末さん自らがナレーション(原稿も)を担当し緊縛技術を初心者、特に外国人を意識した構成でわかりやすく解説されていました。(英語字幕付き)
けして早い動きではないのですが、優雅で洗練された縛る手際の良さは、人間国宝級の技です。僕はDVDの映像ですでに感銘を受けていたので、ナマの有末緊縛をしっかりと目に焼きつけようと集中して見ていたのですが、いつの間にか縛られているM女さんの肢体に目が釘付けになっています。伊藤晴雨の責め絵のように美しく縛られた女体が浮き彫りになり、有末さんの姿はまるで人形浄瑠璃の黒子のように舞台からきれいにフェードアウトしてしまっている。本当に鮮やかで見事でした。
こういう縛りをする女王様はいませんね。僕はSMのカテゴリーの中で縛りは苦手であまり好きではないけれど、このような緊縛なら経験してみたいと思います。
有末流を受け継ぐ女流緊縛師の登場を期待したいものです。
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やっぱりそれなりに目立ってこその女王様というか。
女王様じゃなくて、もっと職人的な女流緊縛師なら黒子もオッケーだと思います!