池上彰:皆さんは、なぜ日本にこれだけ多くの原発があるのかご存知でしょうか?
ハイジ:あら、わからないわ。おじいさん、どうしてなの?
おんじ:そうさのオぉ....
クララ:日本が戦争に負けたからじゃないかしら。
池上彰:さすがクララさん、よくご存知ですね!
ペータ:え~!戦争に負けたら原発が増えちゃうの?
ロッテンマイヤー:何をバカなことを!これだから山育ちの子は...
池上彰:いえいえロッテンマイヤーさん、ペーター君はなかなか鋭いですよ。
おんじ:アメリカの口車に乗せられてしまったのかのう...
ロッテンマイヤー:何をバカなことを!日本が復興のために自ら望んだ道です。
これだから山育ちの野蛮...
ハイジ:おじいさんを悪く言わないで!
池上彰:まあまあハイジさん、
ロッテンマイヤーさんの言うことにも、実は一理あるんです。
クララ:戦後、日本とアメリカの利害が一致したのね。
池上彰:そうなんです、クララさん!
唯一の被爆国である日本が、軍拡と軍縮の渦に巻き込まれていきました。
おんじ:戦後も、アメリカの核実験で日本の漁船が被爆したことがあったのォ...
池上彰:さすがはおじいさん!
ビキニ環礁で行われた核実験で日本のマグロ漁船・第五福竜丸が被爆しました。
皮肉なことに、この事件が原発導入のきっかけにもなっているのです。
ハイジ:わ~、こわーい。どうしてそんなコトになったの?
ペータ:東西の冷戦構造が、米ソを核兵器開発競争へとかりたてたんだよ。
学校で習っただろう?
クララ:ペーターって凄いわね。私すっかり忘れていたわ。
ロッテンマイヤー:スイスは永世中立国ですから、関係ありません。
おんじ:自分さえよければいいのか? それにあんたのところはドイツじゃろう。
ハイジ:東西冷戦が、どうして日本の原発と関係あるの?
池上彰:いい質問ですね!軍拡の流れの中で核実験が繰り返され、広島、長崎についでビキニでも日本漁船が被爆し、日本は原子力に対する拒否反応がもの凄く強かった。それなのに、結果的に原子力発電を受け入れてしまったのは不思議だと思いませんか?
ペータ:日本人って、バカなんだよ、きっと。
ハイジ:ペーターったら、そんなこと言っちゃダメよ!
きっと何か理由があったんだわ。
クララ:日本は資源に乏しいから、石油にかわる新しいエネルギー源が必要だったんじゃないかしら。
池上彰:そのとおりです!
核兵器はイヤだけど、核分裂による膨大なエネルギーには当時世界中が注目していました。
おんじ:ソ連が米国より先に核兵器の水爆実験に成功したのも大きかったのお...
池上彰:そうなんですねえ!
これを受けて当時のアイゼンハワー大統領が、原子力開発の情報開示と国際管理を訴えます。
クララ:それがきっかけで
国際原子力機関(IAEA)が設立されたのよね。
ペータ:う~ん、だんだん難しい話になってきたなぁ...おいら頭わるいから...
ハイジ:ペーターったら、そんなこと言っちゃダメよ!
あきらめないで、もっと頑張らないと。
ロッテンマイヤー:大自然に囲まれて自給自足の生活をしている子どもたちには難しすぎますわね。
池上彰:いやいやロッテンマイヤーさん、この問題は大人にとっても難しいですよ。
だからといって知らないですまされる問題ではありません。
クララ:冷静の行き詰まりと日本の原発推進の因果関係がまだよくわからないわ。
池上彰:さすがはクララさん、いい質問ですね!
核兵器をこのまま開発し続けると、さすがに地球が滅亡してしまいそうな危機感から、
原子力の平和利用という新しいコンセプトが生まれます。これが危険でした。
経済的に豊かになりたい日本は、この「平和利用」というキーワードに乗せられたのです。
ペータ:
豊かさのために危険なものを利用するなんて、変だよ
おんじ:偉いぞ、大将。
自分で考えて自分の意見を言うのが、本当は一番難しいものなんじゃ。
ロッテンマイヤー:多くの日本人は、自分で考えて自分の意見を言いませんね。
クララ:スリーマイル島の原発事故で反対運動は盛り上がっていたんでしょう?
ロッテンマイヤー:日本人は原発の電気を使いながら、反原発運動をしてきました。
本当の危険性をわかっていない証拠です。同じことが原発推進派にも言えますね。
ハイジ:あぶないのがよくわかってないのに、原発を建てちゃったの? どうして?
ロッテンマイヤー:日本はオイルショックの後遺症もあり、経済と利益を優先しました。
日本の高度成長は、生活の質と健康を犠牲にした幻の繁栄です。
電力会社は欲の皮がつっぱらかって、不必要に原発を建てまくりました。
アメリカの核の傘に隠れて、自国の繁栄のために核を利用したのです。自業自得です。
池上彰:まあまあ、そのくらいにしておいて。
他のオプションが模索できなかったのは、国内外の政治・経済的情勢やマスコミ、環境問題など、様々な事情が複雑にからみあっていますね。
おんじ:日本人はすぐそうやって、責任の所在をあいまいにするのお。
大江健三郎:
あいまいな日本の私(^^) (。。)☆\バキ
池上彰:それじゃあ率直に申し上げましょう。
本来、原子力つまり放射能自体は安全ではない。 原発は諸刃の剣なのです。
しかし日本政府と国民は、貧困や経済不振による国体としての共産化の危険性の方を恐れた。
民主主義と経済的繁栄のため、当時の日本に原発は必要だった。
クララ:危険と知りつつ電力需要を増加させ続けてきたのが、
痛いわよね。
ロッテンマイヤー:まあ、お嬢様! なんてはしたない!
クララ:今さらお上品ぶっても、はじまらないわよ。
ハイジ:でもお、危険だって知らなかった人もいたんじゃないかしら。
ペータ:それはないだろ~。そこまで日本人ってバカなの?
島耕作 :危険でも自分の家の庭じゃなければ、オッケーってこと。(
NIMBY)
(
not
in
my
back
yard ← 試験に出る英語)
*漫画家の弘兼憲史は原発推進派として知られている
ロッテンマイヤー:知らないとか、考えてませんでしたではすまされませんことよ。
おんじ:事実を隠そうとする動きもあったのお...
ハイジ:みんなでもっと真剣に考えて行動しないとだめよね。
ペータ:こうなっちゃったからには、もう原発なんてやめちゃえばいいのに。
ロッテンマイヤー:今頃になって節電とかで罪滅ぼししようってのはむしがよすぎます。
ヨーゼフ:
わん!
おんじ:そうさのオぉ....
*この会話は事実をもとにしたフィクションです

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池上彰がM性感を取材体験?
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しかし、
あれですね。
安全面だけを強調するのは。
あれです。
人間、清濁あるわけで。
そのうち
変態さんが
爆発しそう!!