
池上 彰:皆さんは、
M性感 ってご存知でしょうか?
劇団ひとり:あー、アレですよね。女王様に鞭で叩いてもらうヤツ?
池上 彰:さすが!ひとりさん、よくご存知ですね。
でもそれはM性感とは言いません。
ひとりさんのいうそれは、SMクラブと呼ばれています。

劇団
ひとり:あ~、そうなんだ。
← 知ってるくせに! とぼけちゃって
土田晃之:え、じゃぁ、M性感とSMクラブの違いは何なんですか?
池上 彰:いい質問ですねえ! 皆さんは、どこに違いがあると思いますか?
真鍋かをり:どちらもMの人が行くところですよね? (頷く池上さん)
あ! M性感の方には女王様がいないとか?
土 田:それじゃ、M性感にならんだろう...
池 上:いえいえ、鋭いご指摘ですよ。
それではまず、SMというものが何なのかということから見ていきましょう。
SMの概念は非常に難しいものなんですが、出来るだけ簡単にご説明します。
SMとは、Sadism(加虐性)とMasochism(被虐性)の頭文字を合わせた呼び方です。
サディズムは加虐性欲とも訳され、相手に苦痛を与えることで喜びを覚える性癖ですね。
そして、マゾヒズムとは被虐性欲、つまり虐めを受けることで喜びを覚える性癖です。
ひとり:えー、虐められて喜ぶなんて、ただの変態じゃないですか!
スタジオ大爆笑 (^^)
池 上:いえいえ、ひとりさん、マゾ性癖を持つ人は世の中に大勢います。
ひとりさん、今の発言は叩かれますよ~ 今頃実況スレッドは大荒れでしょうね。
真 鍋:あんなコト言って、ひとりさん実はMだったりして。
池 上:すばらしいツッコミですね~。
土 田:よく「あの人はS」だとかMだとか言いますけど、
世の中にはそんなにたくさんのSMな人がいるんですか?
池 上:それも良い質問です。実は、現代のSMはそれほど単純ではありません。
これは、私たちが日常生活で使うSとMと、精神医学でのサディズム・マゾヒズムの扱いに大きな差があることに原因があるんですよ。
真 鍋:普段話してるのと、専門用語では意味が違うんだ?
池 上:その通りです、真鍋さん。
精神医学の世界では、サディズム・マゾヒズムは精神障害として扱われます。
これは性的倒錯(パラフィリア)と呼ばれ、まぁ、ある種の精神病ですね。
真 鍋:精神障害って、なんか、ひどくないですか?
土 田:世の中にそれだけたくさん精神病にかかってる人がいるってことですか?
池 上:
いや、精神医学上のサディスト・マゾヒストに分類される人はそこまで多くないでしょう。
むしろ問題なのは、私たちが普段Sとかマゾとか呼んでいる人達の方です。
彼らは精神障害を持っていると言えると思いますか?
ひとり:やっぱり、精神的に…う~ん、いや、どうだろうなぁ。
これだけ一般に広まってますもんね。
土 田:その傾向があっても、人によって程度も違いますよね。
真性MやドMとか、
仮性M とか言いますし
池 上:よくご存知ですね!そうなんです。
SMがこれだけ一般的な概念として広まってしまい、土田さんがおっしゃるように人により程度に大きな差が見られる現状では、サディスト・マゾヒストという言い方を本来の意味で使うことが難しくなってしまったんですよ!
ひとり:じゃあ、今のサディスト・マゾヒストっていうのは
どういう意味になるんですか?
池 上:はい、現在は加虐/被虐傾向を持った人へのレッテル貼りとして
人間関係をなめらかにするツールとして使われることが多いようです。
いじられキャラの人を「あいつはマゾだ」とかいった具合ですね。
または高飛車な態度をとったり、自己中心的な人が「私はSだ」といったように、
自分の傾向を説明するときに使われます。
ひとり:ちなみに池上さんはどちらなんでしょう?
池 上:いい質問ですね!
実は、私はノーマルなんです!
土 田:え、イキナリ新しい言葉が出てきましたね。どういうことなんですか?
池 上:ノーマルは加虐趣味や被虐趣味に極端に傾いていない人のことを指します。
サディストをS、マゾをMと表記するように、ノーマルはNと表記することもあります。
真 鍋:え、じゃぁ、ノーマルな人は加虐趣味も被虐趣味も全然ないんですか?
池 上:鋭いご質問ですね! 実は、両方あるんです。
先ほど私は「
極端に傾いていない」と言いました。と、いうことは…?
土 田:少しは傾いてるっていう・・・
池 上:その通りです。
極端に傾いていない分、少しであればSとMを両方カバー出来るのがノーマルです。
ノーマルな人にはSとMがバランスよく混在し、
時と場合によってブレや揺れがあるのが普通です。
真 鍋:エ~ すっごーい!
でもお、どっちかに傾いたまま戻ってこない人とかもいるんじゃないですか?
池 上:おっしゃる通りです。
昨今のSMブームを見ても分かる通り、Sの人もMの人も街に溢れかえっていますよね。
彼らは、SMの世界にハマッたまま、戻れなくなってしまった人達なんです。
ひとり:S趣味やM性癖に走る人がそこまで多いのは問題じゃないですか?
池 上:それは学者によっても意見が分かれているんですよ。
ただ、私個人の意見を言うとするならば、彼らによって支えられているニッチな業界もありますし、決して、悪いことばかりでもないと思います。
SMという様式によって形づくられた独自の文化の中には、
高い芸術性も見られます。
真 鍋:芸術・・・、どんなものがあるんですか?
池 上:はい、実は今日、サンプルを持ってまいりました。ご覧下さい。

真 鍋:うわ~っ、すごい縛られてる!痛くないんですか!?
土 田:でもなんか、ロープの模様が幾何学的で整ってますよね、
亀の甲羅みたいな…
池 上:いいところに気がつきましたね!その通りなんです!
これは『亀甲縛り』と呼ばれるもので、縄が、まるで亀の甲羅の模様みたいですね。
見た目にも美しく、 縛られる側にもやさしい縛り方なのです。
「痛くないの?」と質問がでましたが、実は見た目ほど痛くありません。
よく見て下さい、縄が全身に張り巡らされているでしょう?
ということは、縛りの負担がバランスよく分散されて、あんまり痛くないんですよ。
真 鍋:確かに美しいですね。これは、日本独自の技術なんですか?
池 上:ええ、これは日本独特のものです。縄文式文化です。
(←これはウソ) この他にもたくさんの縛り方があって、これらを「緊縛」といいますが、
Kinbaku は英語にもなっており、近年では日本独自のアートとして海外からも注目されているんです。
ひとり:ロープ・ボンデージ・アートとも言いますよね!
池 上:ひとりさん、意外とお詳しいですね!
古くは罪人を拘束する捕縄術に始まり、昔から緊縛師と呼ばれる職人さんが存在します。
日本には緊縛を題材にした絵画や文芸、映像作品が豊富にあり、国際的な評価も高いんです。
土 田:なにか、日本の作品が認められるきっかけみたいなものはあったんですか?
池 上:これには諸説あり、一説には日本を訪れたフランス人が帰国後自国に日本のSM作品を紹介したのがきっかけという説もあります。
土 田:へえ~
ひとり:緊縛の他には、どんなのがあるんですか?
池 上:ひとりさん、ご存知のくせにいい質問しますね~
緊縛の他には、鞭、ロウソク、浣腸などがあります。

土 田:チョッ、ちょっと待ってくださいよ!ロウソクって、何に使うんですか!?
池 上:はい。ロウソクに火をつけると溶けますよね?それを体に垂らすんです。
真 鍋:え~熱そう…火傷しちゃうじゃないですか。
池 上:そう思いますよねえ!でも実は、大丈夫なんです。
私たちが普段使っているロウソクの融点、
つまり溶ける温度のことですね、は、60℃前後なんです。
真 鍋:そんなに熱くないんだ…
池 上:いやいや、低い温度に感じられるかもしれませんが、60℃は十分熱いです。
でも、じ・つ・は、さらに融点の低いロウソクがあるんですよ。
こちらは低温ロウソクと呼ばれ、40℃程度が融点になっています。
土 田:だいたい、お風呂の温度と一緒ですね。
池 上:そうなんです。
一般的なSMにおいては、こちらが使われることが多いんですね。
実は今日、実物を持ってまいりました。ご覧下さい。

ひとり:うわー、カラフル!
土 田:普通のロウソクより、かなり大きいんですね。
真 鍋:バースディ・ケーキにはさせませんね。
池 上:さすとすれば、お尻の穴ですネ。
それはともかくとして、SMプレイでよく用いられるのは
赤いローソクなんです。
サイズも仏壇蝋燭よりは太く、かなり大きめになっています。
なぜだかわかりますか?
真 鍋:赤いのは、溶けると血のように見えるからじゃないですか?
池 上:そうなんです。まるで血が垂れているように見えますよね。
これは視覚的な効果を狙ったものなんです。

土 田:わざと赤くしてあるんだ。
池 上:その通りです。そして大きさですが、
これはロウソクを垂らす人も持ちやすいですし、
垂らされる側も、まずはその見た目で期待を膨らませることが出来ますね。
このように、SMを最大限楽しめるように様々な工夫がなされているんですねえ!
ひとり:イヤーでも、いくら熱くないと分かっていてもやっぱり怖いですよ~
池 上:そう、そこなんです!
緊縛、ロウソク、鞭打ち、あとはハイヒールやピンヒールによる踏み付け、
ペニス責めや金蹴り、針による乳首貫通、その他医療器具を使用したり、スカトロなど、
これらのプレイは、かなりキツイ印象がありますよね?
SMの中でも、この系統は「ハードSM」と呼ばれています。
ハードがある・・・ と いうことは…?
ひとり:ソフトもあると?
池 上:そうなんですねえ!
ハードSMに対して、言葉による羞恥責め、お馬さんごっこや目隠しなど、
軽めのプレイを主体に行うことを「ソフトSM」と呼んでいます。
真 鍋:あ、わかった!
ハードとソフトの違いが、SMクラブとM性感の違いなんですね?
池 上:さすがに真鍋さん、お約束通りの展開ありがとうございます!
乱暴な分け方をしてしまえば、そういうことになりますね。
SMクラブへ行くには気が引ける、というソフト嗜好のお客さんがM性感の主なターゲットになっています。
ただ、厳密に言える明らかな違いのひとつは、SMクラブではS男性向けの接客に対応するお店もありますが、M性感でのお客さんは受けオンリーです。つまりMの人だけがいくお店です。
ホーマー:あの~すみません、顔面騎乗はどちらに分類されますでしょうか?
池 上:おお! ホーマーさん、良い質問です。
顔面騎乗はハードとソフトの二面性があり一概には言えません。 とても高度に洗練されたスタイルでして、微妙なところですね。
ひとり:でも、M性感では一番人気のあるプレイですよ!
池 上:劇団ひとりさんは、なんでそんなことまで知ってるんですか?
土 田:実際にはM性感のプレイって、どんな感じなんでしょう?
池 上:気になりますか? 気になるでしょう?
ホーマー:気になる、気になる(>_<)
池 上:実は先日、私が実際に二軒ほどM性感に行ってまいりました。
その時のVTRがありますのでCMの後、それぞれの店を比較しながら見てみましょう。
池上彰の 知らないと損をするM性感の楽しみ方 
土 田:い、池上さん、本当に行かれたんですか?

池 上:はい、ジャーナリストとして、行ってきました。

真 鍋:わ~、すっごーい! きちんと逝けましたか?

池 上:真鍋さん、ウレシイ質問ですネぇ。ジャーナリストとして抜いてきました。

真 鍋:
女王様の許可を頂いてから射精できたの?
ひとり:池上さんは、お許しの前に逝きたいタイプだと思うな。

池 上:そのあたりのことは、番組後にオフレコでお話します。

土 田:後で店の電話番号と指名した女の子を教えて下さ~い!
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